【一陸特】2020年(令和2年)10月 工学Aの問題〔11〕解説
どんもー。今回は第一級陸上特殊無線技士の2020年(令和2年)10月、工学Aの問題〔11〕です。
◆ 掲載の問題及び回答の全ての著作権は「日本無線協会」にあります。 ◆
〔11〕次の記述は、無線LANや携帯電話などに用いられている直行周波数分割多重(OFDM)伝送方式について述べたものである。○内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。
(1)OFDM伝送方式では、高速の伝送データを複数の低速なデータ列に分割し、複数のサブキャリアを用いて並列伝送を行うことにより、単一キャリアのみを用いて送る方式に比べ伝送シンボルの継続時間がⒶなり、遅延波の影響を軽減できる。
(2)また、ガードインターバルを挿入することにより、マルチパスによる1つ前のシンボルの遅延波が希望波に重なっても、マルチパスの遅延時間がガードインターバル長のⒷであれば、Ⓒを除去することができ、遅延波の干渉を効率よく回避できる。
A B C
1 短く 範囲内 シンボル間干渉
2 短く 範囲外 電離層伝搬の影響
3 短く 範囲内 電離層伝搬の影響
4 長く 範囲内 シンボル間干渉
5 長く 範囲外 シンボル間干渉
【解説】
(1)直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式は、個々のユーザに使用チャネルとして直交周波数関係にある複数のキャリアを個別に割り当てる方式です。
高速の伝送データを複数の低速なデータ列に分割し、複数のサブキャリアを用いて並列伝送を行うことにより、単一キャリアのみを用いて送る方式に比べ伝送シンボルの継続時間が長くなり、遅延波の影響を軽減できます。
よって、Ⓐは「長く」です。
(2)「ガードインターバル」は、シンボルとシンボルの間を開けることで、前後のシンボルを表す信号が重なりにくくするものです。またガードインターバルの間は、後続するシンボルを表す信号から作り出した信号を送るため、ガードインターバルの後のシンボルには影響が少なくなります。
マルチパスの遅延時間がガードインターバル長の範囲内であれば、シンボル間干渉を除去することができ、遅延波の干渉を効率よく回避できる。
範囲内でないと意味ないです。また、電離層はこの文章では関係ない話ですね。
よって、Ⓑは「範囲内」、Ⓒは「シンボル間干渉」です。
というわけで、正解は④です。
この問題に関連したワードはハッシュタグにまとめています。また、マガジンで資格ごとに、科目ごとにまとめていますので、ご参照ください。