
韓国軍、UAEと大規模共同訓練を開始 戦略的パートナーシップ強化と武器輸出拡大
韓国陸軍は3日、京畿道楊州市の第8機動師団の施設で、UAE(アラブ首長国連邦)との共同訓練に向けた出征式を行った。訓練は2月10日から20日まで、UAEのアルハムラ訓練場とアブダビ近海で実施される。式典では、韓国政府が推進する武器輸出について、「K武器体系」の圧倒的な機動力と火力を灼熱の砂漠で実証すると決意が示された。4日、韓国軍機関紙「国防日報」が伝えた。
訓練部隊は第8機動師団を主軸とし、海兵隊1個小隊を含む約130名で構成。K2戦車、K9A1自走砲、K21歩兵戦闘装甲車、K600障害物開拓戦車など14台の国産装備が投入される。戦車や自走砲など装備は、1月20日に出港した揚陸艦「天子峰」が輸送している。
陸軍の主力歩兵戦闘車両K21と2023年に作戦配備が完了したK600戦闘工兵戦車が、海外での共同訓練に参加するのは今回が初めて。UAEへの2度の事前偵察を行い、戦車・装甲車・自走砲の性能を最大限に引き出すため、最大発射速度射撃や機動中の多目標射撃など、実戦的な訓練を繰り返し行ってきた。

この共同訓練は、韓国とUAEの20年におよぶ防衛協力の新たな一章となるという。
両国の軍事協力関係は、2005年に韓国がUAE国防武官部を設置したことに始まる。2006年の軍事協力合意書締結、2011年のアーク部隊(UAE軍事訓練協力団)派遣と着実に発展してきた。現在も約150名規模で継続派遣されているアーク部隊は、UAEとの60回以上の共同訓練を通じて特殊作戦能力の向上に努めている。
また、軍事的な信頼関係の深化は、兵器輸出の拡大にも貢献している。UAEは2022年に中距離地対空ミサイル「天弓-II」を調達した。今回の訓練期間中に、UAE政府・軍関係者に向けたK2戦車、K21装甲車、K9A1自走砲の性能デモンストレーションや装備展示、試乗体験なども予定されている。
現地共同訓練団長の李周炫陸軍中佐は式典で、「今回の訓練は韓国とUAEの軍事協力をさらに強固にし、相互理解を深める契機となる」とし、「訓練を成功裏に終え、韓国軍とK防衛産業の優秀性を世界に広めたい」と意気込みを語った。
韓国陸軍は今回の訓練を通じて、戦力向上に必要な要件を導き出し、友好国との国内外での合同訓練を継続的に拡大する方針だという。昨年のカタールでの訓練と比べて、機械化戦力が強化された今回の訓練は、韓国の防衛産業の対中東輸出促進に弾みをつけるものと期待されている。
両国関係は2018年に「特別戦略的パートナー関係」に格上げされ、2024年5月の首脳会談では防衛産業分野における早期の成果創出で一致している。UAEは単なる武器調達から、共同生産や技術移転を通じた自国の防衛産業育成を目指しており、韓国との協力関係は今後さらに深化していく見通しだ。
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