
トライブ紹介 アバタラー【2/2】
前回に引き続きアバタラーついて、インタビューからわかる4. アバタラーたちの価値観についてご紹介します!
4. アバタラーたちの価値観
今回の調査では、コンテストランカーの方々にのみインタビューをおこないました。
インタビュー対象者は、30代~50代の主婦で、基本的にとあるアバターサービスの着せ替えのヘビーユーザーであり、かなりの課金をしている人たちです。
たとえば、ある対象者は、仕事をしながら空いている時間でアバターのコーデに時間をかけて作りこんでいるといい、ほかのほとんどの対象者も、毎日1時間~3時間アバターサービスに時間を費やしているということが分かりました。
また別の対象者で、専業主婦で7年ほどサービスを継続している方は、着せ替えを何パターンも所有し、テーマに合わせて毎日コンテストに出すことが日々のルーティンとなっているとのことです。
アバターの着せ替えには、月数十万課金しているという方もいれば、これまでの合計で数百万課金しているという方も存在しました。
インタビューして見えてきた彼女たちの特徴は、アバターはもう一人の自分というより、人形やペットという感覚に近く、着せ替えをおこなうことはある種、絵画やアートを作る感覚に近いということです。
一方、近年登場したゼペットは、自分自身とニアリーイコールなアバターを作り、自分の分身のような感覚で使用しているユーザーが多いという違いがあります。自分は映り込めない、または映り込みたくないような写真の中にゼペットを入れ、Instagramに投稿する若者が増えています。
また、興味深かったのは「毎日義務感のようにコーデをおこなっている」という対象者の発言です。われわれはこの発言から、専業主婦の方は外で働く人よりタスクが少なく、子供も成長してしまって空き時間が多いため、自発的にタスクを生み出しているのではないかと分析しました。
人はタスクがない生活を送ると社会性を失い、健全な生活から遠のいてしまうため、社会に対して何かを発信するというタスクを自ら生み出し、自らタスクを処理することで1日の満足度を得ていると考えることができます。
このように、少し拡大的なものの見方をすると、今後AIやさまざまな技術の発達により、人間のタスク量が減るといわれていますが、人びとはタスクのない生活を送ることはできないということを示しているのではないでしょうか。
また、さらに解釈を加えると、人は空いた時間にクリエイティブな活動をする、つまりタスクが減っていくと人はクリエイティブなタスクを自己生成するということを示している可能性もあります。
また、女子高生にも共通していますが、現実世界よりオンラインでのセンスのほうがより重要になってくるというトレンドがあります。
スノウガールや共感ラバーでも見られたトレンドですが、現実世界の自分以上にInstagramなどのオンライン上の自分のほうが見られる機会が各段に多く、アバターも自分の作ったコーディネートがオンライン上で多くの人の目に止まります。
仮に1日どこにも外出しない人にとっては、現実世界で知り合いに会うのは家族だけ、もしかすると誰にも会わない可能性すらありますが、バーチャル世界では何百人にコーディネートを見られ、「いいね」や得点がつくのです。こうなってくると、もはや現実世界で自分のセンスを磨くより、SNSやオンライン上のアバターを磨こうという価値観や行動は、今後ますます顕著になっていくのではないでしょうか。
今回はアバタラーについてご紹介しました!
いかがでしたでしょうか?お仕事のヒントになるアイデアは見つかりましたか?
SEEDER詳細や新規事業開発のご相談はこちらよりご連絡ください!