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お散歩からの学びの発展-保育者の頭の中-
先日ここちよい秋の日にみんなで近くの公園までお散歩に行きました。公園でたくさん体を動かした帰り道。1本の木の下で、子どもたちと鎌倉学び舎スタッフの青島が立ち止まりました。
見るとそこにはイガに包まれた栗の実が。子どもたちは大喜びで栗を拾っています。するとサッとビニール袋を差し出した青島。そこからそれぞれが1枚ずつビニール袋を持ち、楽しそうに秋の実などの宝物を拾い始めました。
宝物を持って学び舎に到着すると、子どもたちから「玄関に飾ろうよ」という声が。これまで玄関にその季節のものと本をセットで置いていたので、子どもたちの中でなじんできていたのかもしれません。
その後、青島が本棚の前でウロウロ。「栗が載ってる絵本あるかな〜」と呟くと、子どもたちがわらわらと集まってきて、「自然の書いてある本に載ってるんじゃない?」「秋のことが載ってる本にあるかも!」など口々に言いながら探し始めました。
みんなで探して、やっと見つけたのは『さるかに合戦』のお話のページ。大喜びで玄関に持っていき、栗と一緒に飾りました^^
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とても自然な流れのあたたかな活動でしたが、実はこの流れ、偶然ではありませんでした。
青島がよくよく考えて動いたものなのです。
まず、もともと玄関にはクヌギが置いてあったのですが、そろそろ違うものにしたいな〜という思いがあったとのこと。
そこで、散歩の行きの道を静かに観察していました。「秋っぽいものはないかな〜?どんぐりでもキノコでもいいけど…」と思いながら歩いていると、栗を発見!でもその時は何も言わず、そのまま公園に向かいました。
そして帰り道。青島が「あ、栗落ちてるね!」と一言。そこから上記の活動に繋がっていきました。
ちなみに、青島が行きではなく帰りに声をかけたのは、行きに自然物を拾っても公園で走り回っているうちに興味がそれてしまうだろうな、と予想したから。そのため、あえて帰りに声をかけ、興味を学び舎まで繋いだ上で、玄関に飾るなり、自然物を使って工作をするなりという活動に繋げたいという狙いがあったためです。
また、本を玄関に置いているのは、自然物だけを置いておくよりも、学びが深まり広がっていくきっかけになるのではないかと考えてのことです。
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このように、子どもたちからすると自分たちの主体的な発見やひらめきに満ちた活動なのですが、そこに至るようにするために、保育者の精巧な意図が働いています。こうした場面に遭遇すると保育者は専門職なのだなぁとしみじみと感じるのです。
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