地震が起こった時の感覚
昼、自宅で仕事をしている時、みしみしと部屋が軋んだ。
夕方、仕事を続けている時、ぐらぐらと揺れた。
深夜、本を読んでいて、またもや家が悲鳴を上げた。
24時間以内に、3度の地震が起こった。
映画『すずめの戸締り』の冒頭にて、
こんなシーンがある。
地震が起き、やがて収まる。学校にいた生徒たちは安全を確認すると何事もなかったかのように
日常に戻っていく。
ぞっとした。
地震に慣れすぎてしまった日本人の、
今の感覚である。
2011年3月11日。
当時東京にいたわたしは震度4の地震に
戸惑いを覚えながらも、机の下に潜り込んだ。
地震が止むまで、
周囲から悲鳴が収まらなかった。
今まで地震を伝説だと信じていたわたしたちは
この日、現実だと知った。
それから10年経って、
大きくない地震なら大丈夫だと、
地震は日常に組み込まれていった。
不安定なゆりかごの上で。
最後に青春の一曲から引用を。
揺さぶられながら、考える。
見失えないものは、何だ。