須藤監督のストロングポイント:顔が良い。

藤枝MYFCの監督である須藤大輔氏のインタビューを読みました。

指導者にフォーカスを当てたサイトなだけに、かなり深いところまで監督の考えを知ることが出来てとても良かったです。
特に感銘を受けたのは指導方針について。

指導者が提示したものを強制的に選手たちにさせるのではなく、大枠のゲームモデルや原則がある中で選手それぞれの判断やアイデアを自由に表現できる方がプレーする選手たちも楽しいと思います。楽しんでプレーする選手たちをみて、我々指導者やスタッフも一緒に楽しんでいます。やっぱり、現場が楽しんでいないとファン・サポーターの方にも楽しみを届けられないと思っているので。

「楽しんでサッカーをする」
プロスポーツにおいて『楽しむ』ということはある種タブー視されていて、あのイチローも「プロとして野球を始めて楽しい瞬間なんてない」と言う言葉を残したほどです。
もちろん、人の数だけ正解があるので正誤でそれを語るつもりはありません。
しかし、このような須藤監督の考えが異端であり、異端だからこそ多くの人に注目されるサッカーを表現出来るのです。

また、この考えの根底には須藤監督自身がサッカースクールで幼稚園児に指導をしたという経験が大きく影響しています。

勝たなきゃいけない、負けたらどうしようじゃなくて、サッカーができる喜びをまずは感じてほしいという思いでサッカースクールを運営しています。でもまだ幼稚園生はコーチが一生懸命話したとしても、 上に飛行機が飛べば、「あー、飛行機だ!」って見るんですよ。でも、『その飛行機よりも、このボールで遊んでる方が楽しいでしょ』っていう風に、どういう子でもこっちに向かせるような指導者が 1番いい指導者だと思います

サッカーをする根源の楽しさに触れさせる指導方法をメソッドとして持っているというのは監督業を生業にしている人の中でも非常に大きな個性です。
そして、それを持っているからこそ『楽しさ』に特化したチーム作りが出来る。
それこそが須藤監督最大のストロングポイントではないでしょうか。

4月19日現在J2カテゴリーで8位に位置している藤枝MYFC。
チームの調子は良いですし、様々なメディアやSNSなどでも概ね好評な試合内容ですが、そのエンターテイメント性が世間に届いているとはまだまだ言い難いのが実情です。
この『楽しさ』が人から人へと伝播し、想像も付かないような大きな熱狂を生み出していく。
そんな未来を期待して止みません。

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