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まんじゅうの天ぷら!?

土曜日に島根県の横田という町に行って買い物をした。うろうろした帰りだったので、何かお惣菜でも買って夕飯の手を抜いてやろうという魂胆で。

前回立ち寄った時に買った、アジやサバの揚げ物や煮つけが美味しかったので、お総菜コーナーへ。今回も美味しそうなアジの素揚げが並んでいる。

と、その横に「まんじゅう」と書かれた天ぷらがパックに入って売られている。衣のついたそれは、シイタケのどんこを天ぷらにしたような形状だけど、何かはよくわからない。

貝かな、魚かな、と思いながら、近くで品出しをしていた店員さんに聞くことにした。地元じゃないんだから、「まんじゅう」という魚を知らなくても恥ずかしいことではない。

「あのぉ、この天ぷらは何の天ぷらなんでしょう?」

店員さん、ちらっと見て、

「まんじゅうですよ」

………??

「えっと、まんじゅうっていうのは」

「まんじゅうですよ(にこにこ)」

「魚の名前か何かですか…?」

「まんじゅうですよ。おまんじゅう。」

「へ?????」

「あー、お客さん地元の人じゃないんだね、どちらから?」

「広島県です」

「そしたらわからんねえ。この辺じゃ、まんじゅうの天ぷらを食べるんよ」

「…あのまんじゅうですか??」

「そうそう。あんこの入った、あのまんじゅう」

店員さんが詳しく説明してくださったところによると、そもそもはお盆のお供えとしてお参りに来る人が大きなお饅頭を持ってくる風習があるのだとか。大きなお饅頭なので、みんなで食べても食べきれないし、里帰りの若いもんや子どもたちが帰ってしまうとまして食べきれない。それで、みんながいる間に衣をつけて天ぷらにして、おやつとしてどーーーんと出しておくのだそう。ちょっとつまんで食べられるサイズに切り分けて揚げてあるから、そうすると気軽に食べられるというわけ。

おそらく、少し日が経って固くなりかけた饅頭でも揚げてしまえば美味しく食べられるというのもあるんだろう。

「この辺の人は何でも揚げるよ。こないだは店でバナナの天ぷら出したし」

と店員さんはにこにこと語ってくれた。

珍しいので買って、帰りに車の中で食べてみた。天ぷらにしたまんじゅうだった(笑)


まんじゅうの天ぷらは、少し魚や野菜の揚げ物の匂いがした。家庭料理なんだな、と思った。





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