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自閉症の次男の5つのこだわり

うちの次男は、自閉症。故に、周りには理解してもらえない【こだわり】がいくつかあります。【こだわり】と聞くと、皆さんどう感じますかね?

私にも、もちろん、こだわりはあります。

例えば、ウィンナーは皮が弾けるまで焼きたい。
    掛け布団は、頭の方、足の方を決める。
    よそのコタツには足をいれたくない。

   
など、まぁ、そこそこ誰にでもあるのでは?と思うものですね。
決して潔癖症でもないですし、人が作ったご飯とかありがたく食べちゃう人です。コタツも寒さが限界になれば、入れるんです。

つまり、絶対できないわけじゃない。上記のこだわりが満たされないと、生きていけないってほどではないんですね。


でも、ジローは違います。それをしないと次に進めない。何度もそのこだわりが満たされないとパニックを引き起こします。


まず、我が家は、基本的に人様に迷惑をかけない、こだわりは、よしとして付き合っています。
今は、理解してくれてる家族と暮らしているので、どんなこだわりでも付き合ってくれますが、大人になってから、私たち親が死んでからは、そうはいきません。

なので、人様に迷惑をかけることになるだろうこだわりは、できるだけ場所を決めてしてもらうようにするか、代替えしていきたいと考えてます。が、まだまだ、できないことの方が多いです。

そして、こだわりは、変化していきます。
成長とともに、知識として得たものとともに変化していきます。

その中で、現在、生活に影響しているこだわりを何個か紹介します。

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#その1  扉と窓

こだわり:その1【 家中の扉と窓を閉める。 】

早速、ややしそうなこだわりが出ましたね。4月になって、皆さん窓を開けることって増えますよね。特に、近年はコロナウィルスの影響もあって、頻回に換気が必要です。

でも、ジローは窓が開いてる、扉が少しでも開いてることがダメなんです。

家では、玄関に通じてる引き戸から脱衣所の扉、お風呂の扉、換気のために開けてるもの全てをササッと閉めてくれます。
冬はありがたい、こだわりなんですけどね〜

この季節は、ジローに気づかれないうちにコソッと開けて、彼が閉めにきたら「バレた〜」といつまで気づかれないかゲームをする我が家です。

もちろん「閉めやんといてよ〜」と言われる場面もあります。
親戚の家などにお邪魔しても、彼のこだわりは変わりません。襖の多くある家は、それはそれは健気に閉めてくれます。

「閉めないで」というと、とても悲しそうな顔をして「どうして閉めないの?」と不安がります。「暑いからだよ」と説明すると、悲しげな顔で唸り(こだわりが阻止されたから)「いやだよー!」と怒り、結局閉めます(笑)
「ここは、ジローのお家じゃないから、勝手に閉めてはいけないよ」と説明しますが「閉めていいですか!」と大声で叫んでしまったります。

本当は、そこでグッと我慢できるといいですけどね、そこは、まだ練習中です。


#その2    トイレのモーター音


こだわり:その2【 トイレの自動洗浄の電源を切る 】

これは、割と被害者がでるタイプのこだわりです。私も何度、叫んだかわかりません。
我が家のトイレは、立ち上がると自動で流れるトイレなのです。電源がついてる間は、24時間、便座を温めてくれます。
ジローは、その電源を毎回、切ります。

夏はいいんです。でも、冬を想像してみてください。温まってると思ってる便座に座ると、とてつもない冷たさが突き抜けるんです。叫ぶと同時に、「ジロー!」と声をあげたくなります…

張り紙をしてみたり(視覚支援)終わったら電源つけます(構造化支援)をしてみましたが、今現在、被害者は増え続けてます…(主に私と祖母)

どうやら、モーター音がダメなようです。イヤーマフしてや〜とお願いしてますが、イヤーマフはまた別用途で使っているので、トイレに持ち込みたくないようです。

トイレ用の耳栓もしてみましたが、結果、消されてしまっていました…もはや、モーター音ではなく、スイッチを押すことがこだわりなのか…?

何かいい解決案あったら教えてください。


#その3    男女のこだわり


こだわり:その3【 男物、女物へのこだわり 】

実は、このこだわりが、生活の中で1番、繊細で苦労するこだわりでもあります。彼は、言葉はそのままの意味で受け止めます

例えば、おもちゃ売り場によくある【男の子おもちゃ】【女の子のおもちゃ】この文字をそのままの意味で受け止めるので、彼がその文字を見ると「これは女の子のおもちゃだ!買ってはいけない!」となるのです。
「欲しければ買っていいんだよ」と伝えても「買わない!買ってはいけない!」と頑なです。

どこにも、女の子以外買ってはダメです。なんて書いてないんですけどね。

それ以外にも【メンズ】【レディース】と書いてある売り場では…お分かりですよね?

正直、ジローは5年生の中でも体の大きな方です。
足のサイズも24.5と母である私をスーッと抜いていきました。けれど、メンズの24.5では彼の足には大きすぎ、子供の靴の売り場は23.5までしか展開がなく、今はレディースがちょうどいいサイズなんです。
彼に新しい靴を買おうと売り場へ連れて行っても、ご丁寧にレディースと書いてあることで、どれだけデザインがユニセックスなものでも、彼は首を縦には振りません。中敷が赤系とかだったら、試すこともしません。

結局、某スウェーデンのブランドの靴売り場が、売り場を緑色で展開していたこと、目につく男女の表記がなかったことで、そこで靴を買うことができました。
ワゴンに入ってる安い靴でよかったのに!という、母の心の声はしまいこんで、履かせる! ピッタリ! レジ!のスピード感で買いました。

後で気づいたんです。箱にレディースと書いてることに。

レジで即、箱を捨ててもらいました(笑)

その靴をウキウキで学校に履いていってくれた時は、人狼で勝った感覚です(笑)むしろ家に持って帰ってこれた時点で、「よっしゃー!」なんですけどね。バレたら「返してきて!履かないよ!」騒ぎになるので…(笑)


#その4   寝る時のこだわり


こだわり:その4【 寝る時、隙間は全て埋める 】

ジローは、現在、兄と弟と子供部屋で寝てます。けれど、眠る時のこだわりとして、

部屋は真っ暗にする(隙間の明かりすらダメ)
ベットの隙間(2段ベットの下)は全て隠す
掛け布団の中にぬいぐるみをいれて隙間を埋める

この作業が終わらないと、彼はどれだけ眠くても眠りにつくことができません。隙間の明かりがダメと書いてますが、この隙間は、部屋の扉の隙間もです。
扉の下に少しだけ空いてる、あの隙間から廊下の明かりが、もれこむことも眠れない原因になります。
ですので、いつも、クッションやウツボの人形(笑)で埋めてます。

家族の中で、この入眠儀式を見るのは楽しみの一つにもなってます。
めちゃくちゃ綺麗に隙間を埋めるので、関心します。

以上の条件から、ホテルや、旅館に泊まることもできません。
過去にお泊まりした時は、避難経路を示す明かりをどうやっても隠すことができなくて、夜中の3時まで泣いて怒り、最終的にタオルを目にのせ、私の手をその上から被せ、納得してくれました。

これから、宿泊訓練も修学旅行もあります。

母は現在、遮光性の高いアイマスクを探してます。隙間を埋めるのではなく、アイマスクして見えないようにする方法にならんかなぁ〜と淡く願ってます。


#その5 勝敗

こだわり、その5【  勝ち負けへのこだわり 

ジローの一番、譲れないこだわりです。1位、1番、勝ち、勝利この言葉に彼は過敏に反応します。悔しい、勝ちたかった、勝ってほしかった。これらの感情が爆発すると、傍に居る人への他害(相手を傷つける行動)をするほど、自分を制御できません。なので、彼は今まで、勝敗のつく大会、運動会というものに最後まで参加できたことがありません。

一番身近なものだと、じゃんけんに参加することもできません。

リレーで1位をとれなかった。
ドッチボールでボールを当てられた。
じゃけんで負けた。


など、全てジローくらいの子供なら経験していくことですが、彼は勝負事に参加した後は、決まって怒りを爆発させています。最悪の場合、それが傍にいたお友達に向かっていくことになり、いろんなご家庭に何度も頭を下げました。

この、こだわりだけは、私の心を削っていくこだわりです。


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◇こだわりは変化する

ジローの上記のこだわりは、小さなころからあったものではありません。成長するにつれて、彼が知識を得るたびに増えたり、減ったりしています。

中には周りが作り上げてしまったこだわりというものも存在します。

ジローのこだわりは、まだまだ、ありますが、普段の生活の中で当たり前になってしまってるものも多く、絞り出せそうにないので、今回はこの5つを紹介しました。職場でも、いろいろなこだわりを目の当たりにします。どれも、かわいいなーって思っちゃうんですけどね!

こだわりに縛られて生きることは、決して楽ではないと思います。


みなさんには、どんなこだわりがありますか?

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