第899回【圧巻人生日誌 日々是成長】890(2023/11/16)▲▲偶然の世界を泳いでいく▲▲
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本日は
私のおばあさんの法要の後、
所用のため名古屋に移動しておりました。
名古屋に向かう道中、
沢木耕太郎さんの『旅のつばくろ』を
読んでおりました。
ん?何か既視感のある内容。
どうも単行本が出た時も読んでいたようです。
最近、
同じ本を何度も買ってしまう事象が多発しています汗。
沢木ニストにはコレクションが増えるので
不問題なのですが!
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沢木さんといえば
海外に関するエピソードが主で、
国内旅行にまつわるお話は少数派。
本書は、
沢木さんが物心ついた頃から
国内を旅してきたショートエッセイが収録されています。
(JR東の車内誌への連載でしたので、
国内の話になるのも当然のことですが)
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こちらの数々のエッセイを目にしていた
改めて強く思ったのが、
『偶然』を大事にするということ、でしょうか。
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沢木さんも私と同じ(というか、私が真似ているのだが)、
旅に関して仔細な計画を立てず出発する方
なんですよね。
旅先でたまたま入った美術館、居酒屋、
たまたま出会った人にインスピレーションを得る点は、
私も首肯することしばしばですし、
それでこそ楽しみが倍増するってものよ!
と思わずにはいられません。
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しかし、なぜ偶然だと面白いのか?
その答えを、
沢木さんは巻末のあとがきで書いています。
東北のとある町を旅した際に、
キャバクラの呼び込みのお兄さんに勧められた
居酒屋へ出向いた時のエピソードとして、です。
沢木さんは偶然その居酒屋に出向きましたが、
最近の旅行者はGoogleの評価を見てから
お店に出向いてくる、のだという。
その時の所感が改めて、そうだよなと思いましたので
長いですが引用します。
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よくよく考えたら
沢木さんの今のキャリアだって、
偶然の産物のはずなんですよね。
沢木さんは横浜国大を卒業したあと
本当は富士銀行に入行するはずだったところ、
入社式で辞めてきたというエピソードは有名です。
あの日沢木さんがバンカーになっていたら、
恐らく優秀な行員として幹部層になっていたかもしれません。
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しかし、そのままバンカーでいたら、
私が若き頃(今も若いけど)魅了された
『深夜特急』は生まれなかったはずだし、
『偶然』を楽しむというこのエピソードも
生まれなかったはずです。
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これらの話はもしかしたら
『偶然性』というよりは
『偶有性』と言っても良いのかもしれません。
『偶有性』とは
脳科学者の茂木健一郎さんがしばしば利用される
キーワードですが、
ある程度は想定内の出来事だが
一方で想定外の出来事も起きること、
と説明されています。
そして偶有性を経験する際に、
人間の脳は一番活性化するらしい、のです。
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偶有性は、予定調和とは
対極にある概念かもしれませんね。
世の中では
想定できないことはあらかじめ
『リスク』(投資の世界で言うところの、リスク、ではなく)として
排除する風潮もありますが、
偶有性の世界を泳ぎ楽しむことこそ
人間が持った能力の一つと言えそうです。
この本を読むと、その理解が深まりそうです。
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そんなわけで(?)『偶然』を味方に、
この度私は初電子書籍を上梓いたしました。
予定調和に生きていては
出版をしてみようなどとは思いも寄らなかったはずです。
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偶然に出会えた人のおかげ、
偶然に飛び込んだ世界のおかげ、
色々きっかけはありますが、
『たまたま』の産物です。
もしお時間がありましたら、
お手に取っていただけましたら幸いです。
今日も『偶然・偶有性』の海の中を
楽しんで泳いで参りましょう!
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★★今日の圧巻人生方程式★★
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たまたま、『偶然』と言われる
世界に飛び込んだことで、
自分の価値観や感性が磨かれることがある。
また偶然によってしか
出会えない事象や人があるのも事実。
臆せず、
偶然の世界を楽しんでみよう。
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