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【ゆる説】“あなたのブランドのUSPは?”と聞かれて即答できる人は少ないんじゃないか説

注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。

先日、とあるブランドのマーケティング担当からリブランディングの相談を受けたときに、私が思わず質問したこと。

それは、

「そもそも、ブランドのUSPは何ですか?」

その担当者は一瞬ハッとして、「そうなんです、USPが定まっていないんです。。。」と答えた。

この質問をして、USPを即答できるケースは実はかなり稀だ。

USP(Unique Selling Proposition)は、あらゆるマーケティング活動の根幹をなすものだ。

人によって微妙に定義は異なると思うが、

USP = 顧客が数ある他の選択肢の中から、そのブランドを選ぶ理由

と私は理解している。有名な例は、Dysonの「吸引力の落ちない唯一の掃除機」だろう。

このUSP、とかく自社の強みと混同されがちで、いつも歯痒い思いをする。

というのも、よく語られる自社の強みは、事業者側の主観・思い込みに過ぎず、顧客の視点がすっぽり抜け落ちてしまっていることも少なくないからだ。

以前別のnoteで、「マーケターは忙しすぎて、生活者目線で自ブランドを見れていないんじゃないか説」を唱えた。

あくまでも私の所感だが、普段、顧客がどんな情報に触れ、競合含めどんな提案を受けているか、その中で自ブランドがどう見えているのか、リアリティを持って把握できている人は多くない。

ただ、顧客の視点を持ちましょう、と言っても万人に正しく理解されることは難しい。そこで私はよく、次の図を使って説明することが多い。

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いわゆる、3Cのフレームワークをベン図にしたものだ。
3つの円は、顧客が求める価値、競合が提供する価値、自社が提供する価値、を表している。それぞれが重なる部分もあれば、重ならない部分もある。

図にあるように、円が重なり合う部分に、3つのPが存在する。

一つ目は、POD(Point of Difference)。
競合にはない自社ならではの価値だ。

二つ目は、POP(Point of Parity)。
競争上必須だが、同質化してしまっている価値だ。

そして、三つ目は、POF(Point of Failure)。
競争上諦める価値だ。

この3のPを、正しく客観的に見極められていないと、マーケティングで何をやってもうまくいかない。

まず大事なのは、「顧客が求める価値」の円内に何が入るのか、認識すること。

ここが認識できていないと何も始まらないのだが、ターゲットが定まっていなかったり、ターゲットの解像度がデモグラレベルで留まっていて粗かったりと、意外とここでつまずいているケースは多い。

先の事業者側の主観・思い込みになってしまっている「自社の強み」なるものは、この円が認識できておらず、ただ単に自社ができることを語っているものだ。
(右上の円で、下の円と重なり合っていない部分。よくあるのが、売上構成比の高い商品を「自社の強みです」と言ってしまうケース)

次に大事なのは、「競合が提供する価値」の円を認識することだ。

マーケターにとって、競合分析は当たり前にやっている業務だろう。
しかし、改めて、競合各社がホームページや広告、キャンペーン、DMなどで何を謳っているのか、書き並べてみると色々と気づき・発見がある。

それは何かというと、

自社含め、思ったより各社言っていることが一緒だ

ということだ。

これはすなわち、自分たちが強みだと思っていて、かつ、顧客も求める価値だったとしても、競合も同じように訴求していたら、顧客にとっては、どれも一緒に見える、ということを意味している(ベン図でいうと、POPに該当)

ちなみに、この、自社の強みが実はPOPだった問題は、本当に”あるある”なので気をつけたいところだ。

そして最後に、「自社が提供する価値」を認識すること。

自社のことだから簡単に思えるかもしれない。
しかし、自社にとっては当たり前すぎて価値でも何でもないと思っていたものが、顧客にとっては価値だったりするので、可能な限り些細なことも挙げてみることをオススメする。

さて、3つの円を描けたとして、問題のUSPはどうやって見つけるのか。

それは、POD、すなわち、顧客が求めていて、競合も提供していなくて、自社だけが提供できる価値の中から、顧客が強く求めているものをピックアップすることだ。Dysonのように一つでもいいし、PODを2つ組み合わせてもいい。

このフレームワークは、言われれば何の変哲もないものだが、ワークショップなどで実際に皆で考えてみると、意外なほど気づきが生まれる。

もし「あなたのブランドのUSPは?」の質問に即答できなかったら、ぜひ一度気軽な気持ちでやってみるといいかもしれない。

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