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映画『メッセージ』そして、小説『あなたの人生の物語』(その1)

はじめまして、背骨です。

Twitterフォローしていただいている方々、いつも読んでいただきありがとうございます。

さて、…note初投稿です。デビュー戦です。

noteをダウンロードしてからというもの、初投稿はどんな内容にしようかと迷っているうちにかなり時間が経ってしまいました。
ずっと悩んでいるのもなんなので、まずは気負わず好きな映画の話しでも、いつもTwitterに書いているような気軽な感じで書き始めたいと思います。

記念すべき第1回は(自らハードルを上げるスタイル)ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品『メッセージ』(2017)です。

ハイ、ポスター (ジャーン!)

なぜこの作品を選んだかといいますと、公開時から魅せられてしまった好きな映画だというのもありますが、今回原作のテッド・チャンによる短編小説『あなたの人生の物語』を読んでみたら「噂に違わぬ大傑作だった」そして、映画化にあたり改変された(簡略化された)ある部分が「この物語全体のイメージとラストの意味合いを決定的に違って見せる」いう事を話したい。という理由からです。

という事で、映画『メッセージ』と原作である短編小説『あなたの人生の物語』を比較しながら、この物語の面白さを語っていければと思います。

〈あらすじ (映画と小説共通の)〉

ある日突然、エイリアンが人類とコンタクトをし始めた。言語学者ルイーズ・バンクス博士は「ヘプタポット(7本足)」と名付けられたエイリアンとコミュニケーションをとり、彼らの要求を聞き出すことを軍から要請される。
また、それと並行してルイーズの娘との思い出が語られる。そのふたつのストーリーの関係とは…

〈スタッフ〉
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:テッド・チャン
脚本:エリック・ハイセラー
撮影:ブラッドフォード・ヤング
音楽:ヨハン・ヨハンソン

〈キャスト〉
ルイーズ・バンクス:エイミー・アダムス
イアン・ドネリー:ジェレミー・レナー
ウェイバー大佐:フォレスト・ウィテカー

映画.com 作品紹介ページ
https://eiga.com/l/odfPC

〈ストーリー・感想・解説〉

まずヴィルヌーヴ監督らしいド派手というより静かで重厚で緊迫感のあるオープニング。

ポスターにあるような「ばかうけ」に似たドデカいUFO、これは映画だけのものです。(原作ではエイリアンは直接来襲せず、「ルッキング・グラス」という双方向通信装置で交信する)

そもそも原作では映画での導入部分にあたる描写がありませんし、スケール感ある映像はまさに映画という表現ならでは。ヨハン・ヨハンソンの重厚な音楽と共に一気に非日常の世界に引き込んでくれます。

※わたくしこの段階でかなりアガりまくってます。

少し脱線しかけましたが、ここからはややネタバレ有りになります。

ここから先のストーリーを大雑把に言うと…

ルイーズはヘプタポットとのコンタクトをはじめるものの、いくらコミュニケーションを取ろうとしても「言葉(言語)」が通じない。そこでルイーズは「言葉」ではなく「文字」でコミュニケーションを取ろうと試み、それに成功します。彼らは「言語」ではなく「文字」で伝達する生物だったのです。

そのコミュニケーションを続けるうち、ルイーズはその言語を理解出来るようになってきます。そしてその理解度が上がっていくほど、彼女は「未来が見える」能力を手に入れていきます。

そしてある時、ヘプタポットは「武器」という文字を書きます。これに脅威を抱いた世界各国は協調する事をやめ、ヘプタポッドとの戦争が始める一歩手前にむでなります。

そこでルイーズは手に入れだ「未来が見える」力を使って、世界の協調を取り戻し危機を救うのです。(というか、世界が協調したことによってヘプタポットの目的が達成される)

その後、ルイーズは自分だけに見えている未来をトレースするような人生を歩んでいく。

というものです。

ここまでは映画を観た方ならみなさんご存知な内容かと思います。

初見時、自分はかなり感動しましたが、一部でモヤモヤしたものが残ったのもたしかです。それは…

①ヘプタポット文字を理解するとなぜ未来を見られるようになるのか

②イアンとの破局や、生まれる娘が早逝するという運命を知りながらルイーズはその人生をトレースするのか

この2点です。

もちろん劇中で「ヘプタポット文字を理解するとなぜ未来を見られるようになる」旨の説明はありましたが、なぜなのか、その関連性がよくわからなかった。

そして「不幸が訪れる事がわかっていながらその人生を歩む」ということも腑に落ちないものが残りました。「結果ではなく、一緒に暮らした日々の幸せは間違いなくある」ということなのかな、と解釈していました。(映画の作り手はそう伝えようとしている、ということで概ね間違いないと思います…)

しかし、

その2点のモヤモヤは原作『あなたの人生物語』を読んだ時、一気に晴れたのです。

それは映画を観た時には全く考えもしないロジックでした。そして、その改変箇所(見方によっては簡略箇所)こそ、『あなたの人生の物語』の最重要部分であり、映画と原作を決定的に違った物語へとしてしまうものでした。

それとは…

少し長くなりました、続きはまた明日といたします。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
宜しければ続きもお楽しみに…

背骨



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