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トライブ紹介 ミックスチャネラー【1/2】

私たちSEEDERは今後増えていくであろう考え方や行動を示している先進的な消費者グループ=「トライブ」を独自のリサーチによって発見、定義し、調査した結果をレポートにまとめています。トライブレポートの詳細については、まずはこちらの記事をどうぞ!

トライブ・リサーチから得られた知見を通じて、推進される企業のイノベーション活動を「トライブ・ドリブン・イノベーション」または「トライブ・マーケティング」と総称し、コンサルティング、支援を行っています。

今回はミックスチャネラーをご紹介します。


1. ミックスチャンネルとハイティーンの自己表現

コンテンツ系の新規事業・新サービスに求められるのは真似を誘発するアフォーダンス

近年、インターネット上の動画コンテンツ消費には新たなイノベーションが生まれています。その中でもミックスチャンネルは、10代後半のハイティーンを中心に支持された短時間の動画共有サイトであり、ユーザー数は中高生を中心に累計ユーザー1000万人(20018年公式発表より)を超えます。

SEEDERではミックスチャンネルを利用しているヘビーユーザーを切り口に、コンテンツ消費やハイティーンの自己表現行動の潮流を探る調査を行い、コンテンツ系の新規事業や新商品、新サービス開発への示唆を得ることができました。

ミックスチャネラーは、SEEDERがまだ私と藤井くんの二人の頃の記念すべきトライブレポート第一号ですが、ミックスチャンネルを調べることにしたきっかけは「トライブレポートのリリースに使えて色々な会社から声をかけてもらえるようなテーマは何だろう?」と考えた時に、やはりティーンについて調べるべきだと思ったからです。

企業で仕事をしていると、目まぐるしく変化していくハイティーンの考えはどんどん分からなくなるので、まずは先にここを抑えようということになり、ティーンの中でも女子高生に流行っていたミックスチャンネルを選びました。

2. 消費者行動研究と生活者発想の考察

トライブの考え方の中で、まず重要なのが「ミックスチャネラー」というこのトライブ名で、「ミックスチャネラー」はいちばん正攻法なトライブの命名法です。ミックスチャンネルを使用している人(er)ということでミックスチャネラーですが、この名前の付け方には私の消費者行動研究への思いが含まれています。

そもそも、1980年代に博報堂は生活者発想というフィロソフィーを提唱しました。これから述べることは博報堂の公式見解ではなく私見ですが、当時マーケティングは「消費者発想」で行われていました。結局、物を買う瞬間や物を買う直前直後しか見ていないことが問題視され始めていたように思います。それでは、本当の意味での消費者理解ができないのではないか、この消費者たちの周りにはもっと生活があるはずだと言われ始めました。つまり、生活者発想は、消費者発想に対するアンチテーゼから始まったのではないかと思っています。

モノ買ってない瞬間をふくめて、消費者を生活全体で観ることが、本当の意味での消費者理解になるのではないかということで提唱されたのが生活者発想というフィロソフィーであると、少なくとも私はその考えに共感し博報堂に入りたいと思いました。

最も、現在の消費者行動論もほぼ生活者発想と同じような考え方をしており、例えば米国の消費者行動系の代表的なテキストであるソロモンの『消費者行動論』でも「Consumer Behavior: Buying, Having, and Being」とサブタイトルがつけられています。

しかし、ここであえて批判的に生活者発想をみていくと、今度は「消費しているシーンから離れたことばかり見るようになってしまった」という問題意識が私の中に生まれました。つまり、何かを買うということとはあまりにも離れた部分を生活者発想はみているのではないか、Having and Beingに寄りすぎているのでは無いかと感じたのです。

そのため、私は本心では生活者発想という言葉をあまり使いたくありません。もともと私は消費者行動の研究が専門であり、あくまで知りたいのは人間の消費です。消費に関係する部分で生活をみることは賛成ですが、あまりにも消費と関係ない普通の生活の部分はもはや社会学の領域で、そこには共感できませんでした。

そこで、やはり消費という部分から離れずに生活者をみていきたかったので、トライブ名は「なにかを消費していることを端的に表したい」と思い、先進的な消費者が使っているサービスやもの、そこから生まれる消費体験をトライブの名前にしようと「ミックスチャネラー」というサービス名そのものをトライブ名に利用させてもらっています。


次回はミックスチャネラーの3. 動画コンテンツにおける作り手意識の重要性、4. 真似を誘発するコンテンツデザインのビジネスチャンスについてご紹介します!お楽しみに!

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