【詩】穴の空いた瓶の底
街で体売る人 生ぬるい風まとって
街で体売る人 ねずみが前を横切った
誰も振り返らない 誰も知らないフリ
誰も振り返らない 後ろ足で砂かけて行く
ぽっかり空いた瓶の底
流し込むウイスキーがびちゃびちゃと溢れる
ぽっかり空いた瓶の底
優しさとか憎しみとかも溢れていく
歩くたびにつのる疲労
歩くたびに砂ぼこり
むせる階段の踊り場
すれちがうちんどん屋
友達の友達のカバンにぶら下がって
キーホルダー引きちぎって眉間に刻み込む傷
街で体売る人 生ぬるい風まとって
街で体売る人 ねずみが前を横切った
誰も振り返らない 誰も知らないフリ
誰も振り返らない 後ろ足で砂かけて行く
ぽっかり空いた瓶の底
流し込むウイスキーがびちゃびちゃと溢れる
ぽっかり空いた瓶の底
優しさとか憎しみとかも溢れていく