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第644回【圧巻人生日誌 日々是成長】635(2023/2/24)▲▲あらためて、nakaちゃんねるを紹介してみる⑦▲▲

金曜日は自己紹介Dayです。

ゆる〜く張り切って参りましょう。


前回は

就職して配属が決まったことまでを

お話しいたしておりました。



9)社会人になる、そして配属


私は元々IT業界に行くなら

公共案件をやりたいと思っていたので、

N◯TデータとかN◯Tコミュニケーションズとかを

片っ端から志望はしていたのですが、

片っ端から落ちまくっていました。


そんな中たまたまメーカー系会社に

拾っていただき、

しかも配属先が公共営業の部門。


『僥倖じゃー!』と叫んで

喜んでいたのを思い出します。



しかしそんな喜びも束の間、

最初に回されてきたのは当然ながら

毎日の雑用。

(新入りだからそりゃそうなんですけどね)


今じゃセキュリティ上あり得ないと思いますが、

倉庫に眠っている超巨大なデスクトップPCを

自分で引っ張り出してきて

自分でセットアップしていたのを覚えています。



IT業界なのにIT業界っぽくない、

しかし毎日勢いで仕事している感じが

心地よかったものです。


そして何よりも衝撃だったのが、

私の上司が毎日会社に来なかったこと

でしょうか。



当時は在宅勤務なんて概念もないですし、

ピュアな私は『毎日直行で忙しいんやな』

思っていたものですが、

珍しく早朝からデスクにいる上司に印を貰いに行き

全ての謎が解けました。


なんか酒臭い・・・

しかもそれを悟られぬよう口元を

手で押さえている。(でも酒臭いw)

しかも指が震えている・・・。


『この人はお酒が大好きなんだ!』

(実際にはもっとストレートな感想)

とピンと来たわけです。



その事実を知って以降、

私の社会人生活の初上司の

武勇伝(もちろん酒にまつわる話のみ)を聞き、

一緒に酒を飲みに行くこと=危険と構えていたものです。


しかし、部下ですから逃げ続けることも出来ず。

定時の17:30近くに背後に

不穏な気配を感じたと思ったら、

その上司様からの悪魔のお誘いが。


『行くか』、と。



初々しい私はどこに行くのかとも聞けず、

『は、はい・・・!』と上ずった声で

回答したことを克明に覚えています。

それは正に、蛇に睨まれた蛙状態です。


当時の私のオフィスは銀座の端くれにありましたから、

一軒目は18時頃から新橋の居酒屋へ突入。

大体ここで3時間ほど。

上司様もまだエンジンが掛かる前、

『最近はどうだ』だの『毎日楽しいか』だの

今でいう1ON1的な時間が続きます。



エンジンがフルスロットになるのが、

22時頃から始まる2軒目から。

1軒目なんて、まだブルペンで

肩を温めているようものなのです。


乃木坂にあるPINONという名の

いかにもお高い雰囲気のスナックへ強制連行。

どうやら地元でもラグジュアリー層を相手にしていたらしく、

見慣れた経済界の要人や政治家も

時々見掛けたことがあります。

(どうも今は雀荘になっているらしい)


『一介のサラリーマンがこんな所に来ていいのか?』

などと疑問に感じることも許されず、

拉致監禁されるのです。

監禁が解かれるのが、朝5時。


5時までの約6時間近く何をするのか。


もはや上司様との会話などありません。

お好きなクラプトン

エンドレスメドレーを聴く会となるのです。

これは例えるなら、

ジャイアンのリサイタルみたいものですね。


その中でも

壊れたテープレコーダーの如く

何度も聞かせられたのが、

クラプトンのcocaine

いつの日からか私はこの儀式を、

『コカイン拉致』と呼ぶことにしました。

職場の行き先ボードにも当該日は

『コカイン』と書いて理解を得るようにしていました。

同僚にも、『今日、コカインだから・・・』と告げて

退社したり。(みんなの気の毒そうな視線が忘れられない)


そして6時間オンステージですから、

途中で居眠りなんて当たり前なわけです。


寝ているのが発覚すると

『ウルセー、バカやろう!』

罵声が飛んできたものです。


当時はパワハラとかそんな概念も無い時代ですから、

バカやろうと飛んできた日には

『ハッ!』と身を正していたものですが、

バカやろうの後の締め文句が

『ま、いっか』



あー、この人は

私に対して怒っているのではなく

自分に対して怒っているのだな、

と分かってからは、

聞いているふりして寝るし

テキトーに合いの手を打っておけば良いのだ、と

学ぶことができました。


そして朝5時、

六本木の街が静かになる時間に解散。

何度そのまま事務所に向かったことか・・・。



と、

私の社会人1年生はこんな感じで始まったのです。


今なら、『◯◯ハラ』だとか叫ばれそうなものですが、

こういう非日常を楽しんでいた自分も居たようでして

『社会人なれば、こういうこともあるよなー』

と軽く構えていた節もあったのです。


正直なところ

社会人1年目でろくすっぽ仕事は

覚えなかった気がしますが、

酒の飲み方だけはしこたま仕込まれた気がします。


当時は眠たくて仕方なかったですが、

今思えば貴重な課外(加害?)学習

させて貰っていたのだと実感です。



あのコカインを愛した上司は

今どこで何をしているのか。

赤いアルファロメオを買って

山梨に移住したなんて話も聞きましたが。


甘酸っぱい思い出?

いや、苦手なウィスキーで喉の奥がヒリヒリした、

そんなことが思い出されるのです。

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