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初めて一人旅をしたときの話

結論から言います。一人旅、めちゃくちゃ楽しいです。友達や家族と行く旅行ももちろん楽しいけれど、それとはまた違った良さがあります。

私が初めて一人旅をしたのは、大学2年生の春休み。行き先は、東北です。
2年間入っていたサークルを辞め、時間を持て余していた頃です。前々から気になっていたのかは覚えていませんが、せっかくだから、どこかへ旅行に出掛けてみようと思ったのです。なぜ東北にしたかは覚えていません。ただ何となく、東北を襲ったあの災害の日に、東北にいたかったからです。
1月、秋学期の試験が終わった頃から計画を立て始めました。何度も試行錯誤して最終的に決まった旅程がこちら。

松島→仙台→平泉→花巻・遠野→五所川原(青森)

まずは松島。京都から夜行バスに乗って仙台へ。そこから電車で松島へと繰り出します。天気は快晴。海を背景に自撮りしたり、牡蠣の炊き込みご飯を食べたり、遊覧船に乗ったりと、とても満喫しました。
夕方ごろに仙台に戻り、ここで人生初めてのゲストハウスに宿泊しました。ここでの体験が、その後のゲストハウス好きになるきっかけを作ってくれたと個人的に思っています。

翌日は仙台を観光し、さらにもう1泊。翌朝仙台を出発し、今度は平泉へ。教科書で芭蕉の句を読んでから、ずっと来たかった場所です。中尊寺に行ったり、義経と弁慶のゆかりの地に行ったり、毛越寺に行ったり。毛越寺の庭園がとてもとても綺麗で、いつかもう一度行くんだと心に決めています。

そしてその日のうちに花巻へ。民宿のような素敵なお宿に泊まり、翌日は花巻の観光です。たくさんたくさん、歩きました。宮沢賢治、好きでも嫌いでもなかったけど、その世界観や生き様が好きになりました。
昼過ぎに遠野に行きました。河童で有名なあの遠野です。河童グッズがたくさん置いてあって、とてもかわいかったです。

そして再び花巻に戻り、青森へ。途中、盛岡でジャージャー麺を食べました。今度は街中のホテルに宿泊。翌朝は雪の中、バスで五所川原へと向かいます。そして津軽鉄道に乗りました。レトロな車内の中から見る雪景色がとても綺麗でした。
目的の駅は金木駅。太宰治記念館の最寄駅です。高校生の頃人間失格を読んで以来、太宰治のファンでした。東北に行くことがあったら必ず来たいと思っていた場所です。お土産ショップのおばさんと話をしながら、太宰治のTシャツを選んだのがいい思い出です。
他にも津軽三味線会館で三味線を聴いたり、立佞武多の館でねぶた祭りの歴史や実際のねぶたを観たりしました。ガイドブックに載っていた、たい焼きも食べました。

翌朝も雪が降っていました。駅前の海鮮市みたいなところに行って、ふらふらとお土産を探しました。みなさん気さくで、いろいろと話しかけてくれました。長野と青森はライバルだね、とか飛行機飛ぶと良いね、とか。
楽しい時間を過ごせました。

この1週間弱の旅が、具体的なことは分からないけれど、私の中の何かを変えてくれたのは間違いありません。

一人旅をして良かったことを挙げていきます。
まずこの一人旅。冒険しているワクワク感がハンパないです。1人で夜行バスに乗って遠くへ出かけるなんてこと、これまでありませんでした。それだけで冒険の第一歩です。それから、冒険なだけあって、マイペースに進められます。急な予定変更にも慌てる必要はありません。パーティーは、私1人なのですから。
さらに、開放的な気分になれます。誰も自分のことを知っている人がいない場所にいるということは、思った以上に人を(良い意味で)大胆にしてくれます。私は普段誰かに道を聞いたりカメラのシャッターを切るのをお願いしたりすることができない人間です。そんな私が、東北ではすんなりとそれらのことを行うことができたのです。道ゆく人々も、快くそれに応じてくれました。

一人旅は、勇者1人の道行きで、行く先々で出会った誰かに助けてもらう冒険譚のようだと思います。

最終日、青森では大雪が降っていました。帰りの飛行機に搭乗して1時間待機。飛ぶか飛ばないかの瀬戸際で、なんとか飛行機は無事に離陸。伊丹空港について関西の空気を吸ったとき(伊丹空港に来るのは初めてでした)、ホッとした気持ちと、何ともいえぬ達成感が心をぶわりと駆け抜けて行きました。

それ以来、私は一人旅の魅力に取り憑かれました。一度行くと1週間ほどは滞在・周遊するので、そうそう頻繁には行けませんが、関西近郊で日帰りや1泊2日の旅には何度か出かけました。2回目の長い一人旅は、半年後。真夏の北海道でした。3度目は、卒業旅行として行った山口・福岡です。

一人旅の醍醐味は、旅先での出会いだと個人的に思っています。だから、宿を選ぶときはなるべくゲストハウスを探して、他の旅人たちと交流を持つように心がけました。
もちろん課題もありました。旅先で出会った人々との交流が、続かないのです。一期一会といえば聞こえはいいかもしれません。でも、せっかく旅先で出会って、ご縁があったのだから、叶うことなら今後もつながっていたい。そんなチャレンジを、次に旅に出るときは心の隅に置いておきたいと思います。
世界中が大変なことになっている今、次に旅に出られるのはいつになるか分かりませんが、1日でも早く外の世界に自由に飛び出して行ける日を願って。いつか来るその日のために、ガイドブックをたくさん読んでおこうと思います。

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石宿アオ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!これからもあたたかく見守ってくださると幸いです☺️よろしければ一言ご感想いただけるともっと嬉しいです!