善光寺歩き参り(日本橋~中山道~北国街道~善光寺)①お得が出来ない旅(怒!)
善光寺歩き参り①お得が出来ない旅(怒!)
なぜ善光寺まで歩く(日本橋~中山道~北国街道~善光寺)事にしたのか?
それはもちろん、コロナ一過後の県民割(グループ県民割)でお得をするため。5000円の宿に泊まると、2500円割引とクーポン2000円もらえてしまい、実質負担額500円?泊まらにゃ損損だったが、実は私は神奈川県民なので、長野県(善光寺所在地)の県民割は使えない。
なのにー、なーぜー、君はーゆくーのーかー、損をーしてーまでー。
だって、7年に一度のご開帳のお参りに、善光寺まで歩いて行くなんて、カッコいいじゃないですか!?しかも、県民割対象で無く、お得も出来無いのに。
「ふふふ、県民割?かっこわるーい。行きたいところに行く!これが大人の女」
用意周到に言い訳を準備し、日本橋~長野県の手前までの県民割お得ゾーンに11泊。善光寺までの長野県民割引なし得なしゾーンは3泊で全力で歩ききる計画を綿密に立てる。
完璧だった。途中、高崎から中山道を逸脱し、伊香保温泉に2泊して県民割とクーポンをゲットしつつ、のーんびり過ごして歩かない予定なのは、秘密にしておく。
そのために、高崎の先の宿場町で、日本橋から何日目ですか?と聞かれたら、実際の宿泊数から3泊を引いて「8日目ですー♪」などと答えられるように、何度か実際に口にして予行演習を繰り返してみる。
よし!ばっちりだ。
まずは日本橋から歩き始め、埼玉の宿にチェックイン。だが、普通にチェックイン手続きされ黙って部屋の鍵を渡されるのみ。
「あれ?ワクチンの接種証明も必要ですよね?何でしたっけ?何かクーポン?頂けるとか?聞いたような気がするんですけど」
恐る恐る尋ねてみると、何やらディスプレイを覗き込んだ後、「このプランは、県民割対象外です。」との事。
「へっ?対象外のプランと対象のプランがあるって事ですか?」
「はい。たくさんプランがあるので、間違えられたんですね!」とにっこりと微笑むフロント女子。
(ちょっと待て。何言ってんの?そんなの聞いてねえよ!は?え?お得ができない?じゃあ、こんな旅行しなかったもん、なんで?え?なんでなのー?)
大いに動揺しながら、何とか県民割の対象にしてもらえないか、粘ってみる。
「すっごく楽しみにしてたんです!県民割プランに申し込んだつもりだったんです!えー?どうすればいいんだろ…。えー?えー?えー?」もう本気で狼狽しつつ、キャンセルして予約取り直す?と模索していると、
「キャンセル料100%なんで、このまま泊まられた方が良いと思いますよ!」と微笑むフロント女子。何で分かったのか、私の心が!
「だって、だって、県民割があるからこそ、今回の旅行をしようと思ったんです!なのになぜ?こんなことに?」更に粘る、ある子。
「また来ればいいじゃないですか!県民割の期間も延長するみたいですし♪」とずっと同じ笑顔のままで言うフロント女子。
(何をぉー!?この悔しさ!このやるせなさ!また来いと?はっ?何言っちゃってんのこのフロント女子?)
ある子の目には怒りのあまり狂気が宿っていた(ような気がする…)
「こちらのアメニティーからお好きなものを2点どうぞ!」と、全く動じず笑顔のままのフロント女子の差し出す箱を見ると、なんと“足ピタ冷却シート”が!
確かに今大変足が痛い。これを、ふくらはぎに貼ったら、さぞかし気持ちよかろう。
そう思ったとたん心の中のお得クーポンへの拘りがほどけていった(ような気がする)。
14日間の予定の旅の初日にお得が出来なかったからといって、全部キャンセルして帰りお得する権利を放棄するのは愚か者の仕業だ。
初日にお得出来なかったため、悔しさで奥歯をギリギリと噛み締めながらも(拘ってます、まだ拘ってます)、ここは大人になって、彼女を許そう!と決めた。(許せなかったのか?また本件は彼女のせいだったのか?)
そして、かっこいい大人の女になるのは、11日後、お得じゃない長野に泊まるある子に譲る事にした。