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【文系エンジニアが解説#2】 未経験からSEを目指す上で知っておくべきこと

こんばんは。りゃう です。

こちらは前回の記事【文系エンジニアが解説#1】の続きとなります。
まだ見ていない方は先にこちらを見ていただけると嬉しいです!

さて、前回は「システムエンジニアとしての働き方について」というタイトルで話をしました。SEとして働く上で理解しておくべきこと、実際はコードばっかり書く仕事ではないよ〜ということなど、少しはイメージを掴めていただけたのではないかなと思っています。

ある程度SEとしての働き方のイメージを掴めたところで、
よくあるSEの就業形態「SES」についてリアルな話をしていきたいと思います。

SEの就業形態 - SES企業のリアル -

そもそも「SES」とは何なのか

まず「SES企業」とはなんぞや?
という方に向けてChatGPT先生より解説をしていただきます。

SES(システムエンジニアリングサービス)企業は、エンジニアを他の企業へ派遣し、開発・運用保守などのIT業務を提供する会社のことを指します。主な特徴は、エンジニアの労働力を時間単位で提供する「準委任契約」や「派遣契約」の形式で成り立っており、成果物ではなく作業時間やスキルに対して報酬が支払われる点です。

SES企業は顧客企業のニーズに応じてエンジニアを派遣し、技術提供や人員補充の形でサポートするため、エンジニアの経験やスキルの向上が企業の成長に直結するビジネスモデルとなっています。

出典:ChatGPT

「プロジェクトが逼迫していて追加のエンジニアが欲しい!」
「でも自社ですぐに動けそうな人がいない…」
「エンジニアを派遣してもらって補填しよう!」

このエンジニアを派遣する側の企業を「SES企業」と呼ぶわけです。
実際に私もこの「SES企業」に新卒で入社し、現在2年目のエンジニアをしています。
巷では「SES企業 やばい」なんて話をよく聞きますし、私自身としてもそんなイメージを持っています。業界研究もろくにせず企業を選んでしまった挙句、そのやばいと噂される企業に属してしまっています…
とはいえ、現状まだ私自身はその「やばさ」にぶち当たったことはありません。

なぜSES企業はやばいと言われるのか

ごもっともな質問です。ここまでの話では「やばさ」の欠片も感じていない方が多いのではないでしょうか。

ではここでその業態の本性をあらわにしましょう。
「やばい」と言われる所以は以下の5つにあると思っています。

①エンジニアの雇用の不安定性
SESは顧客先にエンジニアを派遣して業務を行うモデルで、案件がなくなると待機(スタンバイ)状態が発生します。この場合、収入が減る、あるいは解雇のリスクが高まることがあり、雇用の安定性が課題となります。

②スキル成長に限界がある場合がある
SESのエンジニアは顧客の指示通りに作業するケースが多く、自らプロジェクトをリードしたりスキルアップにつながる業務を任されにくいことがあります。そのため、キャリア形成に支障が出ることがあるとされています。

③ブラック労働環境のリスク
SESでは、契約先によっては長時間労働や低賃金の環境に置かれることもあり、過酷な労働条件が問題となる場合があります。これには「残業が多いが、その分の対価が支払われない」「指示通りに従うだけで裁量が少ない」といった要素も含まれます。

④中間搾取の構造
SESは「多重下請け構造」が発生しやすく、途中で複数の企業が関わることでエンジニアの報酬が圧縮される傾向があります。実際に働くエンジニアの報酬が減り、SES企業が報酬の一部を差し引く形で利益を上げるため、エンジニアの待遇が低くなる要因となっています。

⑤顧客先での評価に依存
SESでは顧客企業からの評価が業務継続や報酬に直結するため、成果を出せないと契約が終了されるリスクもあります。そのため、顧客の期待に応えられない場合に、不安定な立場に置かれることがあります。

自身の体験談と照らし合わせて「リアル」を体感

一つずつ私の体験談と照らし合わせて見てい来たいと思います。
※あくまで私の属している会社での話がベースとなりますのであしからず

①エンジニアの雇用の不安定性

これに関しては私は経験したことがないです。基本的に、現在勤めている派遣先の契約が終了となる場合、1ヶ月ほど前にその旨が宣告されます。その後、営業の方と連携して次の案件にアサインするための面談や客先顔合わせを着々と実施していきます。
タイミングやスキル次第では1ヶ月以内に決まらず待機(スタンバイ)状態になることもあり得ますが、基本給分はその期間でもしっかりともらえますし、その翌月には新しい案件にアサインできていることが多いです。

別会社のSES企業にお勤めの方から聞いた話ですが…何ヶ月も案件が決まらずスタンバイだった方がいたらしく、その方はクビではないですが実質解雇になったようです。当たり前を当たり前にこなしていればそんなことは起こらないはずなので特異な例と思っていただいて大丈夫です。

まとめると、私の周りではずっとスタンバイで解雇…なんてことは起こったことがないので重く受け止める必要も、ましてや気にする必要もないと思います。


②スキル成長に限界がある場合がある

これに関しては私も一部賛同が出来る内容です。
「顧客の指示通り」というのがミソで、自分がやりたい業務を希望してもさせてもらえないことの方が多いです。
正直な話、顧客からすると同じ会社でもない私たちSESエンジニアのスキル成長など心底どうでも良いのです。プロジェクトを円滑に進めるために適材適所を常に行う必要があるので、顧客からの信頼を得ているか圧倒的な技術力がある場合を除いて思い通りの作業は出来ないと考えて良いでしょう。

また、参画するタイミングによっても大きく変わります。
前回の記事で少し触れましたが、俗に言う「テスター」は我々エンジニアが求めている ”プログラミングスキル” というのはほとんど身につきません。
コードを書くフェーズも終わってテスト工程に入ると人手が必要になります。
そのタイミングでアサインされてしまうと、最悪の場合、単調なEXCEL操作とスクリーンショット作業でロボット化してしまいます。
「単純作業で基本給がもらえるからいいや」と考える方であれば問題はないと思いますが、技術力向上に貪欲な我々駆け出しエンジニアには「成長の限界」という試練となって立ちはだかってきます。

その試練を乗り越えるために私が意識していることは、「チームにおぼれない」ことです。
常に「自分はプロジェクトを先導する重要人の一人だ」と考えることで自然と顧客からの信頼を勝ち取り、ある程度融通が効くようになります。
最初は技術力がないことからの不安や劣等感が拭えないと思いますが、裏でしっかりコソ勉していれば自信が沸々と湧いてくるはずです。(私はそのタイプです。)

まとめに入りますが、実際にスキル成長に限界はあると思っておいた方が良いでしょう。
参画するタイミングや技術力によって作業内容が変わるので、「コード書きたいのに…」と思ってもEXCELポチポチニキと化してしまう可能性も全然あります。
そうならないためにもコソ勉をして技術力と自信を磨きつつ、顧客の信頼を勝ち取っていくことが重要ではないかと私は思います。


③ブラック労働環境のリスク

これについて、私個人は体験したことがありません。
ただし人によっては月残業70時間超えてたり…何なら残業付けていない人もいたりします。
また、「残業に対して対価が支払われない」ことに関しては、聞いたことがないです。(ひと昔前は普通にあったのかな?)
顧客の勤怠ツールやアプリへの勤怠時間入力と自社への勤怠時間報告を行わなければならず、申請した残業時間の整合性が取れなければ差し戻しされるので、基本的に残業はフル申請&フル支給の認識です。
(私の企業ではそうであっても、他のSES企業様は分かりません…ごめんなさい)

残業関連以外に「ブラック」だと感じる箇所は「人間関係」が思い付きます。
プロジェクトによっては派遣エンジニアを下に見る顧客も一定数いるそうで、その顧客から訳も分からず強く叱られたり、無下に扱われたりされるケースもあり、ノイローゼや鬱病、休職へと追い込まれるエンジニアも少なくはないです。
私と同期で入社したエンジニアのうち2人は、この「人間関係」が原因で退職してしまいました。
元々対人関係が苦手でこの業界を選択した方もいらっしゃるはずなので、自身の身を守るためにも、少しでも人間関係に違和感を覚えたら営業や自社の偉い人に相談するべきだと思います。
私の同期の子が退職した時も、営業の方が「辞める前に相談してくれれば何とか出来たかもしれないのに…」と悔やんでおられました。
何かあれば誰でも良いから即相談!

ということでまとめると、残業に関しては「ブラック」と感じることは私個人としてはありません。ただし、「人間関係」においては私の周辺でも実際に起こっている通り、プロジェクトによっては「ブラック」となり得る要素だと思います。
自身の身を守るためも、何かあれば絶対に誰でも良いのでまずは相談しましょう。


④中間搾取の構造

中間搾取については、ただの会社員である私は意識したことはありません。
確かに基本給が低い、昇給が少ない、といった問題はあるかもしれませんが
与えられた裁量に対する報酬としては見合っているのではないのかなと思います。

また、派遣契約であるSESエンジニアには「単価」というものがあります。
自身の技量や派遣先での活躍度合いに応じて、「単価」は上がります。この額に応じて、頂けるお給料の額が決まる会社も存在します。
スキルの求められないプロジェクトでは「単価」が低くなってしまうため、自社の査定評価や賞与にも影響してくる場合があります。
多重下請け構造の末端企業ほど「ブラック」と呼ばれる傾向にあり、どのレイヤーにその企業が位置しているのか、入社前に確認すべきことの一つだと思います。

まとめると、安定した給料や昇給を求める場合はレイヤーが上の企業に入社することをお勧めします。2年目エンジニアの私は「中間搾取」がすごいな...と思うことはありませんが、年次が上がるごとに不安・不満が上がるのかもしれません。


⑤顧客先での評価に依存

これは私個人が最も共感出来る項目です。
「評価」に関しては、所属するSES企業にもよると思いますが、基本的には客先での活躍度合いが大きく影響しています。
当然のことなのですが、営業や人事が現場での働きを直接は見ていないのでどうしても客先からの評価が自身の査定に大きく影響を与えます。
同じプロジェクトに自社の先輩や上司がいる場合は、その方からの評価も査定には多少影響します。
なので、日々客先プロジェクトに全力コミットしていればそれなりに評価をいただけます。未経験の私でも、一年目にいただいたのは「最高評価」でした。
ありがたいことに、顧客の中にも見てくださっている方はいらっしゃいますのでフルコミットする価値はあると思います。…ただ、それをしっかりと「評価」として反映してくれるのは所属している会社次第ですが…

また、客先での業務にて適当な働き方をしていたり、無断で遅刻・欠勤をしすぎると、当然ですが、契約はすぐに打ち切られます。
それが続くと新たにプロジェクトに参画するのが難しくなっていき、営業からは「お荷物」のように扱われてしまいます。もちろん、当たり前に毎日業務をこなしていればそうなることはありませんので安心してください。

「顧客先での評価に依存」というのは、SESとして働く上では仕方のないことだと思って割り切りましょう。自社で円満な関係を構築することも大切ですが、客先でのメンバーと良好な関係を築くことが評価アップへと近道だと思います。
プロジェクトが変わるごとに新たな人々と関係を築いていかなければならないので、決してコミュニケーションが必要ないわけではないのです。
ただ、顧客から一定の評価を得続ければ、そのプロジェクトに長く居座ることも可能ですので(私の先輩に7年同じ客先で働き続けている人もいるくらいです)、役目をしっかり果たすことに加え良好な関係を構築することはとても大事だと言えます。
意外にも技術力・対人力と大変ですが、自信さえあれば何とかなります!
上でも話しましたが、コソ勉を頑張りましょう笑


まとめ

今回はSES企業のリアルについて話をしました。
色々言われている業態ですが、良いところと悪いところをしっかりと整理して自身の性格や理想と合致しているかをしっかりと考えてから企業選びをすることはとても大事です。
私個人としては、色々な経験もさせていただける環境に身を置けているので、正直不満はありません。ただ、将来性を考えるとこのままSES企業で働き続けるのは私の性分とは合わないな…と最近は感じてきています。
この内容を見て、「SESも案外悪くないんだな」と思われた方は一度SES企業に入ってみて、その後のキャリアプランを練るのも全然ありなのではないかと思います。
最後になりますが、SES企業を選ぶ際はOpenWorkなどの社員口コミを参考にしてリアルな実態を調べることを強くお勧めします。
私でよければ何でも相談に乗りますので、気軽にご相談ください!!!

最後になりますが、
ここまで長々とお付き合いいただきありがとうございました。
今後もこのような感じでリアルをお伝えしていきます。
もしも何か聞きたいことがあって、私が答えれそうな事柄であれば包み隠さず全てお答えするつもりですので、何でもお伝えください!

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