ルーツに纏わるインタビュー vol.4
僕の友人、知人がどの様な経緯で今聴いている/演奏している音楽に出会ったのかを知りたくて行いました。
今回はvais, HAKA, pingaで活躍している倉持氏に話を伺いました。
https://note.mu/secretmethod/n/nda676e330011?creator_urlname=secretmethod
上記音声データが当日の内容です。
以下が後日メールにて追加インタビューした内容とインタビュー中に出てきた音源やバンドのレビューです。
”追加インタビュー”
---ボアダムスに衝撃を受けた以降、追い求めて近しいと感じた音楽を教えてください。
(倉持氏)
洋楽ではButthole Surfers 「Locust Abortion Technician」, AxCx, Jean-Louis Costes, GG Allin, Sun City Girls, Naked City, Caroliner等。
日本ではサーファーズオブロマンチカ、スーパーボール、暴力温泉芸者、プンクボイ等。
---クロスビートを基に買っていた変な音源で記憶に残る作品教えてください。
(倉持氏)
Thinking Fellers Union Local 282 「Strangers From The Universe」
本当に素晴らしい。
---ロック、テクノ、ファンクを同時期に聴いていた時、どういうファンク(具体的なアーティスト名やジャンル)教えてください。
(倉持氏)
James Brown, Sly & The Family Stone, Curtis Mayfield, Funkadelic, Parliament, The Meters, Stevie Wonder等
---LATIN PLAYBOYSの話の流れで出ました、「音楽を俯瞰して考えている」というのは具体的にどのような感覚なのでしょうか?
(倉持氏)
LATIN PLAYBOYSの話しで言えば、アメリカ人から見たアメリカ音楽ではなく、メキシコ人から見たアメリカ音楽。アメリカという国、そしてアメリカ音楽を外(一歩ひいて)から考え作り上げてるってことかなと。この話は僕の中では細野さんのエキゾチック3部作にも通じると思っています。泰安洋行に入ってるMartin Denny("sayonara" the japanese farewell song)はアメリカ人からみた日本・アジア・南国の印象や日本音階を誤読しつつ作りあげているのかなと。で、その誤読感(すなわちエキゾチック)を細野さんは面白がり(俯瞰しないと面白がれない)当時の時代感覚(リズム)と合わせて作りあげていると思います。
---人から発信(オススメ)された音楽で良かったものを知った経緯を含め教えてください。また、それを知ったことで新たに知った音楽がありましたら教えてください。
(倉持氏)
ごく最近で言えばyumboです。Redd Templeのコブラ君と音楽の強度についての話しをしていて、強度とは逆というか違うところにある、揺らぎとかヨレ。そこから立ち現れる儚い美しさ。など、話していた先にyumboの名前を教えてもらいました。新たに知った音楽ではないのですが、新たに意識したのは、カウンターメロディと曲の縦の構造とかです。そしてinochiです!!!
”ディスクレビュー”
NEU! /s/t(Brain, 1972)
上でも下でもない、HIでもLOWでもない、違うとこに「いる」「ある」ビートです。
CAN/Tago Mago(United Artists, 1971)
ヤキさんとホルガーシューカイのリズム隊の軽みと反復なのです。
LATIN PLAYBOYS/s/t(Slash/Warner Bros. ,1994)
メランコリックとかノスタリジックとかエキゾチックとか
Sly & The Family Stone/Fresh(Epic, 1973)
リズムボックスの縦のビートとリズム隊のオフビートが不思議。スライのファルセットがほの暗く淡いのです。
細野晴臣/泰安洋行(Panam, 1976)
マーティン・デニーの誤読を細野さんが当時の感覚でハイブリッドした音楽。
ECD/season off(Cutting Edge, 2002)
言葉が符割りからもれる快楽。
Shellac/Terafoam(Touch And Go, 1997)
思考停止を意識的に操る とか。
Nina Simone/s/t(UpFront, 1971)
ジャズマナーやブルースマナーが破綻してクラッシック音階とリズムが暴走する瞬間にヤッターとなるのです。