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『何かがある』と思うから辛くなる

タロット研究者でタロットリーダーのYour Secret Advisor Ms. Chloeです。

タロットやゲームカードが占いに使われる理由は、ザックリと言って、『何か隠された秘密があるに違いない』『何かがあるに違いない』と言う期待があるからです。しかし、そのような時追っても追っても答えが見つからず苦しい思いをすることになります。

意味のないものに意味を見出す。
意味のないものに意味づけをする。
何か幸せになる方法があるはずだと意味を探り続ける。

人はこのような妄想に囚われてほとんどの場合一生を終えていきます。

タロット【Hanged Man】 吊るされた男のイメージの幻想


例えば、タロットの『吊るされた男』のイメージで、吊るされた男の頭の周りに光の輪が描かれ、頭の周りが輝いているイメージを見たことがあると思います。

『吊るされた男』Waite-Smith Tarot
神々しく光る男の頭に注目


そこに、20世紀のオカルト信者は、意味づけをしました。頭の周りに黄色の光が輝いていることには『何か、隠された意味がある』と思い、『吊るされて、逆向きに世界をみることで『違った角度から』ものが見えるようになる』と言う意味づけをしました。また、そこから『覚醒』をする、と言うようなよりスピリチュアル、ニューエージ的な意味づけがされました。

そう思えばそうなるだけのこと。元々そんな意味はなかったかもしれない。

そもそも、一説には古代のタロットの印刷メーカーの『ミスプリント』であったということも言われているのです。確かに、古代のタロットには、頭の周りが光っているものと光っていないものがあります。そして、古代の印刷会社はさまざまな理由で、時にずさんな印刷をしていたこともあるわけです。課税の関係で慌てて印刷をし、ミスプリントも発見されています。

しかし、ある人から見ればそのミスプリントも「この光は・・・!!!」とインスピレーションを得ることもある。

特に古代タロットは、ヨーロッパの白人貴族の間で所有されていたので、タロットの人物には白人が描かれることが主流でした。金髪の白人が吊るされた男に描かれていることも多いです。

『吊るされた男』CBD Tarot de Marseille
男の頭の周りに神々しい光はない

つまり、この金髪ブロンドの黄色を印刷するときにインクが滲んでしまい、さも頭から神々しい光が出ているかのように「ミスプリント」されてしまった可能性があるのです。(これはもうそのように議論されており、私個人の意見ではありません)

ミスプリントでもそれに特別な意味をつければ特別な意味になります。

つまり、私たちは意味のないものに意味づけをし、「何かがあるに違いない」という幻想を追いかけて生きているのです。

「どこかに幸せになる方法があるに違いない」
「こんなはずはない」
「絶対に何かがあるに違いない』

このような幻想に取り憑かれて隠された意味を探し続けます。

探し続けるとどうなるか。

探し続けて一生が終わります。

結局のところ、「正しいもの」も、「幸せになる絶対的な方法」も「意味」もあるようでないのです。「正しい」という定義はどこからくるのか。結局は個人の価値観によるのです。

大切なこと


一生の中で私たちは、そのよう幻想に、いかに翻弄されず、価値を自分の中で見出し、全てを味わい切れるか、にかかっているということです。

絶対にあるはずだ
どこかにあるはずだ

このような思いから『自由になる』ことです。

何かを見つけようと必死になることも時には楽しいです。ただ、その活動が苦しみに変わった時、それは囚われの身になっているということに気づくことです。

自由になったとき、全てが納得できるはずです。

今日もお読みいただきありがとうございました。

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