「山ヲ歩キ、湯ニ到ル――#02大台ヶ原山と入之波温泉」大内征
登山と温泉はセットである――。
低山里山に歴史文化や神話民話を追い求め、日本各地を旅する低山トラベラー・大内征が綴る、山のこと、湯のこと、旅のこと。
第二回は、とある夏の奈良の山旅。室生から吉野を経て十津川へと縦断する旅路の途中、日本有数の降雨量を誇る大台ヶ原山を訪れたときのこと。そこで立ち寄ったのは、入之波温泉でした。
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ある年のこと。
梅雨が明けたばかりだというのに、山道具の収納ラックから雨具の類を出してきてはザックにパッキングしてい