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恨みに報いるに恨みをもってすれば永遠に恨みの尽きることはない

「恨みに報いるに恨みをもってすれば永遠に恨みの尽きることはない」。
最近、大愚和尚の動画で、ある日突然浮気した夫に離婚を突きつけられ、慰謝料や財産分与の話し合いもしないまま、離婚した女性が、しばらくして元夫が再婚し、分譲マンションを購入したことを知ってモヤモヤする、という相談に対して送った言葉。
元夫は離婚直後に携帯電話も買い替え、SNSもブロックしたという。
将来の相続を懸念しての事だろうか、自分の子供たちにも親子の縁を切ると言ったという。
妊娠が分かった後、養育費も払わないまま逃げた相手と重なるところがあって動画の最後まで視聴した。
大愚和尚のアドバイスでは、「恨み」とは自分のプライドを踏み躙られたという怒りだという。
自分が大事にされなかった、という失望感が、怒りに変わったものだと。
私も最初にこの話を聞いた時は、「そんなこと言ったって、慰謝料を払うとか(相談者の子供は成人)、財産分与をしてからというのが筋だろうに」と思った。
大愚和尚ご自身も、動画の視聴者の女性から大バッシングを受けるだろうと仰っていた。
そこで冒頭の言葉につながるのだが、「恨み」を続けるには相当なエネルギーを消耗するし、心身の不調をもたらす。
大愚和尚は、相談者に「恨みのエネルギーを持ち続けるのは自らに矢を放ち続けるようなもの」とし、「自分を痛めつけるような事を続ける相談者が心配」という。
私も最近になって健康に不安を感じるようになるまでは、「怒り」がむしろ頑張るエネルギー源になっていたので、相談者寄りの考えだった。 
この相談者は、元夫の動向を知る人物と接点があり、時間と費用をかければ元夫を追い詰めることはできるのだろう。
しかし、ただでさえ日々不調にあえぐアラフィフにとっては、怒りのエネルギーを搾り出すのもなかなかしんどい作業なのだ。
そのうち私は何のために誰と戦っているのかわからなくなってきた。敵が眼前に居るならまだしも、相手はとうに逃げ出してしまっている。
他人から取れるだけ取って逃亡したり、他人の労力を吸い取るエナジーバンパイヤのような相手が、慰謝料や養育費など払うだろうか。
そのようなく相手は実際のところいくら恨まれようと気にしていないのではないか。
こちらは傷つけられたと思っても、相手がターゲットを他の人に変えただけなんじゃないか。
失った財産は小さくはないけれど、元気で働いてさえいれば、自分のことに目を向ける時間と余力はある。
ならば、働ける元気な身体を作ることから始めればいいのではないか。
自分のために。


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