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「謎の練習」

こんにちは。
いるぼねそ~ん軍隊まで来たせふぁんです。

2024年に入って既に半分が経とうとし、
6月も、もう既に半分が過ぎました。

ですが、僕の軍隊生活がいっこうに進まないのは気のせいでしょうか。なぜか入隊して5年くらい経った気がします。笑

1日1週間はすぐ過ぎるのですが、
1ヶ月がなかなか過ぎません!

BTSのJIN君は遂に除隊しましたね。
メンバーのみんなが駆けつけてるのが泣けました。ナムさんのサックスあれは反則すぎますw

僕も408日後に除隊なので、
誰か「島人ぬ宝」でも弾いてください。
僕、カスタネットならできますんで。
みんなで「いーやーさーさっ」と叫びましょう。

前回は、
【軍隊の悪しきループを絶ち切る】ことについてお話しましたが、今回、あれから少し解決策が見えてきて言語化できたので共有したいなと思います。

▼前回の記事はコチラから▼



軍隊には、謎の練習がある。


先輩からの呼び出し。

アッチでは盛り上がってる。
なんだろうと思い行くと、そこでは…..

先輩「後輩がもう少しで入ってくるやろ?」 
僕「はい!」 
先輩「後輩が○○しました。どうやって怒る?」
僕「え~、そんなん怒りませんよ~!! 軽く"次は気をつけようぜぃ~"で流しますね」
先輩「そんなんアカン。怒らなあかん。」


と。そこから始まったロールプレイ。
先輩が後輩役で、僕が先輩役。
僕だけではなく、同期にも「怒る」練習をさせ始めました。

例えば、後輩が訓練で"できないといけないこと"が出来ませんでした。そこで、どのように怒るのかと。

僕は思いました。「ナニコレ笑」

これだよ、いつまで経っても先輩と後輩の間には深い谷間が生じる原因は。

僕は、なぜそこから「怒る」に繋がるのかがわかりません。「なぜそのような事が起こったのか、原因を知る」事が最初に踏むステップなのではないでしょうか。つまり、コミュニケーションです。

勉強量が少なかったのか。それなら勉強する時間を作れるように促す。勉強はしてたけど、結果が出なかったのか。それなら違う勉強方をサポートしてみる。
これがあるべき姿ではないでしょうか。

軍隊では、とにかく圧倒的にコミュニケーションが不足しているのです!お互いに「知る」機会がないので関係が縮まるには限界があります。そこで、仲良くなろうなんて、ムズカシイでっせパイセン!

「良くしてやってるのに何で。」と先輩が悩みをかかえている時がありました。けど、僕は階級が下なので、なんにも言えないんですけどね。くぅ!!もどかしい!!! 

本音で語れる環境こそ、より良い関係を築ける


こんな極端な縦社会。
本音で語るなんて到底できないんですよね。

何を言っても「下っ端が何を生意気な!」ってなってしまうもんですから。

軍隊では先輩ですが、みんな歳は4つも5つも下。
正直、本音で語りたいもんです。

さて、
「人は正直であるべきか」

と聞かれれば、当然誰もがそうだと答えるでしょう。もし仮に、これを否定するとなれば、それは、不正直を奨励することだとも捉えられます。

けど、この世の中(軍隊は特に)では人間関係において本当に思っていることを言わずに「グッ」と堪え済ますことがあります。

問題を解決して、効果的に共同生活を送るためには、事実や問題点にニュアンスをつかむ必要が大いにあって、そのためには隠し事をしたり、人を惑わせたりせずに、オープンにかつ十分にコミュニケーションをとるしか方法はありません。

「正直であるべき」だとわかっていても、自分自身の不安や自己防衛本能がブレーキをかけることがあるのです。

軍隊では、
下の階級の者は"先輩に怒られる"という不安から自己防衛本能が働き「正直に話す」ということができません。

逆に先輩達の立場から見てみましょう。

韓国人男子は、ほとんどが大学一年生を終え入隊し、韓国では日本のように部活もあまりないため、先輩後輩の関係を知らない人がほとんどで、人との接し方もろくに経験してこなかった、そんな二十歳前後の若者たちなのです。

そんな若者たちが、下っぱの時にはひたすら耐え、時が経つと階級が与えられます。

階級が上がるにつれて、自分は強いと錯覚し、それにプライド。また、これまで耐えてきたという自信が生じます。プライドが高い人、自信のある人、そして上の立場にある人は、無意識にネガティブなフィードバックや批評を受けつけないオーラを放ち、周囲を威圧することがあります。

これも見方を変えると、自分の不安や、自分の威厳を保とうとする自己防衛本能が働いているのだと思います。

これが、相まって「正直に話す」という環境が生まれないのです。そして、十分なコミュニケーションをとることも困難になってしまうのです。

では、「正直に本音で語り合える」にはどのような策をとればいいのでしょうか。次の章で深掘っていきたいと思います。

解決策はコレ。メンターが必要。


以前の投稿でも言及しましたが、軍隊では圧倒的なコミュニケーション不足が目立ちます。

だからこそ、解決策はいたって簡単で話し合う機会を設ければいいのです。

ですが、問題は先述した通り軍隊では極端な階級制度によって「腹を割って話す」という環境がありません。

▼ 以前の投稿 ▼


そんな中で、僕が考える解決策は以下の通りです。

① 定期的に外部からの話し合いコーチを招き時間を持つということ

② その場所その時間は上下関係なく問題を提起しそれに対して話し合うこと

③ いかなる問題に対しても、素直にフィードバックを受け入れること

④ 提起された問題の解決策の最終決定権は上の階級の者にあること

重要なポイントは「外部からメンターを招く」という点です。そして、適切な進行にフィードバックがあると非常に効果的だと思うんです。
軍隊では、安全教育や性教育に良い軍生活を送るためには等に関する講演がよく開かれます。実際にそれらの講演は軍関係者ではない外部の講師が招かれる場合が多いのです。

これと同じように、外部からメンターを招き、第三者が入った状態で、お互いが日々感じていること本音で語り合える時間を持つって本当に大切で必要なことだと思うんですよね。

もちろん、ここでの注意点はネガティブな問題だけに関わらず、日頃の感謝や良いところなども必ず一緒に伝えるということです。

さて、次の章では
兵役を今よりはるかに厳しい時代に乗り越え、僕の人生の大先輩でもあり大尊敬している韓国のとある経営者さんと、軍隊での「怒る」ということをテーマに対話した内容を共有してみたいと思います。

軍隊で一番分かりやすいリーダーシップの取り方が「怒る」



▼ ○○さん ▼
実際は、考えてみると、厳密に定義すると怒るという行為の目的はなんなのかを考えてみることが重要かも知れません。怒らずも自分の部下たちにリーダーシップを発揮できるかですね。軍隊では、難しいのは、大学と違ってみんな才能も出身も経験もモチベーションもバラバラの若者が入っているので、一番分かりやすいリーダーシップの取り方が怒ることかも知れません。

目指すべきは、怒らずも、親切でありながら、紳士でありながら威厳を持つことなのかも知れません。

若き僕は、それに失敗して、優しくし過ぎたら最後には、自分の部下たちが規律を守らず、駄目になって来たので、キレるしかなかった苦い経験があります。セファン君らしいリーダーシップの練習をしてみてください。セファン君なら俺より良いのかも

まぁ、結論、会社経営しながらも感じるけど、日本人より韓国人は役割とか論理性とか理屈とかで付いてくる人が少ないので、怒るのが一番手取り早いなと思ったりは、しますけどね。笑


▼ 僕 ▼
ご丁寧な説明ありがとうございます!

たしかに、怒る目的を考えてみると、また○○さんがおっしゃるように筋の通った理屈が見えてきました!軍隊という環境は、本当にバックグラウンドがバラバラな人が集まり過ごしていく場所であるので、怒ることによって先輩としての威厳や군기(軍気)を維持することは一番の方法かも知れません。

僕は、まだ5ヶ月弱という短い軍生活を送りながら感じたのは、訓練と生活面ではまた違った方法がとれるのではないのかな。ということです。

실전과 같은 훈련으로 지상전의 승리자가 된다(実戦と同じように訓練に挑み、地上戦の勝利者になれ)という陸軍服務信条にあるように、戦友という関係でお互いの命を託しあっているからこそ、訓練のミスは絶対に許されるものではないと感じております。戦時の緊張感を持たせるためにも、そこでは「怒る」という指導によって正しい恐怖感と緊張感をもってもらう必要性は感じます。医者が手術でミスをした。パイロットが操縦でミスをした。などと人命に携わる世界でのプロはミスは絶対に許させるべきではありません。だからこその「怒る」は必要があると思います。 

▼ ○○さん ▼
セファン君はやはり素敵な青年だと思います。軍隊の中で、青年としての成長、リーダーシップトレーニングだと思って頑張ってください。

本当に改めて僕も韓国と日本って近いようで、違うところを感じます。これは遺伝子とかの問題より社会、文化に起因するものだと思いますが、韓国人は、日本よりは、歴史的な背景により、社会的な信頼とか職業精神とかそう言った部分が薄く、その代わりその場しのぎの臨機応変には強い。セファン君なら日本人のような気高い品性と論理性に、韓国人の手段を選ばない目的志向、臨機応変さを持てば最強ですよね。

(*許可をいただいて共有しております。)


僕たちが未来を創ります


これまでは軍隊の中での問題点と解決策についてお話してきました。このブログを読んでくださっている方は韓国の事が好き!という方も多いのではないでしょうか。

僕は、日本で生まれ育ち、幼小中高と日本の学校に通ったもので、アイデンティティー的にも感覚はだいぶ日本人の傾向があると自分自身で感じております。

大学で韓国に進学し、今は韓国の陸軍で兵役に就いています。韓国の生活は4年目になりますが、そこで感じる事が「日韓お互いに誤解が多い!!」ということです。

近くも遠い日本の韓国。似たようで全然違うお互いの文化や共通認識。

だからこそ、その溝を埋めたい!という強い思いから、入隊前には日本と韓国の青年が一斉に集まり「お互いを深く理解しあう」為のイベントを運営しておりました。

それこそが、
日韓青年パートナーシップというイベント。

日本と韓国の関係って、最近だからこそ非常に良好と言えますが、過去を振り返ってみるとそれは、話をするのを躊躇してしまうそんな敏感な内容も多いんですよね。

けど、僕たちは未来志向を持っており、国家間の葛藤は政府や政治家によって生じますが、和解の為の努力は民間でも十分にできる!

そう信じております。そのためにも、まさに「本音で語り合える環境」を提供しているのです!!

日韓青年パートナーシップというイベントでは、
外交・社会・歴史・教育・観光・文化・ビジネス・在日などといったテーマ毎にグループで分かれ話し合いを進めていきます。

各グループには、経験豊富なスタッフがメンターとなり話し合いをまとめ、日本語or韓国語が苦手な方でも話し合いに参加できるよう通訳も別で必ず配置されます。

だからこそ安心して「本音で語り合える」環境が作り上げられるのです。

▼過去の取材された記事▼


 第11回 日韓青年パートナーシップ in 東京! 参加者募集中! 



入隊を機に、運営を引き継いだのですが、
その素敵で優秀なメンバー達が引き続きイベントを開催してくれております。

以前、今年7月に第10回のソウル・明洞での開催を告知いたしましたが、

なんと!!
第11回 東京開催 も決定され既に参加者の募集が始まっております!!

今回の討論テーマ

詳細


日時:
2024年8月9日(金)~12日(月)
*4日間の出退勤型プログラム(宿泊プログラムではないのでご注意ください)

会場:
東京都立多摩図書館
(東京都国分寺市泉町2丁目2-26)
(同じような名前の会場が多いのでご注意ください)

参加資格
✔4日間全日参加可能な方
*韓国語レベルは問いません。各グループに通訳を配置いたします。
✔大学または大学院に在学中の方(休学中・交換留学の方も参加可能)(※大学の所在地不問、日韓以外の大学に在学中の方も参加可能)

参加費 :
5,000円
*交通費、食費は別途
*参加費は、参加確定後 6/22(土)に入金案内メールをお送りする予定です。詳しい内容は申請フォームをご覧ください。

募集期間
2024年6月7日~6月20日


政府機関からの後援名義


日本の外務省所管の財団であり、日本語検定JLPTを運営している国際交流基金のソウル文化センター様から、ソウル開催の第10回とともに、第11回も後援名義をいただくことになりました。ありがとうございます!!


もっと詳しく知りたい & お申し込みはコチラ


さあ、この夏、
ともに未来を創っていきませんか!


とのことで、今日は軍隊の謎の練習から「本音で語り合える環境」の大切さについて皆さんに共有しましたが、いかがでしたでしょうか。

皆さんがどう思ったとかご意見などございましたら是非アドバイスなど共有していただければとっても嬉しいです!

それでは、今日も素敵な1日をお過ごしください!

D-408
#いるぼねそん軍隊日誌
#日韓青年パートナーシップ


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