そうだ、汽水との共在感覚を西表島を撮るテーマにしよう
おそらく需要は自分にしかないと感じているが
1人で勝手にテーマを決めながら
西表島で写真を撮り続けるシリーズ
宇多田ヒカルさんの『PINK BLOOD』の歌詞が好きだ
誰にも見せなくてもキレイなものはキレイ、もう知っているから。誰にも聞かなくてもキレイなものはキレイ、もう言ってるから。
今まで西表島で1つのテーマで写真を撮ってきた
人間の悲観性と自然の湿度性の美を追っている
引き続き撮ろうと思う
湿度への憧憬
そして勝手に撮り続けるシリーズ第2弾
汽水との共在感覚
日本一の生態系を誇る、浦内川。
そこには淡水の美とも海水の美とも違う
西表島の汽水の美があると感じた
木が潤いながら、日の出を渇望し
生物は潮の満ち引きを感じながら営みを変える
ぬかるみに根を生やし
淀みに、大木に身を潜め
外で居眠りもあり
その暗色な艶やかな肌で木漏れ日の下を悠然と生きる
海水と共に在る
淡水と共に在る
しかし、汽水域で息づく自然の美を追いたい
人間には共在感覚が希薄してきている
人が自然に行く時に
まるで夢の国に行くような感覚なのだ
かといって東京に住んでいて西表島の動植物を身近に感じれるわけではない
共生なんて人間が移動する限り不可能だと思っている
それは身体は共に生きていないからだ
子供にはなるべく危ないところ行かせたくない、見せたくない自然を見せないのに共生した世界を目指そうなんてあまりにも酷な話である
だから共には生きていることは感じれないけど、今もどこかの自然と共に在るという感覚が必要なのだと思う
海水と淡水か往来する汽水域で息づく、根付く生命の足跡と美しさに共在感覚を感じたいと思う