トライブ紹介 ネオノマド 【2/2】
前回に引き続きネオノマドついて 3. ライフスタイルとその影響、4.将来と新たな働き方の提案についてご紹介します!
3. ライフスタイルとその影響
ネオノマドのライフスタイルは、単なる仕事のスタイルの変化ではなく、生活の質や消費形態にも大きな影響を与えています。例えば、アメリカでは独立専業で週15時間以上、平均して週35時間以上働いている人をソロプレナーと呼びます。
これは日本でいうところのフリーランスに近い概念です。
また、副業的に週15時間以下(ハーフタイム未満)、平均して週11時間程インディペンデントワーカーとして働いている人々をサイドギガーと呼びます。
副業と本業を合わせてフルタイム以上働くという世界がアメリカでは出現しつつあり、それに伴い、拠点はそれぞれ違う場所でもよいという考え方も広がっています。
また、ネオノマドが生まれたもうひとつの背景として、「東京にはない魅力が地方にはある」と、東京に暮らす人たちの中で再評価されてきているという点があげられます。ネオノマドたちは自然、人とのつながり、町おこし、新しいチャレンジ領域、食など、さまざまな魅力が地方にはあると考えています。
例をあげると、徳島県の神山町では、山間部に位置するにも関わらず光ファイバーを完備することで複数のIT企業の誘致に成功し、2012年には転入者が転出者を上回っています。
この神山町の例は、通信のインフラ事業を考えている方にとっても参考になる事例といえるでしょう。
4. 将来と新たな働き方の提案
今回は2拠点生活が重要であるという共通の価値観を持った人びとを3つに分類し、調査しました。
仕事ノマド
仕事が主の目的。地方を主たる仕事場にし、たまに東京に来る、または都会で仕事をし、地方でたまに仕事をするというような人。
子育てノマド
地方のほうが子育てしやすい、子育ての質が高いという価値観を持ち、仕事は東京、子育ては地方がメインという人。
リフレッシュノマド
東京で働きつつ地方でリラックス、リフレッシュしたい人。
複数の拠点を持つというライフスタイルを送る人をみていくと、やはり自ら企業を興すなどして、自由度高めている人が多く存在します。レポートでも有名企業の方々に多くインタビューを行っています。
たとえば、仕事ノマドで東京都と香川を行き来する「四国若者1000人会議」の瑞田さんは、東京の若者と四国をつなぐコミュニティを運営しながら、四国の食ビジネスのメディアも運営し、実家のお寺の仕事もしています。
東京ではシェアハウスで暮らし、香川ではカフェで過ごしたり、お寺の仕事で外出したりしているため、もはや固定の場所にいることはないといいます。
ネオノマドの特徴としてあげられるのは、彼らはみな、「どういう人とつながっていられるか」を重視し、人間関係の質の向上が直接的にQOL(Quality of life)と捉えている人が多いということです。
また、もうひとつの特徴は、地方で身に着けたスキルが東京の仕事で活きてくるというワークライフブレンドを実践していることです。
ワークライフバランス、ワークライフブレンドという言葉はよく耳にしますが、具体的にどんなことかはあまり語られていません。彼らは非常に分かりやすいワークライフブレンドの実例といえるでしょう。
たとえば、ユーザーベースの梅田さんは「東京では整理や論理的な仕事をし、葉山ではクリエイティブな仕事をする」と発言しています。これもマクロデータでは分からない、ワークライフブレンドの具体的な形といえます。
一方、リフレッシュノマドのマウスコンピューターのコマツさんは、平日は神田のオフィスで働き、休日は軽井沢で完全オフという生活をしています。東京は仕事の場所であり、東京で完全にオフになることは難しいと感じるからこそ田舎へ行くのです。
レポート作成当時は、軽井沢での仕事の可能性は現在ほどいわれていませんでしたが、地理的にも気候的にもよく、最近では軽井沢に移住し、勉強会やコーディング後に湖でゆっくりするというようなライフスタイルを送るエンジニアなども増えています。やはり、インフラが発達することが果たす役割は大きいといえるでしょう。
最後に、ネオノマドの調査からか得られたトライブ・ドリブン・イノベーションの例をご紹介します。2拠点ノマドのキー・トレンドで「距離の遠さを理由に仕事を効率化する」という意識がありました。
たとえば、終電が早いという理由でダラダラと飲み会に参加しなかったり、自分の働ける時間や東京の人と会う時間にあえて制限を設けることで、ある種優先順位の低い行動にはムダな時間を割かず、実は時間管理がしやすくなっているのです。
距離の遠さや、あえて時間に制限があるほうが仕事が効率化するという話は非常に重要で、ビデオ会議を取り入れたり、リモートでの会議などが増えてくると、それが理由で無駄話をしなくなるということは実際に私も感じていることです。
また、オンライン会議であれば同時に複数の会議に参加することも可能です。
このように、実はこのキー・トレンドは、ICTがさらに活用され、リモートワークが増えた時代には、物理的な移動を行うノマド以外の人びとにも十分応用可能なので、オフィスや会議室などのビジネスやサービスを行っている方は、意識すべき点です。
2拠点ノマドのエスノグラフィーなどを行うことでも、リモートワークに活用できる新しいアイデアは見つかるでしょうし、トライブ・ドリブン・イノベーションの分かりやすい事例といえるでしょう。
働き方改革系のサービス開発や、リモートワーク系の新規サービスを考えたい人にはぜひネオノマドのレポートをご活用ください。
今回はネオノマドについてご紹介しました!
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