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新婚旅行5日目(3):アイスランド首都レイキャヴィクでの街歩き再び


本屋のカフェで十分に暖を取った私たちは、再びレイキャヴィクの街へ繰り出した。特に行き先も決めずただただ散歩する。

国会議事堂。国の人口が34万人だとこの小ささで良いのだろう。フェンスなどで囲われてもいない。庭にも普通に入れるオープンな場所だった。この国の治安の良さと透明性が見て取れる。

市庁舎。湖畔に浮かぶように立つ建築。正面の入り口へは橋を渡ってたどり着くアプローチになっている。1階には観光案内所があったり、市民活動スペース(ギャラリーみたいなスペース)のような場所がある。観光案内所で印象的だったのが、ある一冊のパンフレットだ。数あるパンフレットの中で一際目立っていたその一冊は、表紙が真っ黄色で大きなエクスクラメーションマークが真ん中に書かれていた。それは観光にあたっての注意事項を伝えるパンフレットだった。大体のパンフレットは数ヶ国語で用意されているのに、これだけは中国語版のみしかない。それほど中国人観光客によるトラブルが頻繁に起こるのだろうか……。

レコードショップにも入った。ここは10年前にアイスランドに訪れた際も来た店だ。外観も内装も変わらずでなんだかホッとする。雑然とCDプレイヤーやヘッドフォンが置かれた視聴コーナーもそのまま。CDやレコードだけでなく、別のお土産のコーナーが増えていて、海外からの観光客も意識していると思えるのが少し変わったところ。ここだけなく、いろんなお店でこういう「Theお土産」みたいなものをちょこっと置いていて結構したたかだなと思った。

この店でかけられていた曲をとても気に入ったので、店員にどのCDかを聞いてみることに。店員を見つけて驚いた。10年前にいた人と変わっていなかった…!彼は私の事など覚えてはいないだろうが、私にとってなんとなく印象に残るショップ店員だったのだ。この曲は何?と聞いたら、レジの前に立てていたCDを指して、これだよと教えてくれた。Samarisというバンドだった。即決で購入したが、これを書いている旅行後1年以上が経過した今もお気に入りだ。

店を出た後、「10年前もあの店員がいたんだ!」と妻に伝えたが、「へぇ〜、そうなんだ」とあっさり。

その後もいろいろな店を巡った。雑貨屋や洋服屋などなど。街歩きを楽しんでいる間、風は強いものの天気には恵まれていた。けれども一瞬訪れた強烈な空模様に面食らった。雹(ひょう)が降ったのだ。その時私たち二人は街の中にある広場付近にいた。小さいながらも開放感のあるその広場で「イテテテテテ!」と叫びながら、急いで庇の下に駆け込む。歩いている人は同じようにどこかへ避難したのだろう。辺りで外に出ている人はいなくなったが、雹は直ぐに止み、その途端何事もなかったかのように街に人が繰り出してきた。この天気が普通なのだろう。ちょっとした地震であればたいして驚かない日本人を外国人は驚くというのを何かで以前見かけたけれど、それと同じ経験を味わったのかもしれない。

引き続きレイキャヴィク中心エリアでの散策や買い物を楽しみ、気がつくと夕方頃になっていた。お腹が空いてきたので食事をとるために移動する。目指すはクラフトビールのブルワリーに併設されているレストランだ。日本でもそうだけれど、アイスランドもクラフトビールが盛り上がっているそうで行ってみることにした。街の中心からは1km強離れているけれど、大した距離ではないと徒歩で向かう。だが、気ままな天気にまたも打ちひしがれる。突風が吹き荒び出したのだ。(この日、何度目かの突風。)目的のレストランは海沿いにあるので、近づけば近づくほど風が強くなっていく気がした。

たったの1km強だけれど、ヘトヘトになりつつ到着。漁港の風景が見えるレストランだ。私たちのテーブルの隣は、妙齢の女性たちの女子会(かなり盛り上がっていた)と1,2歳の小さな子ども二人を連れた若いお父さんとお母さん。おそらく2組とも地元の人たちだと思う。地元の人たちに愛される良い感じのレストランだ。

女子会が大盛り上がりする様子や、ギャン泣きする子どもたちの面倒を必死に面倒を見るお父さん(一方でお母さんは黙々と食事をしていて、お父さんガンバって!と心の中で応援した)の様子を見て、食事の風景はどこの国も似ていると思った。

料理とお酒も期待以上に素晴らしかった。まずはクラフトビール飲み比べセットを楽しむ。

ピルスナーとペールエールとレッドエール。たくさん歩いた1日なので尚更美味しい。妻はエール系のビールがあまり得意ではないので半分くらい頂戴した。そして更にセッションIPAを飲む。旨い。

この日も大満足な夕御飯(と酒)だった。すぐ近くにバス停があったので、帰りは路線バスを使ってホテルに戻ることに。行きもこれを使えば良かった...。アイスランドの突風恐るべし。

ホテルに到着し、部屋で寛ぐ。妻がシャワーを使っている間にトイレに行きたくて部屋を出たのだけれど、鍵を持たずに出てしまい締め出されてしまった。スマホは持っていたので、後で連絡してドアを開けてもらうしかない。仕方なく1階のロビーでのんびりしようと向かってみると、フロントはバーになっていた。というわけで、一人でまたもや地ビールを楽しむことに。結果オーライ。

ビールが空いた後、無事部屋に入り一安心。二人とも良い買い物も出来て充実の1日だった。

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とびびと
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