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発する言葉を変える。より自分らしくあるために

感謝の気持ちを素直に表せる人って見ていて気持ちがいいですよね。
「ありがとう」の一言で、言われた方は心が弾みます。

でも、実は自分の内面をつぶさに見つめてみると、この「ありがとう」はわりとなんにでも使える言葉であるがゆえに、けっこうクセ者だということに気づきます。

この記事では「ありがとう」を事例に、言葉と自分の在り方について考えます。

<目次>
1.事例:ありがとう
2.ありがとうの奥底
3.提案:ありがとうの代わりにこう言う
4.自分が発する言葉への気づきが自分の在り方を変える
5.まとめ

1.事例:ありがとう

「ありがとう」という感謝の気持ちを論理的に分解するのは正直なところ気が進みません。しかし、より自由に生きるために「これって結構重要なことだな」と気づいたので書き進めます。

「ありがとう」にはざっくりと下のようなパターンがあります。

① 社交辞令のありがとう
② 何となくのありがとう
③ 心からのありがとう

これらを区別なくパッケージングしてしまうのが「ありがとう」という非常に便利な言葉です。①、②は感謝の気持ちが無いのに発するありがとうです。③は感謝の気持ちから発するありがとうです。

ここで問題にしたいのは①と②です。これらの言葉は端的に言って「嘘」です。少しは感謝の気持ちもあるかもしれませんが、感謝の気持ちよりはその他の感情の方が大きいのが普通です。

例えば、やるべき仕事をやっただけでありがとうと言われれる(言う)。特別やってほしいとは思わないことでも、やってくれたら感謝の気持ちを表さないと悪いなと思って、ありがとうと言う。
このような場合は、感謝の気持ちはごくごく小さいはずです。もしかすると感謝の気持ちよりも、感謝の気持ちを表さなければならないという義務感の方が強いかもしれません。

一方で、忙しいとき、次にやらなきゃいけないと思っていたことが、同僚が気を利かせてやっておいてくれたりしたら「ありがとう~!」と心から感謝するはずです。

2.ありがとうの奥底

このように「ありがとう」という言葉はいろいろな状況をパッケージングする便利な言葉です。便利ですが、便利なものは得てして人の能力を損ないます。では「ありがとう」の便利さは何を失わせるのでしょうか。

それは、感情に気づく能力と感情を表現する能力です。

大して感謝もしていないのに、むしろ有難迷惑な感じがするのに、ありがとうを連発することは自分の感情を無視することです。自分の感情を無視していると感情に鈍感になります。感情は自分らしい人生を生きるための羅針盤ですから、感情に鈍感になってしまうと自分らしい人生を送るのが難しくなります。

また、本当に感謝しているのにその気持ちを伝えないことにも問題があります。自分の感情に素直になれないということです。自分の感情に素直になれないと、自分が本当に大切だと思うことを見誤ります。自分が大切だと思うこととは別のことを大切にしてしまいます。そして、それと引き換えに本当に大切なものを失います。これは恐ろしいですね。

3.提案:ありがとうの代わりにこう言う

大して感謝もしていないなら、「ありがとう」という言葉は使いません。ありがとうではなく、「~してくれて助かりました」「久しぶりに~を食べました」を使います。こうすることで、自分の感情に嘘をつかずに済みます。

感謝しているのなら、「ありがとう」と言います。そのとき、以下のように付け加えます。

・自分が抱えている問題と問題に対する感情
・あなたがしてくれたことの具体的にこの点が問題に取り組むのに役立った(役立ちそうだ)
・自分の今の感情

具体的には、

「あれもこれもやらなくちゃいけないから困っていた。でもあなたがその一部を手伝ってくれたから、だいぶ気持ちに余裕ができた。ありがとう!」

のように言います。自分がこのように言われているところ、言っているところを想像してみてください。「助かった~。ありがとう~!」と言われるのと比較してみてください。感情を付け加えたほうが、より心が通じ合う感じがしないでしょうか。

4.自分が発する言葉への気づきが自分の在り方を変える

「便利な言葉を無自覚に使うと、本当に自分が大切にしているものを見誤る」ということを、ありがとうを事例に考えました。

自分の発する言葉への気づきは人を変えます。感情を素直に言葉にできているか毎日振り返ると、必ず気づきがあります。気づきを得たら、自分の感情を素直に表現できるようPDCAを回していきましょう。

5.まとめ

以下、まとめです。

・ありがとう、すいませんを意識して使い分けよう
・ありがとう、すいませんの代わりに事実だけ言う
・ありがとう、すいませんを使うときは素直な感情を交えて言う
・自分の感情を素直に表現できるよう、振り返りをしてPDCAを回そう

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