M-1グランプリ2024準決勝展望&願望（香盤発表後）
ワイルドカードは廃止しましょう（挨拶）。
Ｍ－１グランプリ準決勝の香盤が発表されました。発表前にした香盤予想と照らし合わせつつ、改めて各コンビの印象と決勝進出予想について語ります（予想が野暮は承知）。
予想の記事はこちらから。なお決勝進出予想は前回から多少変わっています。
M-1グランプリ2024準決勝香盤予想&決勝進出予想
【本題】
香盤予想の正否と準々決勝まで見た筆者の印象、決勝進出予想及び願望を書きます。コンビ名の前は出番順（ブロックとブロック内での順番）、コンビ名の後ろの（）内の記号が左から順に以下の通りです。
①予想の正否
○…ぴたり一致 □…同ブロックで１つずれ △…同ブロック ×…外れ
②決勝進出予想
☆…かなり高い ◎…高い ○…高くはないけど大穴狙い
□…あると思うけど予想からは外した
△…可能性はあるけど低そう ×…かなり低そう
③決勝進出願望
☆…他が最悪でもここだけはマジで頼むから上がってほしい
◎…かなり決勝で見たい ○…決勝でやってるのを見てみたい
□…見たいけど他の見たい組が上がってくれるなら最悪落ちても……
△…まあ落ちても別に…… ×…上がったら最悪
Aブロック
A1ロングコートダディ（－××）
・ワイルドカード枠。キャラで笑いを取るタイプのネタが苦手なので過去ネタからそもそも好きではない上に、準々決勝のネタは現地で見ながら「このネタ、アドリブでやってるだろ」と呆れていたら本当にほぼそうだったらしい、というクソネタだったので、投票した奴らの気が知れない（投票した全員がそこまでは知らないだろうが）。
A2豆鉄砲（××□）
・去年のネタはあまり好きじゃないタイプの屁理屈持論系だったが、今年はかなり共感できる持論系だったので、準々決勝突破も納得だった。もっと評価が高いと思ったのだが、３回戦までの評価が低めだったのか突破組の一番手に。決勝に行くのは見てみたいけど、他に有力候補が多すぎる。他のしゃべくり組がよっぽど滑らないと厳しい位置か。
A3例えば炎（□×△）
・関西の漫才コント枠。準々突破もわりと「？」だったので、まあ落ちても別に……実際のところ、有力な漫才コント勢が多すぎて候補には上がらない。運営が極端に「関西から新しいスターを！」とか思わない限り。その枠もジョックロックでいいと思うし……
A4十九人（○×△）
・奇天烈系のネタ。準々突破は「ウケてはいたけど通すのかよ！？」と感じた。ここもキャラで笑いを取る（しかも狂人系）なので筆者は苦手。コンビ大喜利ＡＵＮの時は狂人でも何でもなく良い感じに面白かったから、漫才もああいう風にすればいいのに、と個人的には思う。個性を出すための戦略なのだろうが。ここも運営がよっぽど『そういう枠』を作らない限り難しいと思う。
A5スタミナパン（×△□）
・漫才コントかコント的要素ありのしゃべくり系。去年の予選で覚醒したが、個人的にはお笑いファンがハマるほどはハマらなかった（基本的にお笑いファンとは趣味が乖離している）のだが、今年は見慣れたおかげか去年よりもかなり進化していると感じた。なので評価が高めかと思っていたが、この位置だと微妙か。去年の経験がある分、初準決勝組よりは可能性が高いか。
A6オズワルド（□△△）
・みんなご存じ準優勝経験者。ただ、なまじ準優勝までいってしまったせいで観客からの期待が上がっているのか、ここ数年は『ウケのわりには勝ち上がる枠』のようになってしまっている。はっきりと事実ではないことを事実であるかのように話す『仮想しゃべくり漫才』として台本が良いので審査員評価は高いのだろうが、さすがに突破にはウケが足りないのでは。
A7フースーヤ（□△□）
・ギャグ系漫才コント。強引に笑かしにくる感じが筆者は好き。ただ準々決勝のネタはそこまでギャグがハマらなかったので、準決勝に期待。ブロックトリなので評価は低くないと思うが、他の有望株に勝てるか。
Bブロック
B1カラタチ（△△△）
・型のあるしゃべくり漫才。キャラとまでは言わないが、二人のパーソナルな部分をイジるという点では『職業系漫才』に近い。準々突破したからには今までより評価が上がったと思っていたが、ブロック一番手ということはけっこうギリギリだったか。
B2ドンデコルテ（×○○）
・しゃべくり漫才。以前見たネタはそこまでだったが、今年のネタは２回目に見ても面白いネタだった。個人的に期待度が高い。『事実系しゃべくり』の中でも独特な雰囲気があるので、突破の可能性はあると思う。
B3ママタルト（×□□）
・漫才コント勢。筆者は大喜利から入ったコンビ。ネタも大喜利系のボケが多く強度もある。決勝に行ってほしいとは思うが、漫才コント勢が大混戦なので順番待ちの可能性が……と思ったが、既に準決勝は３回目。順番は来たと見るか。
B4家族チャーハン（△△△）
・漫才コント勢。今回の漫才コント勢の中では一番ベーシックな型で個人的には好きだが、そういう点では審査員評価は低そう。よっぽどウケれば分からないが、真空ジェシカ、ヤーレンズ、マユリカなどを全て超えなければならないのは至難の業。
B5今夜も星が綺麗（×○◎）
・ユニットで漫才コント勢。今年覚醒した感がかなりあったが、準決勝進出はかなりサプライズ感もある。３回戦までのネタがかなり芸術点が高いので、そこが評価されたのではないか。準々決勝のネタは正直３回戦のネタよりも弱く見え、３回戦のネタではさすがにネタバレしてウケない可能性がある。ただ、他の漫才コント勢とはボケや展開の種類が違うという点が審査員にハマっていれば、大穴での進出が見えてくる。ここはサプライズ選出の意味も込めて、予想を○に。筆者個人としては今年偶然ライブ出演とタイミングが合って３回も生で舞台を見ているので、応援したい。
B6インディアンス（×◎○）
・コント要素多めのしゃべくり漫才（と筆者の中では分類している）の印象が強いが、準々決勝のネタは今までのイメージを一新するネタと言っていいだろう。過去ネタからの変化・進化という点も加味して成績上位、と思っていたが意外と順位が低そうな出順となっている。だがネタの出来は他を圧倒しているので、決勝進出の可能性は高い。今年のネタがテレビでどう評価されるかも見てみたい。
B7バッテリィズ（□□△）
・型のあるしゃべくり。「いやその反論おかしいだろ反論し返せるよ」と思うくだりが多かったが、準々決勝はそこよりもやりとりの部分で笑いを取れていた。突破の可能性はあるが、去年東京であまりウケなかったのを克服できるか。
B8金魚番長（××△）
・漫才コント勢。個人的には謎通過枠。面白くないわけではないが漫才コント多すぎにするにしてもここ？漫才コントでは他を超えるのは難しいだろう。
Cブロック
C1ジョックロック（×◎◎）
・漫才コント勢。去年の１回戦TOP3で見ていずれ上がってくると楽しみにしていたがまさかの早さ。他の漫才コント勢と比べるとツッコミの特徴が強い。その点ではママタルトと競合するか。『準決勝初進出の新顔』という点では一番強い。
C2男性ブランコ（×△△）
・漫才コントが多いがしゃべくりに近い形もある（2022決勝ネタ）。準々決勝はテイストは音符運搬に近いがコントイン・アウトがある漫才コントという印象。個人的にはツッコみどころがあるネタなので、30組中の順位はそこまで高くならないと予想する。
C3マユリカ（×□△）
・漫才コント勢。個人的にツッコミ中谷の女形がすごく苦手だったのだが、最近はどちらかというと（変人の相手をさせられる）被害者役が多く、苦手感は薄くなった。とはいえ漫才コントの競合相手が多く、予選の強さで見るとまだ上位とは言えないと思う。
C4滝音（×△×）
・エピソード系しゃべくり漫才。いくらなんでもツッコミの察しが良すぎるボケという印象であまり好きではない。ウケるのは分かるけど……というコンビだが、今年の準々決勝はそれほどウケていた印象もなく、謎通過と感じたコンビの一つ。もし決勝に行ったら最悪、とまでは言わないまでも「絶対他のコンビ通した方が面白かっただろおおおお！」とは思ってしまいそう。
C5ナイチンゲールダンス（□□△）
・漫才コント勢。昨年敗者復活戦の評価（貯金）があるため初決勝枠として進出する可能性は高めだが、準々決勝のネタを見る限りではそれほど出来はよくない。今回は予想から外した。
C6ダンビラムーチョ（△△△）
・変化球ネタ。昨年から予選客ウケは非常に高いが、その状態で決勝進出した去年が大爆死だったので、予選審査員もさすがに上げづらいのではないか。個人的には「お笑いファンにウケるのは分かるけど、あまりにも『こういうお笑い』を面白がる空気すぎないか？」と懐疑的に見ていたのだが、昨年決勝でスベったことで溜飲が下がった状態でいる。
C7豪快キャプテン（△□□）
・しゃべくり漫才。わざわざ変な特徴をつけているわけではないが、キャラが強め。筆者はキャラというよりその圧にハマっているが、好き嫌いははっきりするタイプか。大阪枠のしゃべくりという点ではカベポスターが、熱量のあるしゃべくりという点ではひつじねいりが競合相手となる。バッテリィズ同様、大阪と東京の客層の違いをはねのけられるか。
C8ヤーレンズ（◯◎☆）
・漫才コント勢。筆者にとっては今年の大本命。とはいえ準々決勝の出来は微妙だった。準決勝で違うネタをすれば、少なくともウケでは上位に入る可能性が高い。漫才コント勢では筆頭格だが、「去年との違いを効果的に見せる」という加点があるか、微妙に減点になりそうなくだりがどう評価されるかが不安。
Dブロック
D1ダイタク（△□□）
・しゃべくり漫才。初めて見た時は双子ありきのネタすぎて受け付け難かったが、最近は見慣れたおかげでそこまで抵抗感はない。漫才の上手さはピカイチだが、どうしても突き抜けきれない感じがある。ラストイヤーで客席の後押しを受けられるか、近年のラストイヤーの傾向と同様敗退となってしまうのか。
D2カベポスター（□○△）
・しゃべくり漫才。ボケが語るエピソードに横からツッコミが入る形式が多いが、準々決勝のネタはツッコミ側の役割も多かった。昨年からの変化点として評価されそうだが、ネットの話では過去ネタらしいのでそこまでの評価はされないか。しゃべくり漫才組以外に、３年以上の連続出場枠として真空ジェシカとも枠を争うことになりそう。４年連続の真空ジェシカよりも上がるハードルは低いか。
D3ひつじねいり（×□□）
・しゃべくり漫才。活動拠点で言えば関東組だが関西弁の熱量系しゃべくりという点で、豪快キャプテンと比べられそうだ。豪快キャプテンとの違いといえば、あちらはツッコミがボケに押されがちな展開なのに比べ、こちらはボケがツッコミをのらりくらりと躱したり対抗したりする展開が多い。そこで違いを見せつけられるか。
D4真空ジェシカ（×□○）
・漫才コント勢。準々決勝は例年よりもウケていないと感じた。個人的にはここ数年よりネタが散らかっていると感じたので、もしかすると準々決勝敗退も頭をよぎったが通過。Ｄブロックということを考えると評価は高かったのだろうか。ただ、決勝で過去３年評価が芳しくないことを考えると、今年が正念場だろう。他の漫才コント勢に押される可能性を考え、予想からは外した。
D5シシガシラ（×△△）
・しゃべくり漫才。個人的にネタは好きなのだが、昨年決勝でのネタ前平場が最悪スベりだった印象が観客に強すぎはしないだろうか。Ｄブロックの谷の時間になりそうな予感がしてしまう。
D6エバース（△○△）
・仮想しゃべくり漫才。筆者はボケがツッコミを小馬鹿にしている感じがすごく嫌。お笑い界での評価が高いのは知っているし、イケイケムードが高いのも理解はしているが、正直過大評価だと思う。とはいえ審査するのは筆者ではないので、どうせ行くんだろうと思うことにする。できれば行ってほしくはない。
D7令和ロマン（□☆□）
・ネタのタイプはいろいろ。準決勝でどのタイプのネタをやっても、タイプ被りで比べられることはないだろう。逆に言えばウケ量で『自身の優勝時との相対的評価』をしてもらいたい。他より多少ウケて上位９組に入るくらいなら落として新しいチャンピオンが生まれるのを見たい。本当はヤーレンズ、トム・ブラウンとの最終決戦三つ巴も見たいが、他２組が令和ロマンほど盤石ではない以上、そちらが落ちるなら令和ロマンが……と思ってしまう。なお、香盤に関して言えば（準々決勝の順位で決まっているという噂だがそんこととは関係なしに）チャンピオンなんだから大トリにどっしり構えてここまでの全てのネタを超えるくらいのことはさせてほしいと思った。
D8トム・ブラウン（□☆◎）
・変化球系。準々決勝は昨年のスナックのネタと同系統で大爆発を起こしたので、１位通過だったと筆者は予想していた。巷の噂では準決勝以降用に別のネタが複数あるらしいので、期待大。ただ、昨年の影響でスナック系のネタを客席が期待していたら逆効果になる可能性もある。
【予想・願望まとめ】
①決勝進出予想
トム・ブラウン
令和ロマン
インディアンス
ヤーレンズ
エバース
ジョックロック
カベポスター
ドンデコルテ
今夜も星が綺麗
・上から可能性が高いと感じる順に並べた。下２組はかなり大穴気味だが、見たいコンビでもある。
②決勝進出願望
ヤーレンズ
トム・ブラウン
今夜も星が綺麗
ジョックロック
インディアンス
ドンデコルテ
真空ジェシカ
令和ロマン
ママタルトorひつじねいりor豪快キャプテン
・上から見たい順に並べた。インディアンスはおっさん女子の頃からうっすら嫌いだったが、2020の恐怖体験は進化した良いネタだと思ったし、今回はそれを超える（インディアンスの中での）進化を果たしたと思うので、どう評価されるかを見たい気持ちもある。真空ジェシカは何だかんだネタが好きだ。上にも書いたが一番見たい最終決戦はヤーレンズ、トム・ブラウン、令和ロマンなので令和ロマンにも勝ち上がってほしい。最後１組はママタルトとひつじねいりで迷ったが、この２組が入るとあまりにもＫ－ＰＲＯっぽすぎて番組として嫌かも、と思い豪快キャプテンも候補に入れた。山下ギャンブルゴリラがＴＶショーでどう扱われるかも見てみたい。
長々と語りましたが、皆さんはどんな予想・願望をお持ちでしょうか。配信チケット売ってます。見たい人は今からでも遅くない。決勝で新鮮に楽しみたい人はバレを踏まないように気を付けて過ごしてください。
それではまた、ネタ終了後にお会いしましょう（記事まで書いている時間はないと思いますが）。