足りないのは読者目線?インタビューには、溢れる尊敬にアレをピリッと添えてみる
先日、久しぶりに対面でお会いしてインタビューをする仕事がありました。(最近はオンライン取材が殆どなのです)
書いた記事は、あるWEBメディアに掲載予定。
場所は、相手の方の仕事場。海沿いの街にあります。各駅停車の電車に揺られること1時間。目的地に向かいながら車窓を眺めていると、どんどん景色が緑深くなり、のんびりしてきました。
そんな道中に、私は考えていました。
『インタビュー記事を書く仕事を2年くらいやってきたけど、今の私のインタビューで足りないことってなんだろう?と』
今日は、取材記事の仕事に興味のある方や、私のようにインタビューを初めたばかりで、もっとうまくなりたい!と思っている方のために、私の気づきを書いてみたいと思います。
訪問したシェアオフィスにいたワンちゃんです↑ まず、この子がお出迎えしてくれました♡
お醤油にワサビを入れると、ピリッと美味しくなるみたいなこと
インタビューが好きという気持ち一つでこれまで走ってきたし、心からわくわくして楽しいと思いながら書けています。お仕事も継続的にいただけているし、それは何より有り難い!
しかし、メディアで書かせてもらっている記事は、今の所、PVがそんなに伸びていません。だいたい1万PV強くらいです。インタビューで、いわゆるヒット記事みたいなものが出せていない。(ちなみに、大手のメディアであれば1万PVくらいは大抵いったりします。)
私がやっているインタビューは有名人ではなく、一般のかたのインタビューが多い。だからPVが少なめなのは仕方ないかもしれない。でも、書くからにはもっと多くの方に読んでもらいたい。もっと、うまくなりたい。
これまで、インタビューを実際に何度かやってみて勉強もしてみて、でも、まだきっと何か足りない。掴みきれていない気がする。。。
それは何なんだろう?と考えていたら、あぁ、もしかしたらコレが足りなかったのかもなと思い当たることがありました。
それは、お刺身だったら醤油にワサビを入れると、ピリッとして美味しくなる。チョコレートにほんの少し塩を入れると美味しいみたいなことなんじゃないかなと気がつきました。
私がどのようにインタビュ―の仕事を得ていったかについてと、インタビュー愛についてはコチラです↓
読者目線で踏み込み、少しだけ批判的な気持ちで聞いてみる
ちなみに、インタビューについては、これまで以下の本を読みつつ実践しつつ、そして宮本恵理子さんの『THE INTERVIEW』でも学びました。
『インタビューの教科書』は、今読み返してもなるほど!と思うことがあります。ざっと基本から、中級レベルの事までコンパクトに網羅されています。取材対象者のケース別のコツもわかりやすいです。
『聞き上手さんの習慣』はどちらかというと、インタビューのマインドや、相手に質問をするということのメリットについて書かれた本です。
ちなみに、中村洋太さんのこちらのnoteも非常にインタビューについて網羅的にまとまっていて役立つな!と思いました。
さて『私に何が足りなかったか』に話を戻します。
インタビュアーは、インタビュー対象者へのリスペクトや尊敬はもちろん大事です。私は、そこに力を注いできたし、それがないと話も盛り上がらない。これは大前提です。
そこに対して、忘れがちだったのは「読者」の存在です。インタビュアーは「取材対象者」と「読者」をつなぐもの。そして、「読者」は決して、自分ではないこと。メディアの「読者」はインタビューなどの4000字超えの文章は、よほどのことがないと最後まで読まないということを心得ること。
今は、世の中に、動画や漫画やおもしろいコンテンツが溢れていて4000字超えのインタビューに目を留めて読んでもらうのは、実はかなり難しいことだと聞いています。
なので意地悪な事を言ってしまえば、「読者」は基本的にインタビューの内容に興味がないと思わないといけない。
私のようにインタビュー記事というだけで、つい読みたくなってしまうという活字好きの人は、実は珍しいのかも。私が取材対象者に対してリスペクトしていることや、一生懸命調べたことは、私だから興味を持てることであり、仕事だから調べたことなわけで、読者は興味がないのが大前提。
では、私からすれば、意地悪にも思える読者を振り向かせるにはどうしたらよいか?
そこで必要なのは、読者がつい気になってしまう「ためになる!」気づきだったり、「実際、そんなにうまくいかないと思うんだけど、ホントの所どうなの?」というインタビュイーの本音だったりです。そこは、読者も興味を持つし、つい気になって読んでみようかなと思うでしょう。
そのためには、ピリッとした(つまり、ワサビや塩的な)質問も、インタビューに少し混ぜ込んで入れてみる必要があるんじゃないかなと思い至りました。
インタビュアーは、読者とインタビュイー(取材対象者)をつなぐ役目がある。
読者目線を忘れずにインタビューすること。そして、そのためには少し、ピリッとした、道を歩いている読者が「エッ?」と思わず振り返って聞きたくなるような、やや踏み込んだ質問を意識的に入れて今後のインタビューに挑戦してみようと思いました。
こんなイメージです。
■After
今までは、
■Before
これまでは、私の意識として、インタビュイ―(取材対象者)のお話を聞いていくかだけに意識がすごく向きがちでした。そこに、読者だったら何を聞きたいだろう?という代弁者であるという意識を、もっと入れるべきだなと思いました。
インタビュー関係の本でも、インタビュイーに対してのノウハウが多いけれど、「読者が聞きたいことを、いかに掴んで、どう聞いていくか」という読者視点を教える情報は案外、世の中にはないな……ということにも気がつきました。
そして実際のインタビュー、どうなったか
今回の、対面インタビューは企業とのタイアップ案件だったため、ある程度質問の流れは決まっていました。
その中で深く掘り下げたり、自分自身が気になることを聞いてみたりと質問を重ねていきました。
しかし、ついつい取材対象者へのファン目線になってしまうため、結局、今回のインタビューに関しては、ピリッとした踏み込んだ質問を発動する場面がなく不発におわりました。笑 (インタビュー自体はとても楽しくさせていただきました)
でも今後チャンスがあったら、インタビューの正当な流れ以外にも、こういう質問をしてみたらおもしろいかも?など、幾つかちょっとピリッとした変化球的な質問を用意してみてもいいんじゃないかなと思っています。
それは、インタビューの間の空気感で、繰り出されるかもしれないし、今回のように不発に終わるかもしれない。インタビューは、そのライブ感も楽しいです。
****
インタビュー経験数もまだ少ないので、場数を踏んでいきたいです。こうしたらもっとうまくいくかも?と、仮説をたてて、常に探究できるところもインタビューの仕事の醍醐味だなと感じています。