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45歳定年説について
#KENMAYA です。
サントリーHD社長の新浪氏の発言が物議を醸しています。
確かに働き手が減少していく日本で、人材の流動性を確保する上で早期リタイアや転職しやすい環境作りは喫緊の課題のひとつです。シニア世代も働ける環境の整備を推し進めてきていますが、それも時間の問題で、人口減が不可避な未来においては、労働者ひとりあたりの労働生産性を高める必要があります。
つまり企業は今まで以上に被雇用者に対する教育コストを上げ、同時に被雇用者の働きやすい環境整備にコストをかけなければなりません。当然、より市場価値の高い労働環境(給料が高い会社)に人は集まりますし、優秀な人材流出を防ぎたかったらそれに見合う対価が求められます。
それを理解した上で45歳定年説を提唱しているのだとすれば、非常に先見の明があり、なおかつ自社の労働環境に余程自信のある発言だと思われます。新卒~30代前半ぐらいまでを様々な経験を積む教育期間であると仮定して、30代後半~40代が最も労働生産性が高まる期間であると思います。その40代半ばにして会社からより高待遇、より市場価値の高い会社への転職を斡旋してくれるなんて、もはやボランティア精神といってもいいレベルに優れた経営者だと評価します。
わたしのような個人事業主レベルの下っ端からすれば、サラリーマンが尚更うらやましく感じます。わたしが経営者だったら思いつきもしない発想です。熟練した技術者や多方面に顔の利く営業マンなんて、それこそ定年なんて70歳、いやいや80歳、いやいや身体が動くまで働いて欲しいと願うものです。
正規雇用、終身雇用という壁を取り払い、全労働者が有期契約労働者という概念の元、人材の流動性を確保するというのであれば、まず『新卒採用』なんて概念は不要ですよね。新卒だろうが中途だろうが、皆同じ土俵になりますし、下手をすれば中途の方が専門知識や経験があれば新卒より高評価になるやもしれません。
いいとこ取りをしよう、という日本の企業の思惑は結果的に自分たちの首を締めていることに気付けていないのでしょう。一時的な人手不足を人材派遣や契約社員などに頼った結果、企業の中での出世争い、ポスト争いという健全な競争が失われ、愛社精神や出世欲のない社員が多く生み出されました。
それが今日の世界企業の時価総額ランキングにも如実に表れています。競争のない社会や企業にはお金は集まりませんし、成長も鈍化します。当たり前のことです。これからの世界は一人親方、個人事業主が資金調達をして、中堅企業以上の売上や利益を叩き出す時代になっていくでしょう。
多くの企業が今の現状に危機感を感じていないことは非常に残念です。放っておいても右肩上がりの社会はとうの昔に終わっているんです。大企業の経営陣や政府首脳のほとんどが中高年で、過去の成功体験に縛られているがため、世界と勝負にならないというのはまさに悲劇とも言えるでしょう。
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