最上三十三観音巡り 願掛けって何だっけ?①

 最上三十三観音 14年ぶりご開帳 通し歩き旅2022年 ①

 「最上三十三観音巡った?それやると、何があるんですか?」

 最上三十三観音巡り終えて、喜びに打ち震えつつ立ち寄った温泉街の角打ち(酒屋さんの店先で飲める場所)にて、つい漏らしてしまった結願(すべての霊場を廻り終えたこと))の報告に対し、たまたま飲んでいて話をしていた方より、すかさず戻ってきた質問に驚く。

 何がある?考えたことが無かった私は、即座に「何もありませんけど面白いです」と回答。

 最近の人(推定40歳、独身男性、温泉好き、これ最近の人なのか?)は、何かが無いと何もやらなくなっているのか?

 確かにこの方は、温泉が好きで、毎年ここに来ていると言っていた。

 彼に対する正しい回答は、「私観音が好きで毎年ここに廻りに来ているんですよ」だったか?

 そういえば、四国のお遍路をしている方の中には、つらい経験等をして観音様に祈りに来ている方々がたくさんいると聞いた事がある。こんなにウキウキ観音巡りしていて良かったのだろうか、と自分の行動に疑問も生じてくる。

 そういえば…。「この狛犬の頭を撫でてね!」と書いてあって、ナデナデしていると隣に「狛犬の頭を撫でながら、願い事を三回唱えると叶います!」と書いてあって、えええーっ!と必死に願いごとって何だっけ?何だっけ?と考えて、とっさに浮かんだのが「大ゴミを捨てなきゃ」だった。「大ごみ捨てたかったよな?そうそう大ごみ、そろそろ捨てなきゃ」と、気が付くと三回唱えてしまっていた。

 しまった!せっかくの願いを叶えてくれる狛犬に対し、正しい願掛けが出来たのか?果たして大ごみを捨てる事は、狛犬に頼むべき願だったのか?またこのような時、速やかに流れるように願掛けを三回唱えられる人って、常日頃から願掛けをしている人なのか?例えば自己啓発系の人で、叶えたい願いを100個書いた手帳を常に持参していて、流れ星が流れたのを見た時ににすかさず「次回のプレゼンで〇村活性化計画の受注が出来ますように!」と、滑らかに三回願えられる人が多いのか?

 はあはあはあ。そうなんですか?と、誰に聞いたら良いのかわからず、その角打ち場所を後にしたのでした。

 今度またいつ狛犬の頭を撫でながら願掛けしなくてはならない時が来るかもしれないので、自分の願を手帳に書いておこう、と思いつつ、やはりまずは大ゴミを捨てないと、と心に誓いつつ、「大ゴミ処理は狛犬が叶えてくれるはずなので、違う願いをしないと損なんじゃ?」と気づいた秋の夜長でした。

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