トライブ紹介 CBDラバー【1/2】
私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!
トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。
今回はCBDラバーをご紹介します。
1. CBDとは
CBDは正式名カンナビジオールといい、大麻草成分のひとつです。大麻というと日本では「危険」で、摂取してはいけないと考えられがちですが、実はアメリカでは大麻に対する考え方はかなり変化し、法律も緩和されつつあります。さまざまな州で娯楽のためや、痛みを取り除くための医療用として用いられるなど、注目されています。今回は、現在とくにアメリカで注目されているCBDに注目し、 CBDを日常生活に取り入れ頻繁に活用している人びとをトライブ「 CBDラバー」と見立てて、彼らの調査を実施いたしました。
今回のレポートテーマは大きく以下の2点です。
①日本国内での商品開発へのヒント
アメリカの流れを受け、日本のメーカーもCBDを活用した商品開発に着目し始めていますが、いまだ日本国内では大麻=よくわからないものとして捉えられがちです。そこで、そもそもCBDとはどんなもので、アメリカの生活者はどのように享受しているのかを知ることで、日本でも安心してCBDビジネスを展開するためのヒントとなるでしょう。
②「未来の体調管理」の変化のヒントを読み解く
そもそもトライブリサーチは未来の変化を洞察するための手法であり、今回は未来の体調管理をテーマに据えて調査をしています。「 CBDがどう使われているか」という分析だけではなく、CBDを用いらない場合にまで拡大解釈し、未来にはどのような体調管理の変化を見通すことができるのかを分析しています。
大麻とひとことでいってもさまざまな成分があり、大麻と聞いてよく連想されるのはCBDではなく「THC」という成分です。THCは、摂取するとアルコールと似たような精神作用が起き、俗にいう「ハイになる」や「キマる」という状態になります。THCを摂取するのは日本国内では違法ですが、アメリカの一部の州ではTHCを含んだガムや飲み物なども合法となり商品化され始めています。
一方、今回テーマとしているCBDは、アルコールのようにハイになる成分は入っていません。痛みの緩和、不安感の軽減など、ハイとは逆に、落ち着きを得られる効果があります。
CBDはさまざまな病気や炎症にきくといわれており、デイリーユースだけではなく病院でも活用され、WHOも安全で副作用がないと名言しています。また、正しいプロセスで輸入すれば日本でも合法です。
2. CBD拡大の背景
そもそも大麻は1930年代に規制され始めましたが、1990年代から医療用に用いられ始め、2010年以降、一部の州ではタバコなどと同等に嗜好目的として認められ始めています。
かつて金の採掘が始まった時代を「ゴールドラッシュ」と呼んでいましたが、現在大麻をさまざまな観点からビジネスとして扱う、大麻の価値を見直すという意味で「グリーンラッシュ」という動きがあります。
グリーンラッシュはTHCも含む大麻全体を指しますが、この流れの中でCBDという成分にも注目が集まり始めました。2018年からCBD入りの薬や飲料の製造販売が許可され、現在のCBDブームが起きています。
Frontier Financial Groupの調査によると、2022年にはアメリカ国内だけで24兆円ほどの市場規模になると予測され、今後も右肩上がりで成長していく市場といえるでしょう。
また、アメリカの18%の人は CBD関連のプロダクトを使ったことがあるという調査結果もあり、ユーザー分布を見ると18歳~44歳の10%が使用しています。このことから、仕事の不安や日常のストレスを感じやすいミレニアル世代が多く使っていることが分かります。
ユーザーアンケートではCBDの使用目的として、
①精神的リラックス
②睡眠の質向上
➂身体の痛み改善
という三大効果を求めて使われていることが分かります。
現在、オイル、サプリ、ドリンク、グミやナッツといったお菓子、化粧品、筋肉痛をケアするクリーム、入浴剤など、摂取方法に応じてさまざまなプロダクトが販売されています。
次回はCBDラバーの3. CBDラバーのセグメント、4. 生活者変化行動仮説「ムード・エンハンス行動」ついてご紹介します!お楽しみに!
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