京町家の活用方法について その2
現存する京町家は明治〜昭和初期に建てられたものが多く、現代の新築住宅には無い、長い年月を重ねて醸成された独特の味わいがあります。
今回はそんな京町家の活用法・楽しみ方を、インテリアの視点からお話しさせていだだきたいと思います。
私は京町家の6畳和室を事務所として使用しています。
そして、この「和」の空間に様々な国のデザインのアイテムを合わせて楽しんでいます。
例えば、使用しているデスクはデンマークのヴィンテージ。これは1950年代にデンマークの一般家庭で使用されていたテーブルを補修して再利用しているものです。
150年前に建てられた京町家と70年前にデンマークビンテージのテーブルの組み合わせ。ロマンが感じられませんか?
メインのペンダント照明はハーマンミラー社の「ネルソン バブルランプ」。ミッドセンチュリーを代表するデザイナー、ジョージネルソンがデザインしたもの。和風に見えるんですけど、実はアメリカのデザインなんですよ。
チェアーは飛騨高山の日進木工のもの。デンマークのヴィンテージテーブルに合わせても、何の違和感もありません。
そしてテーブルの下に敷いているキリムは、なんとイランのもの。この独特の柄が良いアクセントになります。
わずか6畳の和室の中で、様々な国のアイテムが共存しています。
ある意味カオスな状態です。
でも上の室内の写真を見ると、不思議とまとまった“面白い空間” になっていませんか?
実は和室って、全て和のアイテムで統一してしまうよりも、他の国のアイテムも混ぜた方が素敵な空間になるんです。
特に北欧家具、中でもデンマークビンテージ家具との相性は抜群ですので是非お試しを!
「One Room One Art」の法則に従って、アート作品も一つ飾っています。
「美しいアートは脳のご褒美になる」そうです。
この事務所では滋賀県出身の日本画家 高田 学さんの作品をチョイスしてます。
これは一目惚れで購入してしまいました。
くすんだ金色と焦げ茶色の組み合わせが、“寂(さび)” を感じさせてくれます。
あと京町家の鉄板アイテム(笑)といえば、イサム・ノグチのAkariシリーズ。「光の彫刻」とも表現される、美しさと可愛らしさを兼ね備えた照明で、部屋の隅をほんのり柔らかく照らしてくれます。
絶対に買うべきアイテムですよ(笑)
今回は私の仕事場について色々とご紹介してきました。
読んでいただいた皆様のうち、誰か一人でも「和室をオフィスとして活用してみたいな」と思っていただければ嬉しいです。