新婚旅行7日目(3)ブルーラグーン、そして湯に浸かりながら飲む酒
ついにブルーラグーンに到着した。10年前に一人旅で訪れた時と変わらない、溶岩を切り開いたようなアプローチが施設へと続く。
建物の入り口の前に大きな池があり記念撮影をしたり。アプローチを歩く途中、移動中のバスの中にいた賑やかなオジさんも発見した。彼はなぜかバナナを一房手に持っていたのだった。妻の中で彼が「バナナおじさん」になった瞬間である。
建物に辿り着くと、入場手続きをする人たちで行列ができていた。10年前(2007年)はガラガラだったので、いかにアイスランドの観光客が増えたのかが分かる。20〜30分程並び、ようやく入場することができた。
ここで妻とは一旦離れ、それぞれ更衣室で水着に着替える。受付で渡されていた腕時計型のICチップキーでロッカーを開け閉めする。このキーで施設内の買い物やレンタルも決済することができるのだ。
着替えを済ませ妻と落ち合い、早速湯に浸かる。
巨大だった。感覚的には東京ドーム1個分以上というところだ。
この巨大温泉は、発電所の排熱を利用して温めた湯で成り立っている。温度は日本の温泉の感覚からすると、ぬるめ。だからこそ長時間浸かっていられる。そしてこの温度だから可能なのだろう、湯に浮かぶバーカウンターがあるのだ。
10年前にはなかった気がする。これにはとても驚いたが、早速利用してみた。スパークリングワインで乾杯だ。
湯に浸かりながら酒を飲むのは初めてだった。こんなに楽しいものなのか。
岸のあちこちには、桶に入った白い泥が置かれている。シリカというもので、肌に塗ると美肌や乾癬への治療効果があるそうだ。二人とももちろん塗りたくり、白塗りで温泉を楽しむ。
途中お腹が空き、売店でお昼を食べビールを飲む。そしてまた風呂に入る。
広い温泉の先の方にはかなり深いところもあった。妻の身長では顔が浸かる程だったので、おぶって進むことにした。すると湯にかかる橋が見え、数名の集団がワイワイ盛り上がっていた。湯けむりの中に見えたのは例のバナナおじさんではないか。彼は仲間の一人と共に橋桁にぶら下がり、力比べをしていたのだった。力比べの相手は女性ではあるものの引き締まった筋肉を持ち、鍛えぶりが窺い知れる。一方のバナナおじさん、太ってはいないものの普通の体型。なんとなく結果の想像がついたので、勝負の行方を見守ることはせず、妻をおぶりながらそのまま先へと歩き進むことにした。
また、あろところには日本人にも見える東アジア型の女性が一人。スマートフォンを頭上に掲げ、ひたすらに連続でセルフィーを撮っている。私たちが彼女の横を通り過ぎる間、ずっと撮影し続けている姿を見て、2人で呆気に取られた。私がこれまで見たことのあるセルフィーを撮る人の中で、ダントツで1位の意気込みを見せてもらった。
歩き回っているうちに巨大な温泉の端のあたりへとたどり着き、浅瀬になっていたところで一休みすることにした。ただただ長時間湯に浸かり続けるという贅沢な時間に酔いしれる。
他にも洞窟状になった場所もあったりと、色々な仕掛けが私たちを楽しませてくれた。お湯の中を歩いて移動し続けていたのもあり、心地よい疲労感を感じ風呂から上がることにした。
さらばブルーラグーン。今回入らなかったエリアもあったくらい大きなこの施設。この旅以降も拡張し続けているようなので、また訪れたい。
駄文ですが何卒よろしくお願いします