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8年前の失敗談から考える、良いコミュニケーションとは

こんにちは!Webデザイナーとして就職活動中のせーです。

デザイナーにとってコミュニケーション力が重要だという意見をよく耳にします。確かに、優れたデザインを生み出すには高いコミュニケーション力が不可欠だと私も考えています。

しかし、ふとしたときに、素朴な疑問が。
自分の考える「良いコミュニケーション」って、実際のところ何なんだろう?

そこで、人生の中で経験したコミュニケーション不足による痛い失敗談を赤裸々に振り返りながら、自分なりの「良いコミュニケーション」像を探ってみることにしました。



社会人1年目の大失敗

お客様激怒事件

コミュニケーションの重要性を痛感したのは、今から8年前、社会人1年目のこと。対応期限の認識の相違から、社外のお客様を激怒させてしまった時のことです。

事の顛末はこんな感じです。至らぬ点がいっぱいですね…

お客様が考えている対応期限と、こちらが対応してほしいと考えていた期限が違っていた

対応期限が過ぎた後に、お客様に知らせてしまった

期限が過ぎた後だと、追加でお客様に作成していただかないといけない書類があった。そのことを、お客様は知らなかった

お客様から電話口で「そんなの聞いていない。そちらの落ち度だから対応しない」「(私の名前)さんでは話にならない。上司に電話を替わって謝罪に来い」と...

頭が真っ白になりながらも、なんとかしなければと必死で次の対応を行いました。

1. 規定上、作成すべき書類を社内で確認
2. お客様に説明する内容に、自分の解釈違いがないか入念にチェック
3. 上司に状況を自分の落ち度含めて包み隠さず報告し、介入を依頼
4. 上司と謝罪訪問し、お客様の怒りが落ち着いた後に必要書類を作成いただく
5. 担当者交代の要望に従い、後任への引き継ぎを実施


上司からの核心を突いた一言

当時、意を決して上司に相談したところ、「まあ、コミュニケーションが少し不足していただけだね。」と、余裕を持った口調で言われました。

もっと厳しく𠮟られるか、呆れられるかだと思っていたので、その口調に驚いた記憶があります。今思えば、上司は冷静に問題の核心を突いてくれていました。

ちなみに、そのときの私はこの世が終わるくらいの絶望感で、
泣きながら上司に渡されたトイレットペーパー(トイレではなくロッカーに未使用で置かれていた綺麗な紙)で涙と鼻水をふきながら、

(やっぱ私なんかにこんな仕事無理だったんだ…)
(というかなんでこんなに軽くあしらわれているんだろうか…)
(お客様に迷惑をかけたあげく、会社の信用を少なからず落としてしまったのに…)

などと思っていました。(※今では笑い話)


担当者交代からの再スタート

この失敗の後、結論として「担当者交代」という結果になりました。

正直、その時はめちゃくちゃショックでした。「人生おわった...」そんな思いでいっぱいでした。自分の不手際でお客様を怒らせ、会社に迷惑をかけ、最後は担当を外される。
社会人としてこれ以上の失態はないんじゃないかと、自己嫌悪に陥りました。

でも、今振り返ってみると、あの時の経験は決して無駄ではなかったと感じています。

確かに結果は最悪でしたが、その過程で自分にできる限りのことはやり切りました。
お客様への説明、上司への報告、後任を引き受けてくれる方への引継ぎ準備。一つひとつ、必死になってこなしていきました。

この経験を通じて、「困難に直面しても、できることを考えて実行し、やり切る力」を身につけることができたと思います。
これは、その後の仕事人生で何度も活きてくる大切なスキルになりました。


担当者交代後、新しいお客様を任されることになりました。正直、不安でいっぱいでした。「また同じ失敗をしてしまうんじゃないか」という恐れが常につきまとっていました。

でも、もう同じ失敗は繰り返したくない、いや繰り返さない!という決意のもと、一つひとつの業務に丁寧に向き合いました。お客様とのコミュニケーションにも細心の注意を払いました。

そんな日々が続いて約1年が経過したある日、上司から思いもよらない言葉をかけられました。

「あれから良く立ち直ったと思うよ。(私の名前)さんは、仕事ができる人だと思う」

正直、耳を疑いました。あんなに大きな失敗をした自分に対して、「仕事ができる」?


失敗が教えてくれたこと

今でも自分のことを胸張って「仕事ができる」だとは中々思えません。でも、あの時の上司の言葉は、今も私の大きな支えになっています。

この経験を通じて学んだのは、仕事において重要なのは単に失敗しないことだけではないということです。 もちろん、大失敗は無いに越したことはないんですが、

1. 失敗したときにいかに粘り強く対処できるか
2. その経験を次にどう活かせるか
3. 周りの人々の支えをどう受け止め、成長につなげられるか

こういった点こそが、社会人として信頼される上で大切なんだと気づかされました。


失敗を振り返って

この経験を振り返ってみて、トラブルを起こさないために大事だったのは、以下のようなコミュニケーションを取ることだったと思います。

1. お客様の対応期限の認識を確認する。間違っていたら認識を修正する。
2. 対応期限が適切か、お客様と一緒に確認して、納得感のある期限を探る。
3. 期限に関してメールなど記録が残る形で合意を取る。
4. お客様の対応期限前にリマインドメールを送る。前日に対応されていなければ追加で電話確認する。
5. 対応期限が過ぎた場合にしなければならないことを、メールなど記録が残る形で伝えて事前に合意を取る。
6. お客様の性格を把握し、どのような点に配慮すべきかを考える。
7. 同じお客様を対応したことがある人が社内にいれば、どのような性格か、どのように対応したかを確認しておく。


「良いコミュニケーション」とは

自分なりの「良いコミュニケーション」像

さて、この経験を振り返ることで、私なりの「良いコミュニケーション」像が見えてきました。

「良いコミュニケーション」とは、相手がやりたいことと、自分がやりたいことを、できる限りすり合わせて、お互いが最大限納得できる一つの結果を世に生み出す行為

コミュニケーションでは情報を正確に伝達することも大事ですが、情報が正しく伝わったからと言って、方針の違う意見が勝手に一つにまとまることはありません。
「良い」とつけるのであれば、「お互いが最大限納得できる結果」という部分が重要
だと思います。

先ほどの経験を例に挙げると、
①情報の正確な伝達ができていない点
②納得感のある提案ができていない点
どちらも顕著ですね。(自分で言っててつらい)

コミュニケーションでは①ができているのが大前提として、「良い」コミュニケーションのためには②もできている必要があると考えます。

具体的には、以下の点が「良い」コミュニケーションのためのキーになってくると思います。

・対応期限が適切か、お客様と一緒に確認して、納得感のある期限を探る。
・お客様の性格を把握し、どのような点に配慮すべきかを考える。
・同じお客様を対応したことがある人が社内にいれば、どのような性格か、どのように対応したかを確認しておく。

例えば、対応期限の設定において、単に会社の都合で決めるのではなく、お客様の事情も考慮に入れて一緒に検討することで、双方が納得できる期限を見つけ出すことができます
これは、お互いの立場を理解し合い、最適な解決策を見出す「良いコミュニケーション」の一例になると思います。

また、お客様の性格を理解し、それに合わせたコミュニケーション方法を選ぶことも重要です。
例えば、細かい説明を好むお客様には詳細な資料を用意し、概要だけを求めるお客様にはポイントを絞った説明をするなど、相手に合わせたアプローチを取ることで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

さらに、社内の経験者から学ぶことも「良いコミュニケーション」につながります。
過去の対応事例や成功・失敗の経験を共有することで、自分一人では気づかなかった視点や方法を取り入れることができます。

「良いコミュニケーション」は、単に情報を伝えるだけでなく、相手の立場を理解し、互いの目的を達成するための最適な方法を見出す過程を含めたものだと考えます。このプロセスを通じて、両者が納得できる結果を生み出すこと、それが私の考える「良いコミュニケーション」の本質です。


これからのコミュニケーションで大切にしたいこと

今後は、相手目線を大切にしつつ、自分の主張をどう発展させるかを常に考えていきたいと思います。

どの人間にも立場があるので、いくら相手目線を大切にしても、すべてを相手にあわせるわけにもいきません。ビジネスならなおさらですよね。

しかし、相手の考え方を理解し、心から尊重する姿勢を持つことで、「自分がやろうとしていることは、相手にとって良いことなのか、悪いことなのか」「自分が相手にお願いしたいことは筋が通っているのか」「相手にとってのメリットはあるのか」など、自分の主義主張の妥当性に立ち返ることができると思います。

これが「良いコミュニケーション」を行うための、筋トレのようなものだと捉えて、常に意識していきたいと考えています。


デザイナーとしてやりたいこと

現在、私はWebデザイナーとして就職するために、デザインを学んでいます。デザインを学んでいくにつれて「伝えたい価値やメリット」をビジュアルで表現する奥深さを感じ、学びたいことが多すぎて、毎日時間が足りないと思うくらいです。

その中で私が目指していきたいなと思っているのが、クライアントとユーザーが良いコミュニケーションができるデザインを作るということです。

ここでいう良いコミュニケーションとは、先述した「相手がやりたいことと、自分がやりたいことを、できる限りすり合わせて、お互いが最大限納得できる一つの結果を世に生み出す行為」です。

これを「クライアント」「ユーザー」「デザイン」という言葉を用いて言い換えると、クライアントが成し遂げたいことと、ユーザーが必要としていることを、デザインの力ですり合わせて、双方が納得できる一つの成果を生み出したい、ということです。

そのためにはたくさんの学びと経験が必要で、私自身まだスタートラインにも立てていないレベルかもしれません。

そんな中でも、自分の中でこんなデザインを作れる人間になりたいと気づけたのだから、自分ができる限りの力を尽くして、スタートラインに立てるよう、挑戦していきたいと思っています。

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