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おはようございます。

#KENMAYA です。

今日は上記記事について、
元経営者目線としてお話をしたいと思います。


1.お家騒動


2015年に大塚久美子社長が父で創業者である大塚勝久氏を会長退任に追い込んで以来、対立の続いたお家騒動ですが、親子間だけでなく、兄弟間の確執もあり、一概にどっちが良い悪いの話ではないのですが、

外部の人間からすると、家族経営で経営陣が対立している会社との取引は望むはずはありません。代表が決定権を握ってない等、言語道断なのです。

要はお家騒動は対外的に確実にマイナス要因でしかないという前提があります。

(うちもお家騒動に近いことになってるので何とも言えない気分ですが。)


2.久美子社長の打ち出した戦略


久美子社長の戦略は、ニトリやIKEAの躍進を見て、「大塚家具」という高級志向のブランド路線を捨て、大衆に受けるレッドオーシャンへの挑戦でした。恐らく、日本人の貧困化を見抜いていたのでしょう。

ある意味でその予想は当たっていて、ダイソーやニトリ、IKEAは躍進を続けています。しかし、大胆な値下げを断行するわけでもなく、中途半端な価格設定を続け、高級志向の富裕層の客離れ、なんでもいいから安く揃えたい中~低所得者層は、ニトリやIKEAを選択し続けました。

なぜならニトリやIKEAは低価格のまま、クォリティの上昇に努め続けたからです。大塚家具はそのブランド力を加速度的に失い、クォリティの低下と客足を遠のかせただけとなってしまいました。


3.身売り


2019年年末、大塚家具はヤマダ電機に株式の過半数を取得してもらい、事実上のヤマダ電機の子会社化しました。「身売り」です。

さらに致命的だと感じたのは、大塚家具の社員数は2015年末から4割以上も減少しており、目利き力を備えたバイヤーや営業スキルを持ったベテラン販売員が次々と退職していることです。
結果として強みだった品揃えも陳腐化し、顧客への商品提案力も営業力も失ってしまっています。

ヤマダ電機側の思惑は本稿では取り扱いませんが、簡単に触れると、確実に大塚家具はこのままいくと倒産していました。
そこで「大塚家具」のブランドが完全に消失するギリギリのところ、そして「大塚家具」の経営陣の求心力が完全に消失したタイミングでの買収劇でした。

つまり、この「身売り」の裏には、ヤマダ電機側の思惑通りに大塚家具のすべてを牛耳れると判断されたからに他なりません。


4.久美子社長の退任


上記で述べた通り、恐らくこの退任も既定路線の話だったのでしょう。
ただコロナの影響でそれが早まっただけ、だと思います。

家電量販店の大手であるヤマダ電機も影響を大きく受けているはずで、
正直「大塚家具」を抱えているのも重荷になってきているのだと思います。場合によってはヤマダ電機は、早々に「大塚家具」の看板を降ろし、家電と家具のPB化によるトータルコーディネイトサービスへと動くかもしれません。

わたし個人としては、久美子社長はかわいそうだとは思いますが、
同情は全くできません。

はっきり言って、創業者である父を追い出してまで、社長になった久美子氏に求められていたチャレンジ精神や明確なビジョンは微塵も感じなかったからです。
ただ社長の椅子にしがみつきたいだけの哀れな社員のひとりにしか見えませんでした。


5.最後に


久美子社長は、父との和解の道も探ったようですが、ビジネスの世界に飛び込んで一度競合他社となったからには、親子も兄弟も関係ありません。
甘すぎるのです。

上記のツイートの通り、
創業者の力とビジョンは明確かつ、とても強い動機に裏付けされているため、経営学や経済学を学んだからといって誰でも優秀な経営者になれるわけではないのです。

創業社長を神格化するわけではありませんが、業を興しそれが20年、30年と続いているのであれば、その人は間違いなく経営者のセンスがあるといっていいでしょう。例え、従業員が数名でも巨額のお金を動かす力のある会社がゴマンとあります。

ですので、今回は久美子さん残念でした、としか言いようがありませんが、
二代目の苦悩も痛いほど分かります。(規模は全然違いますが。)
再びビジネスの最前線に出てきてくれることを期待して、今回は終わります。


ここまで読んで頂き、ありがとうございます。

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