新婚旅行6日目(3):アイスランド南海岸ツアーと晩餐
ヴィークという小さな町を出発したツアーバス。次に訪れたのは草一本生えていない荒野だった。
バスから降り添乗員の案内で徒歩で進んでいくと、雹が突然降り出した。2日連続で雹を体験するのは初めてだ。妻と私はイテテテテと言いながら歩いていたが、他のツアー参加者はさほど驚く様子を見せない。
数分歩いた後に見えてきたのは、氷河だった。
ミーダルスヨークトルという名前だそうだ。(ヨークトルが氷河を意味する。)巨大な氷の塊が、舌のように山の麓から延びている。これが少しずつ流れているという事実が不思議だ。相変わらず風が吹き荒ぶ中、氷河と川と岩、そして僅かに生える苔というミニマルな要素によってできたダイナミックな風景を味わう。
氷河の次に向かったのはスコウガフォスという滝。バスから降りると水の音が聞こえてくる。大瀑布と呼べる大きな滝だ。
飛沫がミストのように拡がり服が濡れるので、用意していたカッパを着ることにした。当然、顔はびしょ濡れだ。
辺りを見ると滝口まで近づける階段があったので、登ってみることにした。バスの出発まであまり時間がなかったので、妻と私は各々のありったけのスピードで階段を上る。私が妻を置いてけぼりにした形で、1人だけで最上部まで上がってきた。滝もさることながら、アイスランドの大地を遠くまで見渡せる。
妻は時間的にギブアップ。だが、2人で階段を下りバスへ向かう途中、同じツアー参加者のおそらく一人旅の女子が階段を登っていくではないか。「絶対間に合わないのに」「自由だな」と2人で言いつつバスの座席に座る。案の定、一人旅女子は所定の時間よりかなり遅れてバスに戻ってきた。置いてけぼりにされる心配はしないのだな。世界の広さを実感した。
バスは再び出発し、最後の目的地に到着した。先ほどに続いて滝で、セリャラントスフォスというそうだ。
スコウガフォスと比較すると滝の幅こそ小さく見えるけれど、ここの醍醐味は滝の裏側に行けること。カッパを来ていざ突入だ。
絶えず響く轟音と水飛沫。ぎゃあぎゃあと喚きながら楽しんだ。地形が岬状になった場所で、滝を背景にポーズを取ったりも。ひとしきり楽しんだ後はヘトヘトになった。
バスに乗り込む直前にふと滝へ振り向くと、虹がかかっていた。滝が手を振っているかのようだ。
朝から夕方まで存分に楽しんで、妻はバスの中でぐっすり眠っていた。私は1人ぼんやりと窓の外の景色を眺めていた。風景は岩と苔の大地から、レイキャヴィクの街へと切り替わる。
ホテルへ送り届けてもらった後、近くのレストランで食事を取ることに。人気のレストランのようだったが、たまたま予約せずともすんなり入ることができた。丸一日存分にに楽しんだツアーの疲れを癒してくれるような、落ち着いた店だ。
気に入ったので、アイスランドに入国した初日と同じようなメニューを注文。濃厚な魚介のスープとラム肉のローストを赤ワインで楽しんだ。この店もスープがとても美味しい。「一体どうやって作ってるんだろうね」と不思議がっているうちにラムもやってきた。
2人ともすっかりアイスランド産のラムの虜になった。
レストランを出る頃には夜の9時を回っていたが、ようやく日が暮れる頃だった。極北の街にいる事を実感しつつ2人で歩く。
この旅も終盤を迎えてきた。翌日には巨大な露天風呂「ブルーラグーン」が待っている。
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駄文ですが何卒よろしくお願いします