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Good Looser・和気慎吾の生き様に乾杯

先日行われた和気慎吾選手と中嶋一輝選手による東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ。

久しぶりにグッとくる試合でした。


ボクシングというのは、白黒がはっきりつく非情な世界。勝った方が相手の夢の奪う、まさに夢の潰し合いとも言える世界で、勝ったり負けたりを繰り返しながらも、第一線に踏み止まってきた和気慎吾選手の生き様が出た試合だったのではないでしょうか。

結果は和気選手の2ラウンドTKO負け。

でも、美しい敗者というものがあるとしたら、今回の和気選手は間違いなく美しかった。そう思わされるのは、和気選手が夢を追って真摯にボクシングに取り組んできた人生があったから。

私がスポーツメディアで執筆活動中だった2018年。その年に行われた久我勇作選手との日本スーパーバンタム級タイトルマッチで私は和気選手ではなく、若さと勢いに溢れた久我選手を取材して記事にしました。しかし、勝った方が世界に近づくとも言われた一戦で、生き残ったのは和気選手でした。

その年に大山峻護さんの忘年会で和気慎吾さんとお会いしてお話しする機会をいただいたのですが、その時に「日本タイトルマッチのときは久我選手を取材して記事にしてたんですよ」と正直にご本人に告げたところ、「えー、相手陣営だったんですか〜。」なんて笑いとばしながら、ゆっくりお話ししました。そのフェアな精神と一生懸命な姿に触れ、すぐにファンになりました。


その後、和気選手に世界まで行って欲しいと陰ながら応援していたものの、大事な試合を落とし、再起戦をしっかりものにしてを繰り返しながら、第一線に踏み止まっていました。

だから、本人が最後のチャンスと位置付けて挑んだ一戦での負けは、すごく感傷的な気分になるものでした。でも37歳という年齢を言い訳にするどころか、まだまだ強くなれると信じて突き進んできた和気慎吾選手の生き様が、多くのファンを感傷的にさせたのだと思います。

今回の試合結果をYoutubeで報告する和気選手の表情からもその真摯さはうかがい知ることができますが、やっぱり人の心を動かすことができる人間ってカッコいいですよね。


夢を与えられるボクサーと自分を同列にはできませんが、私も何事にも一生懸命でありたい、未来を諦めずに頑張りたいと思わされました。


そう思わせてくれる和気選手のYoutubeもぜひご覧いただきたいです。

https://youtu.be/_1odmRNp-Ck?si=8frBOWL7GyIdDE2N

good looser・和気慎吾選手に乾杯。

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久喜市議会議員・せがわたいすけ(瀬川 泰祐)/スポーツライター・編集者ほか
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