なぜ死にたいかもわかっていないのに、なぜ死んではいけないのか、分かると思っているんですか?
死のうとする人には、2種類いると思います。
精神疾患の症状で死のうとする人と、精神疾患ではないけど死のうとする人。
前者であれば、死にたい気持ちは治療できます。精神科がなんとかします。
後者の場合、なにか原因があるはずですが、それは身体的な病気の悩みだったり、社会福祉の問題だったり、家庭や対人関係の問題だったりします。
それらに対して精神科でできるのは、精神療法くらいはしますが、社会福祉士などの専門家に繋ぐとか持ち合わせた知識でアドバイスするとかで、これは医療なのか?と思うようなこともあります。
要するに、死のうとする人全てを精神科で救うことはできない、そう思っています。
極端な例ですが、自殺の理由を聞くと「長生きしたくないから40歳になったら死ぬと10年以上前から決めていた」と言う人。実際に家族・友人にもそのように話していて、それが本人の考え方で望む人生なのであれば、他人に止める権利はありません。
ただ死に方だけは配慮するべきだとは思います。事故物件になったり、電車を止めたり、他人の生活を脅かすのであればそれは非難されます。
なぜ自殺してはいけないのか、結局はそこに行き着きますが、私は正確な答えを持ち合わせていません。
でも自分が診ている人たちには誰ひとりとして死んでほしくないと思っています。
なぜ死にたいかもわかっていないのに、なぜ死んではいけないのか、分かると思っているんですか?
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