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四国八十八ケ所 約1200km通し歩き⑦『入らないで』と張り紙があったらどうする?6日目

今日は楽勝だ!

本日の行程、18番~19番札所~宿までは、遍路転がしが無いし、高低差もほとんどなく、軽い気持ちで歩き始める。しかし…。

 まず最初に躓いたのは、18番札所の山を下りた所にあった牛小屋の前の張り紙だった。

 “こっちに来ちゃいかん!入らないで!”的な内容(すいません、はっきり覚えてません)だったので「すいません、すいません、ごめんなさい!」と先に謝って、張り紙を油断させつつ、牛のそばに近寄らないよう気を付けながら、19番札所への道を探すが無い。

そんな馬鹿な?どこに行った?遍路道?

こうなると方策は二つ。

一つ、Googlemap先生に従い、戻って大回りして車道を進む。二つ、あの危険な張り紙を無視して牛小屋の周辺を捜索してみる。か?

地図が読めず、決断もできない女(私)は、車道の方に歩きかけては戻り、牛小屋の方に進みかけては戻り、と時間ばかり過ぎてゆく。

くそー、これは、もう牛方面しかない!

意を決して牛に近づいてゆくと、あっさり道が見つかった。要するに、牛舎に近づかなければ良いだけだったのだ。

が…。お遍路ルート沿いに住んでいる方々は、毎日毎日、知らない人たちが次々と自分の家の周りをウロついており、中には失礼な人もいるだろうし、びっくりするような非常識な事をする人もいるかもしれない。

つまり『こういう張り紙が出ているという事は、お遍路さんが誤って迷い込みやすい場所なので慎重に行動をしなければならない』という事だ!と、はたと気づく。

この閃き、もしかして私、お遍路のステージが一つあがってしまったか!

次に竹藪道に遭遇。竹が激しく倒れまくっており幻想的な雰囲気に興味を惹かれる。が、気が付くと、竹藪の中を藪漕ぎしているような状況となり、さすがにこれは違うと判断し引き返す。なぜこんな所で迷子に?

次に出てきたのが、赤い矢印と“真念ルート”(だっけかな?自信無し)という表示だ。

これ、こっちへ行けって事だよね?でも、私の地図には書いてない気がする。

車道を行けば安全だが、せっかくお遍路に来たからには、なるべく旧道を歩きたい私は、迷わず矢印に従って歩き出す。

 本日の宿、“ふれあいの里さかもと”は、道の駅まで車で迎えに来てもらえるので、徐々に体力が削られてきたが、まだ大丈夫!

 車の通らない旧遍路道をのんびり歩いていると、道沿いの住宅から人が出てきて、お茶しましょう!と声を掛けられる。

 「ありがとうございます!私、道の駅に16時頃までに着いて、宿の人に迎えに来てもらう予定なんですが」と言うと

 「道の駅?あー、それなら30分くらいで行けるよ。寄って行きなさい!」と、コーヒーとお菓子を出してくださる。

 初めてのお接待?わー何だか嬉しい♪とお話しているとたちまち15時半になり、お別れを告げて、道の駅に向かって歩き始める。

 すると、晴れていたのに、たちまち黒雲が立ち込め、バラバラと激しくアラレが降り始める。

急いでカッパを着こんで歩き続けると、暴風雨に変わり、前が見えない。

気づくと遍路の矢印なんてどこにも無く、もう30分くらい必死に歩いているのに、ずーっと畑の中だ。

Google先生!とマップを開くと、道の駅は、ここから4kmくらい先だった。

あと一時間も!?30分で道の駅に着くんじゃなかったの?(涙)

外の気温計は、3月なのに4℃だと!寒くて手の指が痛くて痛くて(泣)。

本当は、今日は楽勝の日だったはずなのに、なぜこんなにも疲労困憊している?

そして明日は、恐ろしい遍路転がし、20番鶴林寺、21番太龍寺を乗り越え、22番平等寺を目指す大変な難行程だ。

こんなはずじゃ無かった、無かったのよーっ!不安で泣きたい気持ちで一杯だった。

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