「藤色の誇り」とは何か。

横山選手の移籍。
その衝撃は計り知れないものでしたが、それと同じくらい藤枝MYFCファンサポーターの温かさにも驚かされました。
「藤色の誇り」と勝利のセレブレーションで歌われる文言が今季小さく芽吹いてきたのを確かに感じます。
では、どうしてこのような温かい空気に包まれた移籍になったのでしょうか。


要因として、まず横山選手の言語化が上手すぎる点が挙げられます。

形式的な上辺だけをなぞった文章ではなく、藤枝と自分自身のつながり。
そして、その街でどのように自分が成長してきたかを丁寧に丁寧に書き連ねていく文章は多くの人の心を打ちました。 



その文章の背景には「言葉を尽くせば理解し合える」という姿勢が浮かび上がります。
これは「Jリーガーという途方も無い夢のために浪人する」という道を後押しした横山家の教育、そして藤枝MYFCというクラブチームにもそうしたバックボーンを持っている証にもなります。
特に、藤枝MYFC加入後の人間関係が原因となるストレスで不調に陥った横山選手を支えた谷澤氏、枝村氏。
この2人のように理解者となる存在がクラブチーム内に居たことは横山選手のプレイヤーとしてはもちろんのこと、人間性にも大きな影響を与えました。
こうした人と人の繋がりの伝播がクラブチームの「色」を作っていくのでしょう。


「言葉を尽くす」ということは、莫大な精神的エネルギーを必要とするため、人はついつい楽をしてしまいがちです。
しかし、藤枝MYFCファンサポーターは「言葉を尽くして」応援をします。
だからこそ、世界一優しいゴール裏を表現することが出来るのです。
もちろん、今季ブーイングは当然ありましたし、不甲斐ないプレイに厳しい言葉が飛ぶこともありました。
「良い言葉だけを使って、いつも行儀良くしていろ」という話ではありません。
しかし、藤枝MYFCのエースであり大黒柱でもある横山選手の移籍に送られた言葉の花束を見ると、ファンサポーターがそれぞれ同じ方向を向いてクラブチームを支えていることが表現されていました。
同じカテゴリーでの移籍は憤りが無かったとは言えないですし辛い気持ちになりましたが、藤枝MYFCファンサポーターの美しさを再確認出来て嬉しかったです。


ブーイングも厳しい言葉も、心を込めて選手に届くように。
そして、「藤色の誇り」がどんなものなのかをいつの日か堂々と示していけるように。
それぞれの哲学をスタジアムでぶつけ合って、この美しさがさらに素晴らしいものになれば良いな!
ポジティブもネガティブも熱い気持ちを重ねて、藤色をさらに美しく輝かせよう!

いいなと思ったら応援しよう!