恋愛ゲームで私が愛した男、女達 〜ときメモシリーズ編〜

タイトル通り、今までにプレイした恋愛ゲームにおいて、私が愛したキャラクター達の感想や、思い出を書きなぐっていきます。

今回はときメモシリーズを取り上げます。


<ときメモ無印>

・紐緒結奈

中学生くらいの時にギャルゲーに興味を持ち、手を出したときメモ無印(GCCXで見て面白そうだとも思った)。

初プレイ時に選んだのが紐緒さん。過去の私は、中々良いセンスを持っていたようです。

彼女は、ときメモのエキセントリックな部分(後シリーズのメイ様やGSの色様など)の原型のようなキャラクターだと思います。
この、地に足着いた恋愛を描きながらも、ところどころネジが外れているあたりがときメモのいいところだと思うんですよね。もっとも、紐緒さんの外れっぷりはシリーズでも類を見ない程なのですが……

設定的にはかなりアクが強いですが、キャラクターとしては割と王道のツンデレです。
振り返ってみると、理系キャラはこの紐緒さんのツンデレキャラをベースに、徐々にマイルドになっていっているような気がします(3は未プレイなので存じ上げませんが)。


・朝日奈夕子

この時代に純情ギャルがいたという事実、衝撃です。ときメモ無印の中で、唯一令和においても通用するキャラだと思います。

とにかく朝日奈さんは可愛い。距離感がいいんですよね。2のほむらや4の前田さんみたいに、男勝りな性格ゆえに友達みたいな感じで接してくれるキャラはわりといるんです。
ただ、朝日奈さんみたいな、女の子らしさがありながらもラフな距離感で話せる子は他にいないと思います。ちゃんとギャルしてるんですよね、この子。

そして、本当に好きな人に対してはやや奥手になってしまう。告白シーンではそれがとても顕著に出てますよね。
このタイプのキャラクターとしては、GSシリーズの姫条くん、ニーナがパッと出てきます。朝日奈さん含め全員割と人気高いキャラですし、原点となる朝日奈さんの完成度の高さがうかがえます。

<ときメモ2>

・白雪真帆

正直、特段好きなキャラという訳では無いんです。ただ、めちゃくちゃ印象に残っています。
そこまで多くの恋愛ゲームを遊んだ訳ではありませんが、この子ほど独特のプレイフィールを持つキャラ、他に知りません。攻略中はかなり苦しいですが、その結果とても深く心に刻まれるんですよね。

真帆ちゃんは隠しキャラなので通常デートは出来ない(?)のですが、朝日奈さん系譜なので絶対に楽しく過ごせそう。ゲーセンとか行きたい。

掘り下げが薄いにも関わらず、純情ギャルっぽさとスタイルのゴリ押しで好きにさせるパワー系女子、好きです。特段好きじゃないとか書いたけど、やっぱ好きですこの子。


・伊集院メイ

ときメモ2で一番好きなキャラです。彼女はイベントが本当にいいんですよね。特に、幼少期編からの連続イベント、修学旅行、文化祭の3つが好きです。

メイ様からは話が逸れますが、思い返してみれば、2はイベントが本当に良いもの揃いですね。特に好きなキャラクターのものじゃなくても、イベントで惹き込まれることが多かったです。
例えば、佐倉さんの電車や、寿さんの文化祭準備などなど。キャラクターの性格や、バックボーンの練り込みは他作品には劣りますが、イベントの出来に関してはトップクラスなんじゃないかと思います。

……話をメイ様に戻します。メイ様はベタベタのツンデレで、キャラクターとしては全く新鮮味がありません。でも、それがいいんです。
ときメモの徐々に仲を深めていく方式は、ツンデレとの相性抜群。特に、ときメモ2は態度だけでなく服装の変化もあるので、普通とデレの時の振れ幅が非常に大きいんです。メイ様は、そのシステムの恩恵をとても強く受けています(ほむらや八重さんもいいですよね)。
最初は咲之進を連れ立っての警戒心マックス状態だったのに、仲が深まると普通に可愛らしい格好をして、デレ顔見せてくれるようになる……最高です。

だからといって、デレすぎる訳では無く、しっかり最後までツンデレしてくれます。この辺りの塩梅がいいんですよね。恋愛に対して素直になれない、いじらしい可愛さがしっかりと描かれています。恋愛ゲームのツンデレキャラとして100点ですね。

・八重花桜梨

皆大好き八重さんです。前述したように、ときメモ2は普通からデレ状態への変化がとても大きい作品なんです。中でも最大級の変化を見せつけてくれるのが八重さん。
普通状態の時は、なんとデートに制服で来ます。まぁそれはそれで可愛いのでいいんですけど、初期の八重さんは表情が死んでるので、制服だとかなり雰囲気暗く見えるんですよね。

余談ですが、GS2の赤城くんが、「僕は制服が好きだから、休日でも着てる」みたいなことを言うシーンがあります。これは主人公とのやりとりの中での、咄嗟の口からでまかせなのですが、八重さんの存在を知っていると、真に受けちゃうんですよね。普通の人からしたら、休みの日に制服着てる奴なんていねーよって感じだと思うんですけど。

で、そんな八重さんが、あるイベントを経てデレ状態に入ると、デート時の服装がとってもおしゃれになります。(服装変化自体はイベント前からありますが、地味なものばかり)明るくなった表情も相まって、別人のようです。
繰り返しになりますが、2はキャラクターの変化の描き方が素晴らしいです。その点で言うと、ほむらなんかもいいですよね。

服装変化はGSにも欲しいなぁ……PS版のGS2にはときめき服なるものがあると聞いたことがありますが。やっぱり全シリーズ欲しいなぁ……。
あんまり服に興味無さそうな運動系男子達が、デレたら似合わないアクセサリー付けて、オシャレしようと頑張ってるところが伺えるとか。この人はどんな感じで服装変わるのかな〜、なんて妄想が捗りますね。

なんか半分くらいGSの話になってますね。とりあえず、八重さんはときメモ2の良さが1番強く出ている、至高のキャラということです。八重さん攻略のために2を遊ぶ価値があると思います。遊ぶとしたら、Vitaがいいんですかね?

<ときメモ4>

・郡山知姫

ときメモ4では、郡山知姫(こおりやま あき)先輩が1番好きです。名前の読みにくさはシリーズ随一。

郡山先輩は、紐緒さんのお色気要素を強く引き継いでいるキャラクターです。先輩であり、170cmの長身を持つ彼女は、とても大人びた色気を持っています。学業面でも非常に優秀で、進路もAクラスに分類される理系専門学校と、非の打ち所の無い女性です。
その実、コチョコチョに弱かったり、ジェットコースターで記憶喪失になったり、ギャップを感じさせる面が多いのが郡山先輩の魅力。

4はイベントが少ないので、どうしてもシナリオやキャラの掘り下げが薄いんですよね。でも、郡山先輩はギャップが魅力の人なので、1つ1つのイベントが面白いんです。そういう意味では、4との相性が良いキャラなのかもしれません。

ときメモだと年下キャラが年齢の差を辛く感じる場面がよく描かれますが、郡山先輩攻略ではその気分をプレイヤーが味わうことが出来ます。
1つしか変わらないのに、めちゃくちゃ大人っぽく見える。自分としてはそんな先輩が大好きだけど、先輩から見た自分はきっと子供っぽく映ってるんだろうな……なんて葛藤を抱いてしまいます。適度に隙がある郡山先輩だからこそ、遠すぎないけどやっぱり手が届かないんじゃないかって思いが出てしまうんです。
郡山先輩が主人公を呼ぶ時は「後輩クン」ですし、この人は自分のことを男として見てくれているんだろうか……でも優しくしてくれるし嫌いではないんだろうなぁ、みたいな絶妙な距離感がいいんです。皐月先輩なんかは完璧超人過ぎて近寄り難いですから。

GSシリーズのようなリアル感があって、郡山先輩攻略は楽しいんですよね。とはいえ、理系キャラお馴染みのエキセントリックさもしっかり併せ持っているあたり、ときメモだなぁって感じがします。4では超色物の都子が注目されがちですが、郡山先輩もたまらないんです。


・龍光寺カイ

4の準ラスボス、龍光寺カイ。その称号に恥じることなく、彼女は2ルートある豪勢っぷり。

彼女は龍光寺財閥の令嬢なのですが、親に反発して一人暮らしをしています。ときメモシリーズは結構多いですよねこのパターン。姫条くん、ルカコウ、カレン様あたりもこれ。

そして、上で挙げたこれらのキャラクターはそこまで親子関係に強く踏み込む描写はありませんが、カイのルートの1つ、「お嬢様ルート」では親と向き合うことが大きな課題となります。
逆に、もう1つの「アウトロールート」は親元を離れ、ルカコウのように奔放な暮らしを追い求めるという、全くもって対照的なものです。

私は、「お嬢様ルート」が好きです。告白がこっちの方が良いと思います。せっかく結ばれたのに、留学によりまた離れてしまうというのがいいですね。切ない。
カイ攻略時は大体主人公もハイスペックなので、言ってもらえれば同じ大学に通うことも出来たんじゃないかって思ってしまいますが。

カイは典型的な不良少女キャラで、やや粗暴な振る舞いが目立つもののの、根っこがとても女の子なんですよね。
男勝りなキャラが、恋愛を通じて女性的な部分に目覚めていくのはベタなパターンですが、カイは不良少女の皮を被っているだけ。女の子の部分をそれによって隠しているんですよね。

事実、カイは私服がとてもオシャレなんです。男勝りなキャラは私服がダサいのが定番なんですけど。あとは、ぬいぐるみみたいな可愛いものが好きだったり。どっかの裸Tゴッドリラー女とは違うんです。

心は乙女な不良少女、というのもありがちですが、カイは実は財閥令嬢というあたり、差別化がなされてますね。お嬢様らしい、真面目で淑やか、女性らしい部分。不良らしい、粗暴で自由奔放な部分。両方が同居してるのがカイの魅力ですね。だからこそ、カイだけはルート分岐が設けられているのでしょう。

<ときメモGS2>

・真嶋太郎

ここからGS編です。無印もプレイしたのですが、まだまだやり込みが足りないので、ここでの記述は控えておきます。

で、トップバッターは真嶋太郎。最初に書くキャラでは無い気がしますが……でも、彼のことを書きたいのです。
まず断っておきたいのですか、私は真嶋太郎がそこまで好きではありません。恋愛的にも人間的にも、とても褒められたものではありませんから。でも、シナリオの中で描かれる、彼の心の揺れ動きが素晴らしい。とても生々しく人間くさい、嫌悪すべきだけど共感できる彼の心理には、エンタメの枠を超えた魅力を感じるんです。

特に、ナンパ撃退イベントの真嶋くん。ナンパ男にデイジーを流そうとしたものの、いざその様子を目の当たりにすると、心がざわつく。思わず止めに入ったが、なんでそんなことをしたのか自分でもよく分からず、イライラする。そんな自分とは真逆で、無邪気な視線を向けてくるデイジーについ強く当たってしまう……。
この一連の真嶋くんの心理、めっちゃわかります。私が男性だからかもしれないですけど。
理不尽に当たり散らしてるように見えますが、紐解いていくと理由があるんです。不条理なようで、彼の行動は感情を汲み取れば自然で、条理的なものなのです。こういう風に女性に当たってしまった経験、男性なら少なからずあると思うので、共感できるのです。女性がどう考えるのかも気になるところですね。
……改めて見ても、こんなの乙女ゲーでやることないじゃないですよほんと。

一見真嶋くんは、美しい外見を武器に女性を振り回し、それによって自尊心を満たすクズ野郎です。その見方も正しいと思います。ただ、決してそれだけのキャラではないんです。確かにクズですが、中身がしっかりあるんです。そこに目を向けることが出来る人にとっては、真嶋太郎は噛めば噛むほど味が出る、最高の男になるでしょう。とはいえ、手放しに賞賛できる人間ではないですよね。私の真嶋太郎への感想としては、「嫌いにはなれないけど、決して本気で好きにはなれない」です。


・氷上格

私がGSシリーズで1番好きなのは氷上くんです。GS2を初めてプレイした時の私は高校生で、当時はそこまで刺さりませんでした。しかし、20代中頃に差し掛かってきた今、彼の良さがわかるようになりました。彼のシナリオは、等身大の高校生の成長がリアルに、そして美しく描かれていて、心を打たれるんですよね。 

最初の頃の氷上くんは、真面目で堅物すぎるあまり、正しさを他人に押し付けてしまう子でした。そんな彼が、デイジーと関わることで、他人を思いやることを覚えていく……彼は、デイジーのことを「最初の理解者」と言いました。つまり、今まで氷上くんを理解しようとする人がいなかったからこそ、氷上くんもまた他人を理解しようとすることが出来なかったのです。そんな彼がデイジーを理解しようとする中で、成長を重ねていく。

氷上くん自身が理想としている「僕が変わるような恋愛」に違わず、シナリオ内では人間的な変化の過程が丁寧に描かれているんですよね。恋愛面での変化が描かれているキャラはいくらでもいますけど、恋愛を通しての人間的な成長がメインとなってるキャラは少ない印象です。

なぜ少ないのかは自明で、成長を描くにはまず、人間的に未熟である部分を持たせなければいけないからです。恋愛ゲームにおいて、それは難しいことだと思います。未熟な部分は間違いなくマイナスイメージに繋がるので、ファーストインプレッションが悪くなるのは必至ですから。その点、氷上くんはギャグ要素と合わせて不快感がないように描写されてるので、とても上手いですね。

自分が未熟であることを自覚しながらも、変わることが出来ない……そんな氷上くんに、変化のきっかけを与えたデイジー。そして2人は単なる男女を超え、人生のパートナーとして歩みを進めていく。等身大ながらも壮大で理想的な恋愛が、氷上くんシナリオには詰まっていると思います。


・佐伯瑛

皆大好き(2回目)、佐伯瑛。あのつっけんどんな態度からはとても万人受けすると思えないのですが、ときメモGSシリーズにおいて人気ナンバーワン。当然私も大好き。

彼が人気ナンバーワンであることから、ときメモGSシリーズの特異性が伺えると思います。ビジュアルこそ「はね学のプリンス」の異名に違わず100点満点ですが、性格は屈折していて自己中心的、立ち振る舞いも粗暴。一般的に乙女ゲーという言葉から連想されるキャラクターからは大きく外れています。

そんな彼の人気の秘訣は、やはり「大人になりきれない」部分でしょう。明確な夢を持ち、そのために珊瑚礁で働いて、テストでも成績はトップクラス。目標のために努力を惜しまないその姿勢は、周りにいる同年代の人達からはかけ離れているでしょう。オマケに運動神経も良く、ビジュアルも抜群とあれば、周りから持ち上げられるのは至極当然。

でも、本当の彼はとっても子供。自分のかっこいい部分しか他人には見せられない。相手の気持ちを察することが出来ず、自分勝手に振り回す。この、「大人になりきれない」時期は誰しも経験したことがあると思います。ともすればただのワガママなガキだとも受け取られないかねないところを、思春期らしさ、共感性と合わせて綺麗に描き、魅力として昇華しているのが素晴らしいですね。GS2、3は本当にキャラの内面の描き方が上手です。

自分事になってしまうのですが、瑛に関しては攻略時にちょっとした思い出があります。
順調に好感度を稼ぎ、イベントも進め、終盤に瑛がデイジーの前からいなくなります。私は、卒業式に帰ってきてくれるんだろうなぁとワクワクして待っていたのですが……瑛は帰ってきませんでした。パラが不足していたみたいです(私はDS版でプレイしていたのですが、PS2版よりED条件が厳しくなっていると聞きました。本当なのでしょうか?)。

初見プレイ時には氷上くんを狙っていたのに、気が付いたら若王子先生に攻略されていたり、GS2は思うように行かなかったことが多かったです。でも、このように、自由度が高いからこそ自分だけのプレイ体験が出来るのがときメモシリーズの魅力ですよね。

<ときメモGS3>

・桜井琉夏

GS3もまだまだやり込みが足りないですし、琉夏に関しては個別記事もあるのですが、書かせていただきます。

琉夏はかなり攻めたキャラクターだと思っています。めちゃくちゃ重いバックボーンを持っていますし、精神的にも不安定なところがある。人によってはメンヘラだと切り捨てられてもやむ無しでしょう。でも、そんな陰のある部分こそが琉夏の魅力なのも間違いないです。

ふわふわしていて、いつかふっと皆の前から消えてしまいそう……だから、誰かが繋ぎ止めなければいけない。それが出来るのはバンビだけであり、琉夏もまたバンビを必要としている。琉夏ほど、バンビがいないとダメだと感じさせるキャラは他にいないでしょう。八重さんも主人公と仲良くならなければ進路不明になりますが、琉夏もそれも同じか、それ以上に酷くなってしまいそう。

琉夏の1番の魅力は、庇護欲を掻き立てられるところだと思います。隣にいてあげたい、そう思わせるキャラです。「いたい」ではなく「いてあげたい」のが結構大きな違いだと思います。支えてあげたくなるんですよね。

バレンタインデーの会話でOLさんとの関わりを匂わせるものがありますが、確かに年上を垂らし込むのはめちゃくちゃ上手そう。ご飯奢ってあげたりしたら超喜びそうですし。まぁ、琉夏が心に思い描くのはずっとバンビなので、そうやって手玉に取るような真似はしないでしょうけど。もし、そういう関わり方をする人がいたとしても、相手が本気で恋愛感情を抱いてる場合はすっと身を引きそうな雰囲気があります。琉夏は心の痛みがよくわかる子なので。

変な妄想に入ってしまいましたが、自然とそんなことを考えてしまうほど、琉夏はキャラクターが丁寧に作り込まれてます。瑛の項でGSシリーズは内面の描き方が上手いと言いましたが、完成度としては琉夏が1番高いと思います。解像度が高すぎるからこそ、好みが分かれてしまうんでしょうね。とはいえ人気投票でもかなり上位ですし、この攻めたキャラクターで多くの人の心を掴めたのはすごいです。



ときメモ編は一旦終了です。次はキミキス・アマガミ編を書こうと思います。

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