トライブ紹介 リワーカー【1/2】
私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!
トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。
今回は「リワーカー」をご紹介します。
1. リワーカーとは
2019年から働き方改革が施行され、日本の働き方は大きな変化の時を迎えています。SEEDERでは副業や複数の仕事を持つ人たちの時間の使い方、休息のとり方に着目し、「ワーク」を新たに捉え直している人を「リワーカー」と定義しリサーチしました。
リワーカーは企業単位ではなく、個人単位でもリデザインしたり、新しいスタイルに変革し始める人びとです。
2. デスクリサーチ
日本の人口は減少を辿り、今後も労働人口は減少していくことが分かっています。それに対応するために、労働力不足に備えて、労働生産性を向上するための施策として打ち出された働き方改革には以下の3つの柱が掲げられています。
①労働時間の是正
長時間労働や過労死が社会問題となり、労働時間を見直すための指標を設定。時間外労働の上限を原則で月45時間・年360時間に設定。
②格差解消
正規・非正規雇用者の賃金格差を是正。正規・非正規にかかわらず、労働内容が同じであれば、同等の給与を支払う同一労働同一賃金の制度を設定。
➂多様で柔軟な働き方の実現
時間給で対価を設定するのではなく、成果により、評価・収入を得る働き方を本人の意思で選ぶことのできる高度プロフェッショナル制度を設定。
➂はとくに副業解禁の流れで、多様な働き方が登場し始め、制度だけではなくワークスタイルにも大きな影響を及ぼしています。
これまで働き方の変化として、プライベート時間を軸に働く時間を考える「ワークライフバランス型」がありましたが、最近では趣味や自分のスキルを活かし、本業とは異なる仕事や、将来のキャリアを考えて、関係するスキルを伸ばすための仕事など、複数の職に就く「ライフ拡張型」という働き方が登場しています。ワークとライフのバランスをとるということを目的とするより、自分のやりたいことを実現していることが、ライフ拡張型の大きな特徴といえるでしょう。
また、『マルチプル・ワーカー 「複業」の時代:働き方の新たな選択肢』著者・山田英夫氏は、副業をケイパビリティ(能力)と収入で以下のように4つに分類しています。
伏業・・・内職やネットで不用品を売るなど、極めて低単価の仕事。会社に伏せてやることが多い。ケイパビリティも収入も低く、続けてもキャリアには繋がりにくい。
副業・・・昔から言われてきたサイドビジネスで、コンビニの店員、警備員や肉体労働など。時給に換算すると、会社の残業代より安いことが多い。収入の補完、お小遣い稼ぎのために行うような仕事。
幅業・・・ボランティアやNPO活動など、多くの収入は期待できないものの、社会的意義ややりがいを感じられ、人間の幅やスキルの幅を広げるもの。
複業・・・起業に代表される仕事で、収入もスキルの幅も広がるもの。ケイパビリティも収入も高い。
<参照>https://biz.moneyforward.com/blog/34784/#4
幅という意味での副業をSEEDERではサイドハッスルとも呼んでいますが、収入よりもスキルをいかしていきたいという働き方が広がり始めています。
3. リワーカーの3つのセグメント
デスクリサーチにより、今回のセグメントは以下の3つに分類しました。
STYLE1.SUB 副業
本業に活かせるスキルを副業を通して得る。副業を通して、自分自身の市場価値を高めようとする。
例:webマーケティングをしている人がフリーで似たような仕事をしてスキルを得ていく
STYLE2.DOUBLE 複業
今後のキャリアゴールがあり、スキルや人間関係を得るステップとして複業を行う。
STYLE3.HAPPY 福業
キャリアやゴールに関係なく、自分のやりたいことや好きなことを見つけて福業する。
これらの3つのセグメントは完全に独立したものではなく、重複している部分も多くありますが、この3つのいずれか、あるいは複数に当てはまる人びとにインビューをおこないました。
リワーカーの詳細なプロファイリングについては、トライブレポート本編にてご紹介しています。トライブレポート本編をご希望の方info@sd-g.jp までお問い合わせください。
次回は「リワーカー」の4. 生活者変化行動仮説についてご紹介します!お楽しみに!
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