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四国八十八ケ所 約1200km通し歩き①なんとか歩いてきたでー!

  「四国八十八ケ所お遍路で、約1200km歩いてきたよー」と友人に言ってみたら、「ええええーっ1200km?!」と、大変驚かれて逆に私が驚いた。

 「富士山登ってきた!」と言って、「ええーっマジッ!」と驚かれる事があるのだろうか?

 日本人に生まれたからには、一度くらい富士山に登りたいよね!という話はよく聞く。

 私にとって、四国の歩き遍路というのは、それ(富士登山)と同じ。日本人の誰もが一生のうち一度はやってみたい事なのだと信じていた。

 そして昨今、四国のお遍路が、外国人に人気殺到して混雑している、との情報を得て(どこからの情報かは覚えてないが)今行かないと、大混雑の京都鎌倉みたくなっちゃうんじゃないの?と焦り、さらに2024年4月から、納経(帳面に寺の名前を筆で書いてくれて判子を押してもらえるスタンプラリーみたいな奴、ってこの説明でいいのか?)料金が、300円から500円に値上げするとの情報を得て、今すぐ行かないと、大混雑の中、高い料金払うなんて損なんじゃ?という焦燥感にかられ、さらに来月末にANAマイルが切れるので使わないといかん!と、四国行きを決断。

 で、実際行って約1200km歩いて無事帰ってきての感想は、日本人皆四国へ行くべし、だった。

 第一のおススメポイントは、外国人と話さざるおえない状況になる事がある点だ。

 グローバル化が進み、会社でTOEIC受けなくちゃいけなくて、英語英語と言われつつも、じゃあ、どこで英語を使うの?と言われれば、会社の国際部にいる人なのか、貿易関係者なのか、そんな機会がなかったワタクシとしては、英語を話すヒトには一生なれないと完全にあきらめていたのだが、四国遍路旅3日目に、なぜかロシア人と二人きりで8時間一緒に歩く事になってしまったのだ。

 四国お遍路のイメージとして、何となく道に何人もの歩き遍路の人々が道に列をなしている、というのがあったのだが、実際に来てみると、誰も歩いておらず、「ずっと一人で誰もいない道を歩いています」という状況がしばしばある。

 それはそれでそんなものと思えたのだが、ロシア人(男性、推定40歳前後、身長190cm以上)と二人きりで何時間も歩くという状況は想定外だった。

 ロシア語?何かロシア語を口にして、相手を喜ばせたい気持ちが高まり

 「マトリョーシカ!!」と叫んでみた。

 すると(以下は、何とか聞き取って話した、つたない英語での会話となります)「あー。あのね。今時マトリョーシカを飾ってる家なんかロシアに無いから。」(ふー、いるんだよね、そういう時代錯誤な奴が世界には。いい迷惑だよな)感満載な返事を得る。

 あ、なるほど。「ゲイシャ、サムライ、フジヤマ、マトリョーシカ!」なのね?と反省。

 「何で日本に来たの?」と聞くと

 「日本が好きだから」と、まーそうだろうけど、と思う返答あり。

 「アニメが好きなの?」と聞くと、物凄いスピードで「old!!」と叫ばれ、思わず大笑い。

 Old?古いってこと?年寄りってこと?

 「僕の叔父は、僕が遊びに行くと、いつも日本のアニメを見てたけど、僕は、もっと日本全体のカルチャーとかテクノロジーとかアートとか、そういうのが全部好きなんだよねー」との事。

 「日本のテクノロジーの何が好きなの?」と聞くと回答に悩んでいる模様。

 「車とかー…」と言いつつ何か悩んでいる。

 「私わかった!トイレが自動で開いて閉じる!これこそ日本最高の技術でしょ!?」

 何だかこんな他愛もない話を、外国の人と笑いながらしつつ、何時間も一緒に歩くのが面白いなんて、考えた事もなかった。

 そこかしこで、うぐいすが鳴いていて「この鳴き声を日本語で言うと、“ホーホケキョ!ホーッ、ホケキョ、ケキョケキョ!って言うの。鶏は日本語で、コケッコッコー!なの。コッカデューデュルデューじゃないのよー」と、もう声帯模写とジェスチャーゲームに頼るしかない。

 島国日本にいて、他国の人と日常生活(歩いているだけだけど)の中で知り合い、お互い何とか意思疎通を図ろうと努力をして、何がしか、分かり合ったような気がする交流が出来る場所。それが四国なのだ。

 私は声を大にして言いたい。

 “日本人よ!四国へ行くべし。いつ?今でしょ?!”

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