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トライブ紹介 多忙族【2/2】



前回に引き続き多忙族ついて 3. 多忙族の分類、4.多忙族に向けた商品開発の可能性についてご紹介します!

3. 多忙族の分類

今回調査した多忙族は、主観的な繁忙感を感じているという共通点を持つ、以下の3つのセグメントです。


ハードオフィスワーカーは、本当に仕事が忙しい人びとですが「ずっとこの生活が続くわけではないから今は頑張って働こう」というような人。睡眠不足のため、睡眠の質を向上させたいという願望を持っています。
ハードホビーワーカーは、仕事が忙しいながらも、趣味の時間もきちんととるために、睡眠時間を削って趣味の時間を割く人。
ハードホームワーカーは、仕事に加え家事の忙しさが混ざっているため、ロボット掃除機や家事代行を利用している、もしくは興味があるという人。
ハードオフィスワーカーは、20~40代までどの年齢層にも存在します。彼らは効率や商品の持つ機能を吟味する性質があるので、彼らを対象に消費財を考えたり、時短系商品やサービスのアイデアを考えるのはオススメです。
たとえば、調査をしたハードオフィスワーカーの20代女性には「今しかこんなに働けない」というインサイトがあり、積極的に忙しく働いている傾向があることが分かりました。彼女のような人たちに向けた間食や栄養補給などを新たに市場開拓していけば初期採用者が明確な状態になり、トライブ・マーケティングの展開が可能です。
ハードホビワーカーについては、そもそも「趣味に忙しい人は暇」という考え方は間違いです。調査したハードホビーワーカーの一人は長距離走を趣味とし、朝4時半に起き、布団の中で準備運動として腹筋200回、腕立て伏せ30回をしてから15キロのランニングを行っています。
彼らは忙しい中で趣味の時間を作っているので、「昼休みは昼食10分で済ませたい」など時短ニーズは明確で、時短系サービスの需要は相当あります。
ハードホームワーカーは、仕事が忙しいため家事は手を抜きたいと考えていますが、対象者のひとりは、「本当は宅配サービスを使いたいが、夫が難色をしめすから使用できない」と言います。彼女のように、働きながら家事もおろそかにしたくないという人たちの罪悪感をぬぐえるようなミールキットなどが、今後さらに求められていくでしょう。
もうひとりはフィットネスの営業企画しながらMBA取得のために大学院で勉強しているというハードホビーワーカー(女性)です。同棲中ですが家事を自分ひとりが行うことにイライラが募るため、掃除サービスのヘビーユーザーだといいます。

4. 多忙族に向けた商品開発の可能性

多忙な人たちに向けた商品開発は、たとえば、ガム、チューハイ、ビール、お茶、コーヒー、目の上にのせるあたたかい布、化粧品など、さまざまな消費財において「ほっとできる」「リラックス」「癒し」という方向で商品の価値をデザインしている例の枚挙に暇がなく、もはや開発されつくされているといえるでしょう。
マスプロダクトであったとしても、細分化した最適なシーンや、その最適なシーンに合わせた形で機能をデザインしていくことが、現代のマーケティングにおいて重要な点ですが、このときに役立つのが多忙族から出てきた「幸せな1日の終わり方のデザイン」という機会領域です。
人々はどこかで「1日が終わったな」と感じる瞬間を求めているのです。人によっては寝る直前や、シャワーを浴びているとき、ベッドでゴロゴロしている時間かもしれません。
1日の終わりを感じる瞬間は人それぞれ違いますが、「こういうシーンで、このように使用すると、こんな幸せな1日の終わり方ができます」という伝え方をすることで、多忙な意識を持っている人たちには刺さりやすいのです。詳細な説明は長くなるので省きますが、「人によって一日が終わったと感じる瞬間が多様である」ことはモダンな商品コンセプト開発業務においては、チャンスです。これを人によってシーンが細かく違う現象はマスプロダクト
では扱いにくいと考えている商品開発マネージャーは、すこし時代遅れの考えになっているかもしれませんね。
主観的多忙感を持つ人たちは「忙しかった1日が今日も終わった」と満足感を得たいのです。多忙族の中でも夜はそこまで「動き」としては多忙ではないので、夜の時間というのはまだまだデザインの余地が残されています。
夜の時間にどういったサービスや商品があれば「今日も1日頑張ってよかった」と思えるかを考えてみるとよいでしょう。
たとえば、音楽サービス、ハードウエアのガジェット、アロマ、睡眠、飲み物、夜食、入浴グッズなど、多忙な人々に「あなたのライフスタイルの中で、この時間帯を1日の終わりにしましょう。その瞬間を幸せなものにしましょう」ということが伝わる消費財をデザインしていくことが重要です。

今回は多忙族についてご紹介しました!
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