制作メモ(ドローイングの意義)

 友人と話していて、久々にがっつりドローイングをやることにした。


 去年の秋ぐらいに大学の課題でドローイングが出た。それまで自分はドローイングの意義、ドローイングで何を描いたらいいのか、があまりピンと来ていなかった。理由としては、そのドローイングで描くべきことはキャンバスでやってしまえばいいじゃないかという考えだったからだ。

 とりあえず、ドローイングの課題の期間に入って僕はコピー用紙を用意して手を動かし初めていた。一枚一枚を丁寧に描いて行って一日7、8枚くらいを描いていた。画材を変えたり、モチーフを作ってみたり、抽象的に描いたり。ただこれだとあまり普段の制作と変わらないし、いつもの自分っぽかったのでたくさん枚数を描くことにしてみた。30枚描くことを目標にした。

 最初の3、4枚くらいはいつも通りにじっくりやっていたのだが、このペースだと30枚は行かないなと思いペースアップ。


 結局その日は50枚くらい描いた。描いた後に今日描いた絵を振り返っていく。枚数が増えていくにつれて自分の普段の制作では出てこない色の組み合わせや、線の緩急、形の交わりができていた。最初の方のが悪いとか最後の方が良いとかそういうことではなく、それだけのバリエーションが出た。手を動かさないとバリエーションは出ない。頭で考えていてもそれはあくまで頭の中で考えていることで、そのイメージを留めるすべを頭は持っていないので、やはり紙に描くということが大事だ。ノーテーション(記譜)すること。


 頭の中のイメージは変容していく、その変容していくイメージをその都度書き起こす、書き留めておく必要がある。

 頭の中では可能だった質感、色は現実とのギャップがあったりするしそれを描き起こす、書き留めることでより細部(質や、顔料の問題)だったりが鮮明になる。試みることで解像度が上がる。

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