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【一陸特】2020年(令和2年)10月 工学Aの問題〔1〕解説

どんもー。本日は第一級陸上特殊無線技士の2020年(令和2年)10月、工学Aの問題〔1〕です。

◆ 掲載の問題及び回答の全ての著作権は「日本無線協会」にあります。 ◆​​
〔1〕次の記述は、衛星通信の接続方式等について述べたものである。このうち誤っているものを下の番号から選べ。
1 デマンドアサイメント(Demand-assignment)は、通信の呼が発生する度に衛星回線を設定する。
2 SCPC方式では、一つのチャネルを一つの搬送周波数に割り当てている。
3 TDMA方式では、隣接する通話路間の干渉を避けるため、各地球局の周波数帯域が互いに重なり合わないように、ガードバンドを設けている。
4 TDMA方式は、各地球局に対して使用する時間を割り当てる方式である。
5 FDMA方式は、各地球局に対して使用する周波数帯域を割り当てる方式である。


この問題は、衛星通信の接続方式についてです。

誤っているものを選びます。


1.デマンドアサイメントは、通信の呼が発生する度に衛星回線を設定する。

デマンドアサイメント(demamd-assignment :要求割当て)という方式は、回線割当方式の一つで、各局からの要求があるたびに回線を割り当てる方式です。

(対になる言葉としては、プリアサイメント(pre-assignment :固定割当て)という方式があります。これは、各局にあらかじめ回線を割り当てる方式です。)

「呼」とは、通信回線における接続のことを言います。

よって、これは正しい。


2.SCPC方式では、一つのチャネルを一つの搬送周波数に割り当てている。

SCPC方式(Single Carrier Per Channel:単一キャリア/チャネル)とは、上記文章のそのままの役割です。

よって、これは正しい。


3.TDMA方式では、隣接する通話路間の干渉を避けるため、各地球局の周波数帯域が互いに重なり合わないように、ガードバンドを設けている。

TDMA方式(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)は、チャネル毎に使用できる短い時間(タイムスロット)を個別に割り当てる方式です。下図のように、各タイムスロット間に短い時間のガードタイムを設けて干渉を避けています。

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各地球局の周波数帯域が互いに重なり合うことはありません。周波数帯域でなく、時間が重なり合わないようにしています。
よって、これは誤り。


4 TDMA方式は、各地球局に対して使用する時間を割り当てる方式である。

上記3番の説明から、これは正しい。


5 FDMA方式は、各地球局に対して使用する周波数帯域を割り当てる方式である。

FDMA方式(Frequency Division Multiple Access:周波数分割多元接続)は、割り当てられた周波数帯域で干渉が起きないようガードバンドを設けて個々のチャネルに周波数を割り当てる方式です。

画像2

よって、これは正しい。


この問題に関連したワードはハッシュタグにまとめています。また、マガジンで月度ごとに、資格ごとに、科目ごとにまとめていますので、ご参照ください。

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