【テスト配信】陸自が「サイバー学校」に改編 陸海空自のサイバー戦要員を養成(20240401)

森下泰臣陸上幕僚長は3月21日の定例記者会見で、防衛省・自衛隊のサイバー能力強化に寄与するため、陸上自衛隊通信学校を「陸上自衛隊システム通信・サイバー学校」(神奈川県横須賀市)に改編したことを明らかにした。

これに伴い木原稔防衛相は31日、同校で開かれた改編式典に出席し、「サイバーセキュリティー態勢の強化は待ったなしの課題だ。質の高い教育訓練を実施することを期待する」と訓示した。

同校が所在する久里浜駐屯地は、1939年に「海軍通信学校」として開設された、陸自で最も古い駐屯地の一つ。1950年の警察予備隊発足に際して、「久里浜部隊」が置かれた以降、陸自通信科職種の隊員に知識や技能を修得させるための教育訓練と通信科部隊の運用に関する調査・研究を行ってきた。

防衛省・自衛隊のサイバー戦部隊は、2008年3月に「自衛隊指揮通信システム隊」が編成されたことに遡る。14年には同隊の隷下に「サイバー防衛隊」(人員110名)が設置され、22年には自衛隊式通信システム隊を改編して、陸海空時の共同の部隊として「自衛隊サイバー防衛隊」が創設された。

同隊の定員は23年度現在1732名であり、22年度から144名の増員が認められた。22年12月に閣議決定された防衛力整備計画は、27年度末までに同隊と陸海空自のサイバー関連部隊の「コア要員」を4千名に、コア要員を含むサイバー関連業務に従事する要員を2万名に増やすとしている。

改編前の陸自通信学校は、2019年から陸海空自の隊員にサイバー戦に関する教育を施してきた。今後は陸自システム通信・サイバー学校が陸海空自の「サイバー共通教育」を担当し、レベル3(サイバー攻撃等対処任務を独力で遂行)相当の要員を年間130名養成する。

【参考資料】
2023年5月31日、第4回防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会「サイバー人材の確保及び育成について」


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