見出し画像

【失敗を恐れない】デザインスプリントをやってみよう!

はじめまして。UXDの仙豆です。
AMBLには2022年に中途入社して、早いものでもう3年目になります。
キャリアとしてはWebディレクターを10年以上やっており、業界が長いのもあってWebディレクターを始めプロジェクトマネジメントなど、キャリアに伴い幅広くカバーしていたりします。

そんなベテラン?の部類に入る私ですが、今回初の取り組みとなった「デザインスプリント」について記事にしてみたいと思います。


デザインスプリントとは

デザインスプリントとは「プロダクトデザインのための高速フレームワーク」として、Google Valueによって考案されたプロセスになります。
参考URL:Product Sprint Deck - 3-Day Template

5つの工程を踏まえ、短期間(大抵は5日間)で集中的にプロダクトやサービスの方針を決めることを目的としています。
図にするとこんなイメージです。

デザインスプリントのフロー例

デザインスプリント自体は既に業界ではメジャーな取り組みになりつつあるので、この記事では詳細は割愛させていただきます。もっと詳しく知りたい方はGoogle先生に確認してもらえればたくさん出てくると思います笑。

デザインスプリントに向いているシーン

実際にやってみた上で「こういったシチュエーションのプロジェクトには結構使えそう」という例をいくつか挙げてみました。
こうみると結構「プロジェクトあるある」なものが多いと思いますので、プロジェクトが難航している時の検討候補として覚えておくと良いかと思います。

  1. プロダクトやサービスにおける、初期段階のコンセプトが定まっていない

  2. プロジェクト内部で議論が行き詰まった時
    (中盤以降だとちょっと厳しいので前半の要件整理など)

  3. 要件が複雑で難易度が高そうなプロジェクト

  4. 短期間で納期が厳しそうなプロジェクト
    (とはいえ集中的に時間を取る必要アリ)

  5. クライアントと議論が空中戦になるプロジェクト

  6. クライアントが責任を持ちたがらない、決めきらない時

どのようなプロジェクトで実施したのか

今回担当したプロジェクトは、上記のシーンだと3-4辺りに当てはまりそうな内容でした。
具体的には、店舗に設置するAIカメラで取得した顧客データを、分析画面を通してユーザー(クライアント)がどんなシーンで利用できるかを最適化するのにデザインスプリントを活用しました。

弊社のAIカメラは、人数はもちろん性別・年代、場合によっては回遊導線も計測が可能です。どの時間にどのような属性の顧客が何人来店して店舗の状況は今どうなっているのかなど、ほぼリアルタイムで出力できるため、混雑状況を把握できればレジの開放数や誘導など店舗オペレーションに素早く活用できます。

ただ、優先すべき内容は店舗によって変わってくるため、今回はその点を具体化するためにデザインスプリントを用いた。というプロジェクトになります。

どのように実施したか

準備編

デザインスプリントと聞くと、なんとなく

「短期間でアウトプットを作れて工期も短縮できるから最高!」

というイメージがありそうですよね?(私だけ?)

ただ、いきなり「はい、では始めましょう」で失敗するとさすがに取り返しがつかないので、、、事前準備はある程度入念に行いました。

だいたい2-3週間前から前日までにやったこと

  • 情報インプット

    • 最低限、業務理解と合わせてどこが課題なのかの目処はつけておく、アウトプットとしてまとめておく(必要に応じてヒアリングを実施)

  • 実施計画

    • プロジェクトの状況に合わせて、無理のない計画を立てる

    • 参加者の人数、スケジュールも確保

    • 開催場所の確保(現地確認、実施シミュレーションも)

  • 備品調達

    • 当日使うものの準備。特に大きい紙(イーゼルパッド)は普通に売ってないので注意!

  • 実施内容すり合わせ

    • 事前にクライアントと実施内容(タイムスケジュールも含め)、アウトプットイメージのすり合わせ

  • 事前プレ

    • 当日の進め方を社内メンバーのみでプレ実施、事前にボトルネック確認

  • お菓子・飲み物

    • 長時間になるので、甘いものなど息抜きになるものを準備!
      (集中力が切れるので意外と大事!)

実施計画参考:当日何をやるかは分単位でアジェンダを決めておく

事前プレは実施すると当日の議論が新鮮なモノにならない可能性もありますが、今回は初の試みだったということもあり、あらかじめ実際にやってみて改善できる部分を調整(時間や進行内容など)しました。
おそらく慣れてしまえば1-2週間でパッとやれそうな気もしなくないですが、少なくとも参加するメンバーへの情報インプットと実施計画はしっかりと組んでおくべきです。

実施編

実施内容の詳細は割愛しますが、丸々5日間フリーでクライアントの日程を抑えることが困難だったため、議論するポイントを決めて3日間ワークショップ形式で実施しました。
※スケジュールの都合もあって5日間連続で実施はしていません

  • Day1:ワークショップ

    • ユーザーシナリオ整理~課題抽出~解決アイデア創出まで

  • Day2:ワークショップ

    • アイデアプロット~主要画面の利用イメージ(構成要素)、主要機能一覧作成

  • 内部作業(3日程度)

    • アイデアを元に主要導線のfigmaでプロトタイプ作成

  • Day3:ワークショップ

    • ユーザーテスト(プロトタイプを基に検証)を踏まえ、課題点を議論

  • 内部作業(1日)

    • 検証結果を踏まえ、FB内容を反映した要件まとめ資料作成

Day1参考:課題とアイデア出しはポストイットで
Day2参考:画面イメージと全体の流れをWBを使って臨機応変にまとめる(綺麗さよりも内容!)

やってみた感想

事前準備をしっかりと行っていたこともあり、特段大きなトラブルや想定外のハプニングもなく満足度の高いアウトプットにまとめ上げることができました。

良かった点

  • やったことが無くても、チャレンジすることは大事!

  • 当日のゴールを明確にすることで、ブレずに進められた

  • 全員で発表・投票する機会があるので、自分ごと化しやすくなる

  • 後々検討していく上で、振り返る指標が定まっていると楽

  • ユーザー体験から得られることは多い

大変だった点・改善点

  • 手慣れていない分、準備に時間がかかった

  • ワークショップ時間が4hと丸1日ではないが、連続でやるとかなりハード

  • ファシリテーター以外にも発言をリードする人は重要(社内側に1人は欲しい)

  • UTまで時間が空いてしまった(事前の調整が足りなかった)

  • モックを作り込みすぎた?(ここはプロジェクトによるかも)

実施前~実施中は詰め込んでいるが故に現場的にはハードなことが多いのですが、この期間で決めたことがクライアント含め全員腹落ちしているため、ブレずに検討できることが一番大きなメリットだと思います。
リモート会議がメインとなりつつある昨今のコミュニケーションではなく、同じ場に集まって1つのことを全員でディスカッションすることで、早いタイミングから一体感を醸成できます。(同じ釜の飯を食べるのに近い感じかなと)

終わりに

デザインスプリント自体、最近ではUXを検討する上で比較的メジャーなフレームワークになりつつも、敷居が高いイメージがあるのではと思います。
デザインスプリントに関わらず、新しいものにチャレンジするにはそれなりのハードルもありますが、やってみると新しい発見(失敗した時の反省も含め)はできるので、『まずはやってみる』マインドを持つことが成長につながると思います。

これまで複数社を経験してきましたが、その中でもAMBLはチャレンジする人を積極的に支援する環境が整っていると思いますので、もし一緒に働いてみたい!など興味がある方は採用サイトも参照ください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集