魔法の時間。/20210304 ハンブレッダーズ "きっと何かが変わるはず"
行ってきた。感想です。
概要
公演名:"きっと何かが変わるはず"ワンマンツアー 東京公演
日 時:2021年3月4日(木)17時半開場/18時開演/19時20分終演
会 場:東京都渋谷区・TSUTAYA O-EAST
出 演:ハンブレッダーズ(サポートギター:うき)
形 式:場所指定のオールスタンディング
セットリスト
01.銀河高速
02.見開きページ
03.弱者のための騒音を
~MC1~
04.SUMMER PLANNING
05.都会に憧れて
06.ユアペース
~MC2~
07.パーカー
08.ファイナルボーイフレンド
~MC3~
09.COLORS
10.フェイバリットソング
11.ユースレスマシン
12.ライブハウスで会おうぜ
~Encore~
13.STILL DREAMING ※新曲
14.DAY DREAM BEAST
感想
ハンブレッダーズのライブは初参加でした。本当に本当に、楽しかったです。私の2020年を支えてくれたのが彼らであったことを、強く誇りに思います。
2014年に参加したnano.RIPEのワンマンでライブハウスの魔法にかかってしまった私にとって、ライブハウスは特別な場所なので、心待ちにしていたハンブレッダーズ初参加がライブハウスだったことを相応しく思うというか、ここで参加できて、とても嬉しかったです。
新型コロナウイルス感染防止ガイドラインに基づいた制限のもと開催されたこのライブは、当初よりも開演時間が早まったり、キャパが少なめ(定員1300人のところ動員は約300人)だったり、スタンディングながらも立ち位置が指定されていたりしました。
コロナ対策を施したライブは何度か参加していますが、座席なしのスタンディングは初めてだったのでどんな感じなんだろうと思いつつ、16時に仕事を切り上げてO-EASTに。
O-WESTとどっちがどっちだっけとなりがちだけど、O-EASTは初めましてだったみたい。不思議な動線だなぁと思いながら1階フロアに向かってみると、最前列のほぼ中央でした。
初参加でこんなご褒美いいんですか……という気持ちと、このバンドのファンはどんなノリなんだろう(合わせるつもりはハナからないが単純に興味があった)という気持ちと、いつもライブハウスでは真ん中やや後ろが定位置なんだよなという気持ちがあって、「どうにか後ろに行けないだろうか。いや、こんな幸運はしばらく無いから目に耳に心に焼き付けたるか」とか思っていると、照明が落ちて開演。
***
セトリを細かく追うのは割愛するとして、全体を通して「ラジオの人だなぁ」という印象を持ちました。
曲に『RADIO GIRL』というものがあったり(名曲やで)、昨年秋に「ハンブレッダーズの"ライブハウスで"見るラジオ」というトーク&アコースティックライブツアーをやっていたりしていて、彼らを解釈する上では「ラジオ」が重要なキーワードなのかな、と元から思っていたのですが、それが確信に変わった感じです。
バンドにしては多めかつ緩めなMCとか、CD音源とは異なるアレンジを効かせた歌唱とか、その場の空気感を大切に掴んでいる感じがして、それってラジオっぽいなぁと。
そもそもバンドのキャッチコピーとして掲げている「ネバーエンディング思春期」なんてめちゃくちゃラジオですよね。……まぁ、そう思うのは俺がラジオっ子だからというのも多分にあるけどな!
私とハンブレッダーズ
ハンブレッダーズとの出会いは、恋人との旅行の帰り道でした。まだ旅行が許されていた時期ね。
今でも鮮明に覚えています。radikoのタイムフリーでbayfm「坂本真綾 ビタミンM」を聞いていたんですが、ファミマからNISSANの販売店に向かう路地を歩いていたとき、番組終了後の「MIDNIGHT POWER PLAY」のコーナーで『ユースレスマシン』が流れてきたんです。ものすごい衝撃だった。こんなに自分の好きな曲が、俺の歌があったのかと。
で、家に帰ってからもっと詳しく調べて、完全にファンになりました。1曲しか知らないのに。
***
「けいおん!」でオタクを始めた私にとって、「けいおん!」きっかけで始まったバンドってとてもキラキラした憧れの存在なんですよね。それだけで勝手に仲間意識や親近感をもってしまうし、勝手に自分の夢を重ねてしまう。
そういうバンドはたくさん見てきたけど、その中でも「俺の歌」を届けてくれるのはハンブレッダーズが初めてでした。
そして翌日にタワレコ新宿で1stアルバム『ユースレスマシン』を購入して、聴いて、惚れて、ギターボーカル・ムツムロアキラさんのブログ(この記事ね。今も読み返して泣いちゃった……)を読んで、さらに惚れて、ライブに行きたい気持ちが日増しに大きくなっていきました。
でも、世界はそんな私のことをほっといて、どんどん変わっていってしまった。
私は根っからのポジティブ人間(であろうとしている人間)で、世の中がどうなろうと楽しく面白く生きるために工夫してやろうと思っていました。確かに不便はあるけど、川村元気も村上春樹もどっかの偉い人も予想しなかった世界が訪れて、みんな横一線で面白いこと考えようぜゲームが始まった感じがしたんですよね。
とはいえ世間的にはそういうムードでもなくて、それはエンタメ界も同じで、特にライブハウスは環境的に3密に該当するし、初期にクラスターが発生してしまったこともあり、ワイドショーやニュースでも叩かれる対象でした。それは、ライブハウスで音楽を、魔法を知った私にとってはあまりに辛かった。
そんな中、4月1日にハンブレッダーズが『ライブハウスで会おうぜ』をYouTubeに投稿してくれて。「あぁ、ライブハウス讃歌だ」と思ったんだよな。
ヘイ ロンリーベイビーズ
ライブハウスで会おうぜ
僕ら孤独になって 見えない手を繋ぐのさ
―ハンブレッダーズ『ライブハウスで会おうぜ』
誰に何を言われたって胸を張って言える。ライブハウスは最高の遊び場だ。僕はこの場所を守りたい。
ライブハウスの話(ハンブレッダーズ公式ブログ)
***
このMVを撮ったのがハクシのオカダトウイチロウさんで、ハクシは私が尊敬するクリエイターであるぶんけいさんがつくった会社だったり。
上にも書いたけど、「けいおん!」きっかけで始まったバンドだったり。
私が尊敬するバンドであるUNISON SQUARE GARDENと同じトイズファクトリーに所属していたり。
トイズ所属以降のミキシングエンジニアが畠山耕平さん、マスタリングエンジニアが柴晃浩さんで、それもUNISON SQUARE GARDENと同じ座組だったり。
そんなところひとつひとつに勝手に、本当に勝手に運命を感じて、ハンブレッダーズがどんどん自分の中に溶け込んでいって。
ハンブレッダーズを知ってからちょうど約1年だけど、彼らの音楽を聞かなかった日は無かったな。通勤中や仕事中のBGMだったし、長風呂しながらランダム再生していたし、寝付けない夜は『ファイナルボーイフレンド』のアコースティックVer.を見て寝ていた。
今日のライブで、「生きててしんどいこともある。昨年はみんながそうだったけど、そういうの関係なしに、普通に生きてたらしんどいこともある」「でも、僕らはそれに寄り添うくらいはできる」というようなことを話していて。
本当にそのとおりでした。ハンブレッダーズはラジオのように私に寄り添ってくれて、宇宙のような希望をくれて、ロックスターのように光を見せてくれました。 それは紛れもない事実で、もう元には戻れないほど私を構成する要素になっていて。
だから、彼らの娯楽で世界を変えられてしまった身としては、言えることはひとつだけなんだよな。
またライブハウスで会おうぜ!