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北朝鮮・労働新聞が新年社説を掲載 日米韓やロシアに言及せず

北朝鮮の朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は1月4日、「党創建80周年となる意義深い2025年を偉大な勝利と栄光で輝かせよう」と題する社説を掲載した。同紙による新年の社説は昨年も4日に掲載された。

社説は、昨年12月23日から27日に開催された朝鮮労働党中央委員会第8期第11回全員会議で行われた、金正恩総書記による「我々は全面的発展の雄大な偉業を開拓する闘争の歩を責任的に遅滞なく踏み出しながら、時代と革命が与えた神聖な任務を最後まで完遂しなければなりません」との発言を紹介して、党の路線と政策は科学、真理、勝利と意義づけた。

また、2025年を「(国防)5か年計画実施の最終年」、「栄光ある朝鮮労働党創建80周年を意義深く迎える」とした上で、「2025年の偉大な勝利のために、信念高く果敢に闘争していてこう」というスローガンを提示した。

一方で、社説は敵対国である日米韓、同盟国のロシア、友好国の中国など対外関係に言及しなかった。

社説は「5か年計画」に3回言及している。北朝鮮は今年の最重要課題を国防5か年計画の完遂とした上で、未達成目標である戦略潜水艦の就役や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などの兵器開発に注力しながら、国際関係については、情勢の推移を冷静に観察し、自国に有利な条件を醸成して、対応していくとみられる。

党中央委員会第8期第11回全員会議

2025年の党及び国家活動の方針が示された党中央委員会第8期第11回全員会議について、昨年12月29日付「労働新聞」次のとおり報じている。

会議は①2024年度の党及び国家政策実施状況の総括と2025年の闘争方針②党中央検査委員会の2024年度の活動状況③我が党の新しい地方発展政策と今後の課題④国の教育土台の強化のための一連の措置を実施することに⑤2024年度の国家予算執行状況と2025年度の国家予算⑥党内機構活動⑦組織問題--の議題で進行した。

金正恩総書記は、対外関係について、北朝鮮の置かれた状況を「厳しい地域情勢と流動的な国際関係の構図」にあるとした上で、「主導的かつ構成的な対外活動によって、朝鮮革命により有志な対外局面を開くための戦略戦術的課題」を示した。

また、日本などについては、「米国は反共を変わらぬ国是としている最も反動的な国家であり、日米韓同盟が侵略的な核軍事グロックとして傍聴し、韓国が米国の徹底した反共前哨基地に転落した現実は、我々にどの方向にすすむべきか、何をどうすべきかを明白にしめしている」と言及した。

一方で、同盟国であるロシア、友好国である中国に関する言及はなかった。

2025年の最高人民会議の招集時期についても明示されなかった。